心の戦士!~心が前向きになる言葉~

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継続より「一日」

"何事も継続しよう"とか"何事も継続しなければ"と思うと、それをすることが重たくなります。また何かの都合や感情で、それができなかったときの落胆も大きくなります。これを俗に「完璧主義」といいます。この「完璧主義」を目指すこと自体は、最後までやり抜くことにつながるという意味では"良し"とされますが、それもケースによります。物は使いようで、完璧主義も使いようということでしょう。

 

さて、「人を動かす」の著書で有名なデール・カーネギーという方がいます。1888年に生まれ、1955年にお亡くなりになったアメリカの作家・講師です。この「人を動かす」はビジネス啓発書(実用書)としては、不朽の名著と言われ、座右の書としている人も多いと見聞きします。

 

このデール・カーネギーの著書に「道は開ける」もあります。こちらも有名なため、あなたもご存じかもしれません。この「道は開ける」に"一日の大切さ"を謳う項があります。

 

「過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の枠の中で生きよう」

 

私はこの"鉄の扉"というワードがとても好きです。集中やフローを思わせる"今"との一体化が彷彿とされます。

 

また"今日一日の枠の中"という表現も素晴らしいです。この"枠の中"がポイントで、"明日(未来)はどうなるかわからない"という感情や、"今日の喜怒哀楽は今日で終わり"という「日に新た」の精神がうかがえます。

 

まず"明日はどうなるかわからない"という感情は、私のような営業職は特に重要だと思います。なぜならお客様の気持ちは移ろいやすく、明日に気が変わらないとは限らないからです。もちろん、無理強いや強引な手段でハンコを押させるという話ではなく、お客様にその気があるなら、その気を前向きに固定させるという意味で重要ということです。その場でハンコを押させないから、温度は下がり、ハンコの向こう側の世界を閉ざしてしまうのです。

 

もう少し深堀します。

 

ハンコの向こう側の世界というのは、私のような保険会社に勤務する者のたとえですが、このまま保険の話で進めます。死亡保険の必要性をある程度お持ちのお客様がいたとします。そのお客様に自社の保険を説明し、その場でハンコを押してもらったとします。確率は少ないですが、その1週間後や1か月後に本当にそのお客様が亡くなったら・・・、という話です。ぐずぐずしてお客様の温度が下がったら、遺族がもらえた保険金をもらえなくした、ということになります。

 

上述はあくまで保険の話ですが、すべてに通ずる話だと思います。今日に自転車が壊れたら、できたら今日に直すのです。今回のように緊急事態宣言が発令されて、その自転車屋さんが当分に臨時休業をするかもしれません。

 

その時その時の状況や確率も関係しますが、常に"明日は何があるかわからない"という精神は、人生に後悔を少なくする最良の考え方に思います。

 

次に「日に新た」の精神について。

 

一言で言えば"過去を蒸し返すな"ということです。もう昨日は昨日で終わった話です。良きことも悪しきことも・・です。その切り替えが「今日」を大切にし、未来を拡充させる秘訣です。今日を大切にすることは、大切にした分だけ未来は揺れ動きます。未来の不確定要素を少しでも明るくできる現場が「今日(今)」。

 

過去を蒸し返したり、過去に浸ることは、実は未来を失うことにつながります。浸る分だけ時間が費やされます。浸る分だけ集中が阻害されます。唯一の人生である"今"と向きうことが一番過去も未来も明るく(充実化)させるのに、その"今"に向き合わさせない感情は邪魔者でしかありません。過去や未来を"今"に引っ張ってくることは、実は過去や未来の価値を減じさせることになるということです。

 

「過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の枠の中で生きよう」

 

ではどうしたらそのような生き方できるのか?

