「お金」岩崎彌太郎の至言
「岩崎彌太郎」と言えば、誰もがご存じ、明治時代の実業家です。1834年に土佐(高知県)で生まれ、郵便汽船三菱会社の社長となり、大三菱の基礎を作った人物です。
そんな岩崎彌太郎氏の数々の名言の中に、お金にまつわる至言があります。それが次です。
「汲み出す一升より滴る一滴」
あなたもご存じだったかもしれません。
彌太郎氏がまだそれほどお金持ちでない頃の話です。店員の一人が数千円という当時では大金に当たる額を持ち逃げした事件がありました。病気で寝ていた彌太郎氏に、支配人がおそるおそるその旨をご報告。すると彌太郎氏は次のように言いました。
「罪を憎んで人を憎まずじゃ。表沙汰にしないようにして本人の行方を捜せ」
怒られることを覚悟していた支配人はホッとし、その場を退こうとしました。ちょうどそのとき、彌太郎氏は次を付け加えました。
「君、樽の上からすくって飲む奴は、たとえ一升を飲まれても、3升を飲まれても大したことはない。怖いのは樽の底から一滴でも滴ることだ。そいつをよく注意してくれ」
彌太郎氏の言葉を私たちの日常に言い換えてみましょう。
「一時(いっとき)の浪費や盗難は怖くない。怖いのは、日常の締まりのない家計なのだ」
こうなると思います。
この教えが土台にあって投資のステージが出てくるのでって、締まりのない家計に投資は尚早です。情報過多の時代ですから、お金にまつわるさまざまな情報が私たちの頭上に飛び交います。しかしこの彌太郎氏の教えの前にはどれも小粒に映ってしまうのは私だけでしょうか。それほど私は凄い箴言だと理解します。
たとえ給料が安くても、その中できちんと底が閉まっていれば、お金というものは相応に(いつの間にか)貯まるものです。しかし底が割れていればどうでしょう? 一時(いっとき)にドカンと儲けても、気がついたときには大して貯まっていなかったということになりかねません。
人間誰しも一時の気の緩みで、財布を落としたり、盗難に遭ったり、はたまた何かのノリで散財してしまうことはあります。しかしそんなことは大したことではなく、肝心なのは底をしっかりすること、彌太郎氏はそう諭してくれます。
逆に言えば、一時の気の緩みを想定し、常日頃から底をしっかり締める習慣を築くことの大切さを教えてくれます。
大事なことは2割。その2割がお金持ちをつくる要因の8割と考えれば、間違いなく、その2割は「底をしっかり締めること」、私はそう言い切れます。
「汲み出す一升より滴る一滴」
前回に引き続き、2021年、あなたの家計簿の根本に、この考えを据えてみてはいかがでしょうか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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