10億円の使い道
先日 ひふみ投信代表 藤野英人さんの著書「お金を話そう」を読みました。
冒頭に「ここに自由に使えるお金が10億円あったら、何をしたいですか?」という質問があり、"あとがき" で藤野さん自身の使い道やセミナー等で同じ質問をした結果、どういう返事が多いか等を紹介し、藤野さんの考えをまとめられます。
今回の記事では同じ質問をあなたにもお考えいただければと思い、ご紹介します。
「ここに自由に使えるお金が10億円あったら、何をしたいですか?」
藤野さんが講演でこの質問をすると次のような答えが多いそうです。
・会社を辞めてふらふら旅行したい
・起業したい
・寄付の団体を作りたい
・家だけでなく別荘も作りたい
すると藤野さんはこう言われるそうです。
「それってお金が制約になっているのでしょうか?」
よく考えれば転職も海外旅行も今すぐできること。起業も数十万円あればできますし、クラウドファンディング等で資金を集められるかもしれません。そもそも資金が集まったときには今考えている業態やビジネスモデルは陳腐化しているかもしれません。
藤野さんは最後に次のようにまとめられます。
「行動の制約になっているのはお金ではなく、自分の気持ちであることの方が多いのです。逆に考えると、お金さえあれば幸せになれる、今自分が幸せじゃないのはお金がないせいだ、と思っている人が多いということ。でも、仮にそういう人たちが実際に10億円を受け取ったとしても、幸せになれない人の方が多いように思います」
「幸せはお金が規定しない要素が意外と重要で、お金があれば必ず幸せになれるわけではありません。でも、生きるためにはお金が必要なことも事実です。そんなお金とどうやって向き合っていけばいいのかをあらゆる角度から考えることによって、人生がよりカラフルに、立体的に見えてくるんだと思います」
あなたはいかがお考えになりますか?
この手の質問は答えがない分、とても難しく感じる人が多いと思います。何を隠そう私もその1人です。私たちはつい答えのある問いを追いかけがち。おそらく幼少期から学校教育までその手の問題に向き合うことが非常に少なく耐性が備わっていないからです。すなわち面倒で億劫だからです。
私がこの記事で申し上げたいのは藤野さんが言われるように、あなたの幸せに「本当にお金は必要なのか?」「もし必要なら具体的にいくらなのか?」「何に使うのか?」「実はお金の問題ではなかったものは?」「今すぐ行動に移せるものは?」
もしあなたが長い時間かけてようやくそれなりのお金を手にしたとして、そのときに初めて実はお金の問題ではなかったと気づいても、それまでの時間は何百億円積んでも戻ってきません。それまでの時間とは、それまでのあなたの「肉体・心(興味度)・環境」の3点です。
例えば "いつかはシンガポールのマリーナベイ・サンズに行ってみたい" と思ったとして、それはあなたのどんな「肉体・心(興味度)・環境」のときですか? おじいちゃん・おばあちゃんのときでもですか? 関心がなくなったときでもですか? 足腰が弱ったときでもですか? 夫婦とですか? 友達とですか? 一人でですか?
一つの事例を取っても、事は多面的です。ただ行けばいい、やればいい、と単純なものではありません。そして一つの願望が叶っても願望は次々と生まれます。ニューヨークに行く願望が叶えば、今度はカナダ、今度はフランス、今度はアジアと興味は更新されるもの。なぜなら人間には知的好奇心が備わるからです。
つまり一つの願望を叶えるのにお金や時間をかけなくて済むようなことにそれらをかけていたとしたら、数珠繋ぎ的に満たされたい願望を叶える時間・好奇心を奪うことになります。それが非常にもったいない。これを「機会損失」といいます。「機会」は何百億円と積んでも戻ってきません。
そう、人生において「機会損失」こそもっとも後悔を生む行為と考えます。つまり「機会」と感じられたときに、「機会」を掴むだけのお金があればお金の用は事足りる、そういうことではないでしょうか。
「10億円の使い道」
私は答えは「機会」を掴むための道具。「機会」を作るための道具。
ざっくりとした答えですが、それを根本に据え具体化を始めていくことが大切と考えます。
あなたのお考えの参考になりましたでしょうか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。