 

それは「計画」「計画の修正」にあると思います。今日一日の計画を見える化し、着々とそれを実行すれば、過去と未来を鉄の扉で閉ざし、今日の枠の中で生きられることになります。

 

また今回のように緊急事態宣言が発令されるなど、外部環境はお客様の気持ちと同様、時々刻々と移ろいます。ですので、一日単位どころか、その都度計画を修正し、計画の最適化を図ることが、これまた気持ちを前向き化させ、実行のしやすさにつながります。

 

極めつけは、今日という「一日」が継続の可否を決めるという考えです。継続のイメージが先にあるのではなく、「一日」がイメージを決めるのです。

 

感情やイメージというのは、行動を起こした先に現われるもので、イメトレが先行することなど、ほぼありません。常に感情より行動が優先されます。

 

どういうことかと言うと、感情のままに現実を生きたいのであれば、それはそれで何も申し上げることはありません。しかし何かしらの計画があり、計画の先を見たいとお思いなら、感情より「計画の実行」が先に来ないといけません。そして感情は実行により勝手に変容しアップグレードされます。

 

この季節、私の卑近な例です。当ブログでは何度と申し上げていることですが、私は毎日朝・晩と水シャワーを浴びます。もう5年以上続けている習慣ですが、だからといってまったくの(消極的な)感情がないわけではありません。やはり寒いですしイヤだな・・と思う感情はもたげます。しかし自分で(健康のためと)決めたこと、感情に関係なく実行から入ります。するとどうでしょう? やはり"やってよかった"と1分後に思うことになります。気持ちも身体も気持ちよくなるからです。(決してあなたに水シャワーを勧めるわけではありません)

 

計画の実行というのは、多かれ少なかれ、面倒くささや消極的な気持ちはもたげるものです。しかし私の水シャワーのように、感情をねじ伏せるがごとく実行に移すには、実は「昨日の足跡」があるというのも大きな要因です。昨日の足跡が今日(の実行)への抵抗感を極力減じさせます。

 

どういうことかと言うと、"昨日できたのだから今日もできるはず"と自然に思えるということです。自然と思えればすぐに感情をねじ伏せます。しかしこれが1か月前であればどうでしょう? この1か月間で状況がかなり違っているかもしれません。水シャワーで言えば、秋口はよかったけれど、今の冬季は心臓が止まるのではないか・・など勝手にあれこれ考えてしまいます。そうなったらもう終わりです。ほぼやらない方に気持ちが傾きます。

 

ですので今日(今)を充実させるということは、今日の計画に基づいた足跡をしっかり付けるということになり、その足跡が明日の実行のハードルを下げてくれます。それほど「今日」は未来を揺り動かす要因となります。そのためには逆説ですが「今日」に過去も未来も持ち込まず、ただただ作成(修正)した計画を粛々と実行することが大切となります。

 

「過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の枠の中で生きよう」

 

もう一つ、本記事のテーマに通ずる名言を紹介します。

 

「今日という一日は、明日という日、二日分の値打ちを持っている」

by ベンジャミン・フランクリン(1706年-1790年:アメリカ・マサチューセッツ州出身の政治家・物理学者・発明家)

 

継続より「一日」

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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「新型コロナ対策」について

ついに「緊急事態宣言」の再発令が菅総理より下りました。対象地域は1月7日現在で一都三県、期間は1か月間、飲食店の営業時間短縮、テレワークによる出勤7割減、午後8時以降の外出自粛、イベントの人数制限をパッケージとした対策です。私は千葉県在住の東京勤めのため、自宅も職場も対象地域内ということになります。

 

さて、そんな菅政権のコロナ対策について、一部の識者からは猛烈な批判が吹いています。どんな内容なのでしょうか? 大きくは以下の3点です。

 

指定感染症の分類

・持続化給付金

・消費税

 

一つ一つ見ていきます。

 

指定感染症の分類>

現在の新型コロナウイルスは指定感染症の分類の中の「1~2類相当」に当たります。1類~5類の中で1類は一番重度で、致死率50%のエボラ出血熱と同類の扱いです。よって病院としては新型コロナの感染患者には重装備の上、相当に手厚い対応しなくてはなりません。ここが問題なのです。

 

街の一般患者はエボラ並みの患者が通院・入院している病院は避けようとします。避けられると病院の収益は減ります。だから多くの民間病院はコロナ患者を敬遠し、受け入れを拒否する病院も出るといった始末です。その他の理由として、病院側も重装備で手厚い対応をしなければならないという準備と手配(看護師の確保、設備の確保、教育の施し等)からの忌避が考えられます。

 

つまりは病院間でコロナ患者の受け入れが二極化しているという形。よって報道では何度と「医療崩壊」と叫ばれていますが、実際はコロナ患者を受け入れている一部の病院に限った話だったということです。

 

ではどうすればいいか?

