「読書時間」と成績の関係
9月上旬に入ってきた記事です。
その記事には冒頭から "「読書をしない子は成績が悪い」を大規模アンケートが立証した" と書かれています。実際に立証したのは東北大学加齢研究所の研究チームです。
これまでも「読書と勉強の関係性」はあらゆる媒体で議論に上がっていたと思います。私はさほど関心がなかったため、これといった記憶は残っていませんが、今回は少し気になり記事を読んでみました。
すると、結論、一定の条件下においては "読書をする学生は、しない学生に比べ、成績がよくなる" ことがわかりました。
この一文だけ見ると "読書をしている人は、単純に勉強もしているからじゃないの?" と訝しがる人もいると思います。しかしそうではないのです。
アンケート調査は中学生を対象に、1日の勉強時間別に3つのグループに分けて行いました。
・勉強 30分未満
・勉強 30分~2時間
・勉強 2時間以上
ここからです。
①「勉強2時間以上・読書全くしない」群の平均偏差値は50.4。
②「勉強2時間以上・読書10分~30分」群の平均偏差値は53,6。
①と②の勉強時間は同一。読書時間に違いを設けました。成績はどうでしょう? ②のように読書を1日10分~30分取り入れるだけで、偏差値が約3もアップしています。次も見てみましょう。
③「勉強30分~2時間・読書10~30分」群の平均偏差値は51.3。
なんと勉強時間の少ない③の方が、勉強時間の多い①より偏差値が約1もアップしています。
最後に次も見てみます。
④「勉強30分未満・読書1~2時間」
④の偏差値は記事中に載っていませんが、④と①の偏差値はほぼいっしょとのこと。勉強時間を2時間以上取っている学生が、勉強時間が30分未満の学生とほぼ同じ成績というのは、皮肉です。
記事では勉強時間を「30分~2時間」、睡眠時間を「6~8時間」の群に絞って、読書時間と成績だけの関係も調べています。結果は右肩上がりのグラフになっており、読書時間に比例して成績が良くなることがわかります。しかし読書時間の「1~2時間」と「2時間以上」の(成績の)上がり幅はないに等しいため、2時間まで比例するという理解でよろしいかと思います。
まとめます。
読書はすればする分だけ成績に返ってくるかといえば、そんな単純な話ではありません。なぜなら読書をし過ぎると、勉強や睡眠時間が割かれことになるからです。読書だけして勉強時間が少なくて、いい成績になるわけがありません。
きちんと睡眠時間を確保し、ある程度の勉強時間(今回の調査では1日2時間以上)を確保する中で、その空いてる時間(今回の調査では1日約2時間)を読書に費やせば、成績の最大化が狙えるということです。
今回の大規模アンケートの結果で私が斬新と思った点は、勉強時間・読書時間の両方をそれなりにする学生が一番成績がいいという点ではなく、読書時間の違いで、勉強時間が多い学生より、少ない学生の方が成績がよかったという点です。
読書をせずに、勉強ばかりしていても、伸びしろはしれるということ。いかに読書が勉強時間の質を向上させるか、私たち社会人も通ずるところがあると思いました。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事