「貯金」を助ける言葉
あなたは貯金についていかがお考えですか?
貯金に興味はありますか?
2019年7月に「年金2000万円不足問題」が浮上しました。それから約4ヵ月が経ち、この間に節約や貯金を始めた人、始めようと思った人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
それでも貯金をするかしないかは、好き嫌いや価値観等で分かれます。著名な方でも「若いときからケチケチ貯金なんかするな!」と言う人もけっこういますし、最近は堀江貴文氏も「あり金は全部使え」というタイトルの著書を出されます。
ついては本記事では以下の2種類の方に貯金を後押しする言葉としてお役に立てていただければと考えます。後者の方は貯金習慣をさらに盤石なものとするために有効と思います。
・貯金の必要性は感じているものの、なかなか実践できない人
・すでに貯金できている人
まず私がたびたび紹介させていただいている本多静六氏(林学博士、造園家、資産家)の言葉からご覧ください。
「1日も速やかに経済生活の独立を確保しようとする者は、つまらない世間の思惑などに心を惑わしてはいけない。ケチン坊などというそしにり耳をかたむけてはいけない。(中略)初志貫徹に向かって邁進すべきである」
「自分の値打ちが銀もしくは銅でしかないのに、暮らしの方は金にしたい。金メッキでもいいから金に見せかけたい。こういった虚栄心から多くの人が節倹できないのである。銀はどうせ銀、銀なりに暮らせばいいのであるが、さらに人生をより安全にし、生活をより健全にしようとするならば、むしろ一歩を退いて-事実は一歩を進めて-実力以下の銅なり、鉄なりの生活から出発していくべきだろうではないか」
「倹約は出すべきものをチャンと出し、義理人情も立派に尽くすが、ただ自分に対してだけは、足るを知り、分に安んじ、一切の無駄を排して自己を抑制する生活を指すのである」
本多静六氏
ではあなたが街歩き等で衝動的に欲しい物が現れたときはどうしたらいいか?
「すなわち、呉服屋のショウ・ウインドウを外から眺めさせて、気に入った柄、気に入った物はいつでも望み通り買うことに賛成した、賛成はするが、それを即座に持ち帰るのではない。ただ買ったつもり(気分)にさせるだけだ。そうして、品物はそのまま店に預けておくことにし、ぜひその品物がなくてはならなくなるまで、別にその代金同額を銀行に預けさせておくのである。すると、いつしか欲しいと思ったものもほしくなくなり、必要なものも必要でなくなって、貯金だけがチャンと残るという仕組みなのである」
一言でまとめるなら「欲しい物は買わず、必要に迫られた物だけ買う」ということです。
「そこでわれわれは、かりに一歩を天才には譲るとしても、努力に依る「亜天才」をば志さなければならない。何も初めから遠慮して天才に負けてしまう必要はない。「天才マイナス努力」には、「凡才プラス努力」の方が必ず勝てる。私は八十年来これでずっと押し通して来て、何事にもそれほど見苦しいひけを取って来たとも思わない」
貯金も努力ということです。
本多静六氏の晩年
最後に英語のことわざを5つ紹介します。
・「A penny saved is a penny earned.」
(節約した1ペニーは儲けた1ペニー)
・「A fool and his money are soon parted.」
(愚か者はお金をすぐに使ってしまう)
・「Providence is better than rent.」
(節約は収入にまさる)
・「A heavy purse makes a light heart.」
(財布が重ければ心が軽い)
・「Money is power.」
(金は権力。お金があれば選択肢も増え、影響力も増える)
私は特に3つ目の「節約は収入にまさる」が大好きです。なぜか? 理由は単純で、月収100万円でも100万円使い切れば貯金額は0円で、100万円以上使えばなんと赤字(マイナス)です。都内の高層マンションは家賃で数十万円しますし、子供の養育費等が加わればかなり現実的な話しです。
すなわち貯金は節約の意志や心構えをもって為すもので、そこに額面の多寡は関係ありません。実際本多静六氏は妻や子供がいる極貧の中で1/4天引き貯金法を実践し、実践し続けました。最初は塗炭の苦しみのごとく辛かったと述懐されますが、やがて慣れてくるものとも言われます。
「金儲けは理屈でなくて実際である。計画でなくて努力である。予算でなくて結果である。その秘伝はとなると、やっぱり根本的な心構えの問題となる」
収入アップを目指すのはもちろん大切ですが、いくら収入アップしても、律する力がなければ、入ってきた分だけ出ていきます。サッカーで言えば何点取ろうが同じかそれ以上に点を取られます。サッカーはディフェンスをしっかりするだけでは0点(同点)ですが、貯金は幸い ディフェンスをしっかりし、ディフェンス力を上げれば得点化されるしくみです。
あなたが貯金の必要性を感じ、貯金に興味がありましたら、ぜひ先達のリアルな声を我がものとして聞き入れていただきたい。きっとあなたの心構えが醸成されます。
私も毎月決まった額を貯金し、2019年は10か月間で幸い目標額を達成しています。油断せずあと2か月も実際のものと努めていく所存です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。