 

それが指定感染症の分類を「1~2類相当」から「5類」にまで格下げをすることです。5類ならば通常のインフルエンザと大差ない対応が可能となり、先の敬遠理由が解消されます。しかしこれには医療従事者への手厚い保障をセットしなければうまくいく確率はグッと減ります。なぜならコロナ対応をしているとわかった一般患者がその病院を避けるかもしれないからです。そのような状態になっても、病院が赤字にならないような仕組みもセットしなければ、現実的にはうまく機能しないということは言えます。

 

日本では医療法上、病院の監督権限を持つ都道府県知事が、各医療機関が提供する医療内容に関し、指示命令を行うことが認められていません。国公立病院など公的医療機関であれば、国や自治体が事実上の指示を行えますが、民間医療機関に対しては"要請"止まりなのです。そのうえ、日本は民間病院が全病院の81%を占め、病床数で見ても全体の70%に上ると言われます。

 

<持続化給付金>

新型コロナによるコロナショックでたくさんの法人・個人が打撃を受けました。それに対してのこれまでの給付金手当は、「各個人への10万円の給付金」と「各事業主への100~200万円の給付金」の1回だけです。それ以降の補償はあなたもご存じ「GoToトラベル」と「GoToイート」だけです。はたしてこれで"手当"と言えるでしょうか?

 

私のように経済的なダメージを受けていない者は、給付金など逆に必要ありません。しかし飲食店や観光業、宿泊業にお勤めの方等は状況がまったく異なります。そこで法人は売上、個人は給料等で所得が一定水準以下に陥った場合は、毎月「持続化給付金」という形で配布するというのが有効です。欧米では実際にそのように困窮が解消されるまで、毎月配布していると言われています。

 

<消費税>

消費税をなぜ8%に戻さないのか?

 

このような声は以前から強くありました。また8%どころか5%まで戻せばいいという識者も多くいらっしゃいます。にもかかわらず菅政権は、消費減税に踏み込む気配は皆無です。目下、緊急事態宣言の再発令がなされた現在でも同様です。

 

先に「GoToトラベル」と「GoToイート」の話しをしましたが、予算額は「GoTo」に1兆数千億円、持続化給付金に5兆円を付けたと言われます。しかしそれだけの額では経済回復に届きません。もっと何十兆円という勢いが消費の回復には必要です。そこで出るのが「消費税の凍結」です。消費税をなくせば約28兆円が浮くと言われ、低所得者層ほど負担の軽減が感じられることになります。

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ざっと見ていきましたが、上記3点を同時に行うことが大切です。どれか一つと単発を繰り出して効果が期待できるほど、現況は甘くありません(単発でもやらないよりはマシですが・・)。

 

本記事は以上です。

 

今回の内容は私個人の同調も含みますが、ネットで巻き起こっている情報を私なりに端的にまとめたものです。今回の緊急事態宣言だけでなく、もっと大枠の抜本的な経済再生の視野で捉えた内容です。(ちなみに今回の緊急事態宣言の、指定地域の対象飲食店における、時短営業に応じた協力金で「6万円/日、186万円/全期間」が支払われるという補償内容にはまったく問題を感じません)

 

最後に付け加えなければならないのが、財源の確保の問題です。

 

上記3点はいずれも政府の持ち出しが必要です。そこで必ず出てくるのが財源の問題です。しかし上記3点を唱える識者は(おそらく)全員が「MMT論者」です。MMTとは「現代貨幣理論」といい、"インフレの兆しが見えるまでは政府はいくらでもお金を刷っていい"という論です。

 

"そんなバカな⁉" と思われますよね? しかし実際はバランスシート上で問題ないとされるのです。このMMTについては話が長くなるため本記事では割愛しますが、一応その論の元、"財源の確保は問題ない"とされている点はお伝えしておきます。

 

新型コロナ対策の改善案

 

指定感染症の分類の格下げ

"毎月"の持続化給付金

・消費税の凍結

 

あなたはいかがお考えになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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「天引き投資」のススメ

あなたはこんな話を聞いたことはありませんか?

