「捨て」のすすめ
「断捨離」ブームが起きたのは7,8年前くらいからでしょうか? いまだに廃れた感はなく、うまく日常に溶け込み定着した感じがします。その後ミニマリズムの思想も脚光を浴び、一つのライフスタイルとして確立しつつあります。
今回の記事で私が申し上げたいのは、まったく真新しくない「捨てる」ことの醍醐味についてです。私たちは日々のルーティーンをこなしつつも、新鮮な風を求めます。毎日昨日と同じ今日を過ごしても "感激" "感動" はありません。
そこで日常を一つの作品、アートとしてとらえると、捨てることも意味を放ちます。不用品を処分し、棚を整理し、汚れを落とす、こんな作業をしていけば場所(空間)が徐々にシンプルにかたどられます。このシンプルさが美しさや新鮮さを呼び、毎日に刺激をもたらします。日常をアートに見立て、アーティスト(職人)になり切ります。
ところでなぜシンプルさは美しさだけでなく、新鮮さも呼び覚ますのでしょうか? それは新しい風を迎え入れる気分をつくるからだと考えます。それだけではありません。新しい風を自分から作っていく気分すら醸成されます。
常に身の回りに不用品がないかをチェックし、必要品も整理整頓がされているかをチェックする、その営みはシンプルさを構成するとともに「気分」をつくることも忘れてはいけません。さわやかな気分は新鮮な風を受け入れ、求めもする、そこに「挑戦」が付随され、"感激" "感動" につながります。
何かを獲得することだけが、刺激ではありません。陰と陽、光と影ではありませんが、捨てることも同様に刺激的。なぜなら捨てることから獲得が始まるからです。獲得とはすなわち "感激" "感動"。 "感激" "感動" は捨てることから動き始めます。
呼吸は吐くことから始まります。吐くことは吸えることの喜びを内包し、吸うことは吐くことの喜びを内包します。どちらも一対、「流れの中に幸福あり」です。
断捨離やミニマリズムの思想が定着したとはいえ、私たちはどうしても得る方、得る方に目が行きがち。そんなときは「捨て」を積極的に行ってみてください。ちなみに捨てることの判断基準は「使えるか、使えないか」ではなく「使うか、使わないか」。物が主ではなくあなたが主。主体はいつも自分に持つことが肝心です。
「捨てるとやる気が出る」
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献