 

"「お金持ち」は金の卵を産む鶏(にわとり)を飼っている"

 

俗に"お金持ち本"と言われる啓発書によく書いてあることです。ここでいう「金の卵」は利子所得や配当所得、不動産所得や事業所得のことで、「鶏」は金融資産や実物資産を指します。

 

わかりやすい例は不動産でしょう。あなたが無借金の区分マンションを所有していたとしたら、そこから発生する家賃はまるまるあなたのものです。税金は置いておき、区分マンションが鶏で家賃が金の卵です。

 

お金持ちはそういった鶏を何羽も飼っているといいます。そう、一羽だけではなく、何羽もです。区分マンションで言えば10戸も20戸も持ち、なんなら1棟、2棟・・と持っています。不動産所得のレベルを超え、事業所得のレベルです。

 

そんな事例は会社員には無縁と思われるかもしれません。確かに金の卵を産む鶏を1羽でも持てたら毎月の収支はより黒字化し、精神的にも楽になれる気がします。

 

しかし本当にそうでしょうか?

 

学生の頃から振り返ってみましょう。

・部活動でレギュラーになれたら・・

・もう少し偏差値が上がったら・・

難関大学に合格できたら・・

・一流企業に就職できたら・・

・結婚ができたら・・

・子宝に恵まれたら・・

 

上記は一例ですが、似たような事例はいくつも浮かびます。そして私もあなたも何かの事例は享受できたと思います。"その時"はおそらく嬉しかったでしょう。満足で誇らしかったでしょう。

 

しかし数日もすればその状態に慣れてしまい、嬉しさや満足は感じられなくなります。よく言われることです。「金の卵を産む鶏を飼っている」状態も同様ではないでしょうか。

 部活動でレギュラーになったり、一流企業に就職できたことと、「金の卵を産む鶏を飼えたこと」は、同様の心理状態になる気がします。

 

鶏が産み落とす卵だけで生活できるレベルになったとして、何を"生きがい"に生きていくのでしょうか?

 

そうです、ポイントは"生きがい"なのです。

 

それだったら今の私たちにも"生きがい"は見つけられます。会社でもプライベートでも、随所に"生きがい"は落ちていて、かつ作ることもできます。モノづくりでも、情報発信でも、資格マニアでもいいと思います。お金にならないことこそハマれたりします。

 一方、"金の卵を産んでくれる鶏を飼いたい"という気持ちに蓋をすることもありません。念願の不労所得生活、ファイナンシャルインディペンデンス、大いに目指したいものです。

 

そこでようやく本題です。

 

もしあなたが少しでも「お金持ち」を目指したい方でしたら、2021年、ぜひ「天引き投資」をされてみてはいかがでしょうか? 

 

もうされているかもしれません。

 

「天引き貯金」もいいですが、貯金は利息を生みませんので、いまどきは「投資」がベターです。具体的には? ドルコスト平均法を用いた「投資信託」です。毎月に自動積立できる「投信自動積立」です。

 

この"自動積立"というところがポイントです。強制的に銀行口座から引き去るのです。これが「金の卵を産む鶏」を飼える希望となります。そして毎月希望を生みつつ、足元では"生きがい"を模索し、つくり、感じます。

 

人生の本質は先に挙げた"生きがい"なのですから、足元のそれが一番大事で頼りです。そこから目をそらさずに、それでいて希望も忘れない、その希望を「天引き投資」が生んでくれます。

 

そうは言ってもかつかつの生活を余儀なくされる人も出てきます。しかし安心してください。経済的にかつかつでも精神的な満足は生み出せるかもしれません。その塩梅(あんばい)は人によって変わりますが、希望が満足に転化することを前提に、次の話しはとても参考になります。

 

1987年に上映された映画「マルサの女」からです。

 

統括官が言います。

 "どうやったら、あんたみたいに金がつくれるのか?" 

 

調査対象者は答えます。


"あんた、今、ポタポタ落ちてくる水の下にコップ置いて、水、貯めてるとするわね。あんた、喉が渇いたからってまだ半分しかたまってないのに飲んじゃうだろ? これ最低だね。なみなみいっぱいになるのを待って、それでも飲んじゃダメだよ。いっぱいになって、溢れて、たれてくるやつ……。これを舐めて我慢するの。そうすりゃコップいっぱいの水は……"

 

私はこの映画を観たわけではありませんが、お金持ちを語るうえで、よく見聞きする有名な話です。ここで大事なのは、少なくともこの調査対象者は、お金持ちになった今でも自制をしているということです。決してコップの水に手を付けない自制心、それを継続しています。

 

では自制をしなくなったら? おそらく転落するでしょう。それほど誘惑の魔力や人間の弱さは計り知れないと推測します。前回の記事『「お金」岩崎彌太郎の至言』でお伝えしたとおりです。

 

「金の卵を産む鶏」を飼えたとしても、(おそらく)自制は必要とされ、かつ"生きがい"が中心になければ幸せな生活とは言えない、そんなところが本記事の主題です。

 

幸い、私もあなたも、今日に"生きがい"は感じられ(なければつくり)、希望(金の卵を産む鶏を飼うこと)も燃やすことができます。その希望を担うのが「天引き投資」。天引き額がコップの水、天引き後の生活費がコップから垂れてくる水です。

 

そんなイメージで、今すでにお金持ちになった気分で生活してみるのも、2021年、悪くないのではないでしょうか。あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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「お金」岩崎彌太郎の至言

岩崎彌太郎」と言えば、誰もがご存じ、明治時代の実業家です。1834年に土佐(高知県)で生まれ、郵便汽船三菱会社の社長となり、大三菱の基礎を作った人物です。

 

そんな岩崎彌太郎氏の数々の名言の中に、お金にまつわる至言があります。それが次です。

 

「汲み出す一升より滴る一滴」

 

あなたもご存じだったかもしれません。

 

彌太郎氏がまだそれほどお金持ちでない頃の話です。店員の一人が数千円という当時では大金に当たる額を持ち逃げした事件がありました。病気で寝ていた彌太郎氏に、支配人がおそるおそるその旨をご報告。すると彌太郎氏は次のように言いました。

 

「罪を憎んで人を憎まずじゃ。表沙汰にしないようにして本人の行方を捜せ」

 

怒られることを覚悟していた支配人はホッとし、その場を退こうとしました。ちょうどそのとき、彌太郎氏は次を付け加えました。

 

「君、樽の上からすくって飲む奴は、たとえ一升を飲まれても、3升を飲まれても大したことはない。怖いのは樽の底から一滴でも滴ることだ。そいつをよく注意してくれ」

 

彌太郎氏の言葉を私たちの日常に言い換えてみましょう。

 

「一時(いっとき)の浪費や盗難は怖くない。怖いのは、日常の締まりのない家計なのだ」

 

こうなると思います。

 

この教えが土台にあって投資のステージが出てくるのでって、締まりのない家計に投資は尚早です。情報過多の時代ですから、お金にまつわるさまざまな情報が私たちの頭上に飛び交います。しかしこの彌太郎氏の教えの前にはどれも小粒に映ってしまうのは私だけでしょうか。それほど私は凄い箴言だと理解します。

 

たとえ給料が安くても、その中できちんと底が閉まっていれば、お金というものは相応に(いつの間にか)貯まるものです。しかし底が割れていればどうでしょう? 一時(いっとき)にドカンと儲けても、気がついたときには大して貯まっていなかったということになりかねません。

 

人間誰しも一時の気の緩みで、財布を落としたり、盗難に遭ったり、はたまた何かのノリで散財してしまうことはあります。しかしそんなことは大したことではなく、肝心なのは底をしっかりすること、彌太郎氏はそう諭してくれます。

 

逆に言えば、一時の気の緩みを想定し、常日頃から底をしっかり締める習慣を築くことの大切さを教えてくれます。

 

大事なことは2割。その2割がお金持ちをつくる要因の8割と考えれば、間違いなく、その2割は「底をしっかり締めること」、私はそう言い切れます。

 

「汲み出す一升より滴る一滴」

 

前回に引き続き、2021年、あなたの家計簿の根本に、この考えを据えてみてはいかがでしょうか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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「お金」ロックフェラーの至言

あなたは「ジョン・D・ロックフェラー」という名前をご存じでしょうか? そうです、あの「石油王」と呼ばれた人物のことです。ロックフェラー財団ロックフェラー大学などの名称の方がピンとくるかもしれません。

 

もう少し彼を紹介します。

 

ジョン・D・ロックフェラーはスタンダード・オイル社を創業したアメリカの実業家で、石油産業の川上(油田開発)ではなく、川下(製油・販売)に将来性を予見、事業の拡大に成功し、アメリカ初のトラストを結成、アメリカの石油の90%を製油する企業体にまで育て上げました。

 

トラストは後に解体することになりましたが、彼自身はアメリカ人初のビリオネア(10億ドル超)を達成するまでになり、さらにその後も資産を増やし続け、時価換算でビル・ゲイツをはるかに凌ぐ資産家とまで言われています。

 

ところでなぜ彼がここまでアメリカ全土、いや世界中に知れ渡っているかというと、単純に"史上最大の資産を築いた"人物だからではありません。慈善家の側面も持ち合わせていたからです。彼は子供(6歳)のころから教会に寄付をし、57歳という若さで引退してからも、慈善事業に専念、個人資産から5億ドル以上もの資金を投じたとされています。

 

先にロックフェラー大学の名称を出しましたが、その他にもシカゴ大学や(財団から)教育・医療・科学研究の分野まで、彼の死後も、種々長きにわたり社会貢献活動に勤しまれています。

 

本日はそんな彼(史上最大の資産家)の「お金」の本質(性質)が学べる言葉を紹介します。この言葉は彼が残した数々の(お金にまつわる)名言の中で、私が至言と感じた言葉です。

 

「殖やさなければ減るのが金の性質である」

 

以前に私は、次の記事で"お金は放っておけば、悪い方に流れるもの"という主旨をお届けしました。人間が易きに流れやすいように、お金も易き(悪しき)に流れる…と。上智大学元名誉教授であった渡部昇一さんが書かれた書籍から抜粋しました。

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"お金の使い道が上手な人に、お金は流すべきであり、犯罪や人を貶める所に流すべきではない" そうあなたが心底からお思いなら、"どんどんお金は稼いでしかるべし"と自分に許可を出すことが大切です。その許可の表れがまずもって「貯金」です。

 

上掲の過去記事には、あるアメリカの牧師さんの話しが載っています。

 

「お金は非常によい物であり、強力なものです。これほどよい物を悪人の手に渡してはいけない。だから善良な人ほどお金持ちになるべきです」

 

この教え(考え方)が「貯金」ひいては「お金を稼ぐこと」を推進する根底となります。すなわちお金は汚いものではなく、むしろその逆、きれいなものという考えです。実際はニュートラルなわけですが、善良な人が善良な使い方をすれば、ニュートラルからきれいなものへと変わります。自分をどんどん楽しませ、おすそ分けに周囲の人をも楽しませる、そんなお金の使い道が"きれい"な色に変えるのです。

 

しかし何も考えず、何も意図せず、お金は自分の懐には入りません。ロックフェラーが事業ならびに資産を史上最大にまで築けられた秘訣が次の言葉に集約されます。

 

「殖やさなければ減るのが金の性質である」

 

私たち個人に当てはめれば、貯金から投資へと、殖やす行為をしなければ、減っていくのが関の山ということです。お金を守ることから始め、守った中の一部を攻めに転じさせることで、お金は殖えていきます。

 

もちろん攻めても、すかんを食らうことはあります。しかし攻めない以上は殖えないことも事実です。ということは攻める中で行ったり来たりしながら、上手な攻め方を覚えることが王道で、大事なことは、殖えるということは基本、社会の役に立った"おこぼれ"ということです。

 

現在でいえばGAFAプラットフォーマーとして私たちの生活になくてはならない役割を果たしていると思います。そのGAFAが成長できたのも、そこに資金を投じた投資家がいたからです。資本主義社会は基本、資金を元手に成長します。困った人たちを支える福祉も、社会保障制度も資金(税金)が元手です。

 

ロックフェラーの尊敬に値する点は、ただの実業家・資産家ではなく、子供(6歳)のころから寄付をし、ずっと寄付をし続けてきたことにあります。我利我利(がりがり)亡者とはまったく違います。彼はこんな言葉も残しています。

 

「幸せを願い、他人を助けたいとは思っているが、そのための寄付は一財産作るまで待とう、という考えは間違っている」

 

最近の自己啓発本でも同様のことが言われます。"成功が幸せをもたらすのではなく、幸せが成功をもたらすのだ"と。つまり現在が幸せだから、成功が手に入るのであって、成功を追いかけ達成したところに幸せが存在するわけではないという考えです。

 

ロックフェラーは「寄付は投資」と言っていますし、なんでもかんでも寄付をすればいいとも言っていません。寄付をした先で自立心が削がれるのであれば、寄付の意味がないという賢明さもシビアに持ち合わせていました。

 

彼の数々の言葉から学べることは"お金は管理すべきもので、かつ適切な使い道があってものだ"ということです。彼の使い道の最大は「アメリカや世界への社会貢献」に他なりません。そのために6歳から分相応に寄付という形で貢献し、その姿勢(習慣化)が資産の増築を可能としたのだと思います。

 

「お金」ロックフェラーの至言

「殖やさなければ減るのが金の性質である」

 

2021年、あなたの家計簿の根本に、この考えを据えてみてはいかがでしょうか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用・参考文献

ジョン・D・ロックフェラー著・ 中島早苗訳「ロックフェラーお金の教え」

 

過去記事

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「2021年」の計

「1年の計」という言葉があります。年初にその年の計画を立てるというものです。あなたは2021年の計はもう立てられましたか?

 

おそらく大方の人は、漠然とこうなったらいいな・・というイメージは抱くと思います。しかし具体的に「1年→6か月→3ヵ月→1ヵ月→1日」と逆算して設定する人は少ないと思います。なぜなら現在はコロナ禍で、2回目の緊急事態宣言(の発令)もささやかれるほどです。外部環境が定まらないなか、1年を見通しての計画は立てづらいというのが正直なところだからです。

 

しかしそれでも、外部環境に関係なく、設定できる目標や計画はあるはずです。それを立てられた際は、ぜひ次の3つの言葉をセットしていただきたいと思います。

 

「あれもこれもやると何一つ達成できない」

 

「年末に反省をする人は、来年も失敗を繰り返す」

 

「平凡な人ほど、できるときにやらない」

 

この言葉は鈴木信行さんの著書「敗者の錯覚」から拝借し、一部を私がアレンジしました。鈴木さんは「宝くじで1億円当たった人の末路」という本の著者でもあり、こちらは15万部突破のベストセラーとなったため、あなたもご存じかもしれません。

 

先の3つの言葉は、当ブログの「2020年1月4日と5日」の記事で紹介したものです。あなたが当時からお読みでしたら、覚えていらっしゃるかもしれません。年始のみならず、1年にわたり始終大切になる言葉のため、1年越しに改めて紹介しました。

 

「1年の計」は大切で、毎日の軌道修正も大切です。しかしもっとその根底で大事なのが、"明日はない"という覚悟です。大げさに捉えず、ささやかな覚悟でいいのです。今日で1年(2021年)が決まり、今日で年末(2021年12月31日)が決まるという覚悟が、計画の実行を前向きなものとしてくれます。なぜなら計画を実行できるのは「今日」だけだからです。

 

「あれもこれもやると何一つ達成できない」

 

「年末に反省をする人は、来年も失敗を繰り返す」

 

「平凡な人ほど、できるときにやらない」

 

コロナ禍がどう左右しようと、私たちはできることをするだけです。そして2021年の年末から今日を(先回りして)振り返ることで、今日の重みが確認できます。私たちがご臨終のときに、過去の生きざまを振り返るように…です。

 

よろしければ下の過去記事も参考にご覧ください。本記事の内容がより深まると思います。本日もお読みいただきありがとうございました。

 

※過去記事

leonet0702.hatenablog.com

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ご褒美の設定「消費ゴール」

世間一般的に、先延ばしは良くないことだと扱われます。私もそのように思います。しかし戦略的に、意図的にそれを行うことはときに例外として勧められます。それが「消費ゴール」です。

 

「消費ゴール」?

 

初めて耳にされた方も多いと思います。私もつい最近知りました。「消費ゴール」というのは、一般で扱われる"喜び事"を心理学用語に置き替えた言葉です。"喜び事"というのは、ここでは「欲しい物の購入」や「イベントの参加」などを思い浮かべてください。

 

例えば学生の頃の遠足や修学旅行など。私は当日が本当に待ち遠しかったですが、あなたはいかがでしたでしょうか?

 

小学生の遠足で言えば、その当日までは友達とおやつを買いに行き、好きな女の子を想い、ときに話題に出したりする、そんなドキドキハラハラは、当日よりも前日までの方が強かったと思います。

 

さて、心理学の話です。

 

オランダ・ブレダ応用科大学で行われた実験では、次の2択が調査されました。

 

A:旅行に行く前

B:旅行に行ったあと

 

このAとBでどのくらいの満足度が持続したのかを調べました。どちらの方が持続期間が長かったか? 結果は「A」。旅行に行く前のほうが満足感が強かったのです。

 

この実験では旅行が終わった後の満足度も調べられ、それは最長で「2週間」。最長のため、人によっては0日や10日間だったりしますが、この最長の「2週間」の持続を感じられた人は、当日の喜びが"最高"だった人と考えられます。私たちの体験を振り返っても、だいたいは当日か翌日限りで終わると思います。しかし本当に楽しかった思い出は何度も反芻したくなり、それが今回の旅行の実験では、「2週間」だったということです。

 

それでは旅行に行く前の満足度は、どれくらいの期間を指したでしょうか? それが平均で「8週間」。つまり旅行に行く前の2か月前から満足度は2か月間、平均的には持続したということです。

 

よく目標設定では、"高すぎても長すぎてもモチベーションになりにくい" と言われますが、まさにそれを言い得ています。

 

この実験結果から、私たちは何を学ぶべきでしょうか?

 

それは俗に"ごほうび"と言われるものを、2か月後にもっていくのです。そうすれば、2か月間は"何か"のモチベーションとなり、"ごほうび"のために"何か"を頑張れます。

 

そして当日、実際に"ごほうび"を手にしたとしましょう。するとそれから最長で"2週間"はそれまでのプロセスを味わえます。いわゆる「2か月間の武勇伝」に浸れるのです。

 

もちろん必ず「2か月間と2週間」という決まりはありません。個々で個人差はあるでしょう。もし2か月間がしんどければ、1か月間でもいいと思います。

 

まとめます。

 

自分なりの「消費ゴール」(楽しいイベント)を計画するときは、当日を2か月後に設定すればよく、そのような「消費ゴール」が多ければ多いほど、毎日が楽しくなります。遠足や旅行など、自分が楽しいと思える2か月後があれば、今日のイヤなことも、遠足や旅行を想定し、乗り越えられる効果が期待できます。

 

また「消費ゴール」に辿り着いた暁(あかつき)には、さらに最長で2週間の満足期間が得られるかもしれません。その満足期間は、「消費ゴール」までの(2か月間の)プロセスが行方を左右します。それを踏まえて、2か月間を過ごすというのも意義深いと感じます。

 

そして最後に私の体験に基づく提案です。

 

それはいくら2か月後に「消費ゴール」を設定すれど、やはり今日という1日を生きた「消費ゴール」もあったほうがいいということです。「消費ゴール」と聞くと大袈裟に聞こえますが、「お風呂にゆっくり浸かる時間」でも「おいしい夕食」でも、「1杯のビール」でも何でもいいのです。

 

私は今日1日が人生と思って生きているため、どうしても1日に対しての思い入れを持ちたくなります。しかし今日1日の思い入れと2か月後の「消費ゴール」は相容れます。どちらも持てばいいのです。例えば卑近な例で、今日1日の「消費ゴール」をチロルチョコにしたとして、2か月後の「消費ゴール」をゴディバのチョコにするといった具合です。

 

オセロで言えば、黒を白と白で挟めば、黒を白に返せるように、モノは使いようで、自分にとってイヤだけどやらなければならないことは、1日の「消費ゴール」と2か月後の「消費ゴール」のW効果で"気合い"を注入するのです。その"気合い"が楽しさを引き連れます。そしてそれをあらゆる対象にセットすれば、今日を生きる意義(意味)も深まると思います。

 

"先延ばし"の勧め「消費ゴール」

 

・「消費ゴール」前の2か月間

・「消費ゴール」後の2週間

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。