社会人の5人に1人が貯蓄ゼロ
じぶん銀行(KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立したインターネット銀行)が2019年12月17日(火)~20日(金)の期間、20代~40代のビジネスパーソン男女500名を対象に「資産運用」に関するwebアンケートを実施し、結果を発表しました。
まず2020年の目標貯蓄額から見てみましょう。(下図左側)
1位:100万円以上200万円未満(26.6%)
2位:50万円以上100万円未満(24.2%)
3位:10万円以上50万円未満(16.8%)
と続きます。
1位がなんと「100万円以上200万円未満」。仮に年に200万円を貯めるとなると、毎月平均16.7万円を貯金する計算です。無論、当人の年収や生活レベルにもよりますが、現実問題 相当厳しそうです。
貯蓄理由(上図右側)は断トツで「老後資金(47.4%)」が1位。おそらく老後資金2000万円問題で拍車がかかったと思われます。2位が「旅行(32.7%)」。私の職場でもGWや夏季休暇など、大型連休はきまって旅行に行かれる方がいます。
次が本題です。現在の貯蓄額は?
・1位:貯蓄ゼロ(17.4%)
・2位:10万円以上50万円未満(14.4%)
・3位:100万円以上200万円未満(10.6%)
・4位:50万円以上100万円未満(9.4%)
・5位:1000万円以上3000万円未満(9.2%)
と続きます。
貯蓄ゼロが17.4%と、社会人5人に1人が貯蓄ゼロということに。格差社会が広がりつつあるからか、低年収(アンダークラス)の方の "貯金のしづらさ" が浮き彫りになっているように見受けられます。一方、5位の「1000万円以上3000万円未満(9.2%)」が、やはり格差社会の広がりを臭わせます。
通常 年収が高くなればなるほど貯金や資産運用ができやすくなると思うのが私たちのイメージですが、実はその結果もちゃんと出ています。資産運用についてですが、年収のカテゴリー別の割合が下図左側です。
1位:600万円以上(57%)
2位:400万円以上600万円未満(46%)
3位:200万円以上400万円未満(28%)
消費増税のときに顕著ですが、よく年収とエンゲル係数の関係を用いた議論が出されます。エンゲル係数は年収によってさほど違いがないため、年収が低いほど総収入に占めるエンゲル係数の割合が高くなり、貯金(投資)に回す割合が低くなる、もしくはできない、といった話です。
先日私は職場の友人(40歳)と食事に行ったのですが、たまたま貯金の話になり、その人は月に5万円ほど定期預金で貯金をしているとのこと。投資はしないの?と聞くと、"よくわからないし、むずかしそうだし、こわい" と言っていました。
貯金派の方はまだ根強くいらっしゃりそうですが、下図右側をご覧ください。「定期預金(39.4%)」と出ています。やはり一定数いらっしゃいますね。それでも以前と比べると減った方でしょう。節税とセットのNISAやiDeCoのPRが株式や投資信託への関心(実践)を高めていることは事実だと思います。
最後にまとめます。
私は基本「人は人、自分は自分」と割り切り、自分のできることを粛々と行う性質なのですが、参考情報として、このような実態調査は役に立つものと考えます。例えば社会人の約5人に2人が資産運用を行っているとか、年収別では、年収200万円以上400万円未満でも約3人に1人は資産運用をしているのに対し、年収600万円以上でも約5人に2人はしていません。
個々人で生活レベルや家族状況は異なるため、資産運用を一辺倒に勧めることはできませんが、あなたが資産運用をお考えでしたら一つ覚えていただきたいことがあります。それは資産形成(資産運用)というのは資産が貯まってからするものではなく、資産がないときにコツコツするから「資産形成」なのです。ですので、100円でも500円でも、その投資額に利益を複利で乗せてあげることが資産形成を効果的なものとします。私も途上ですが、これからもできる範囲でコツコツし、かつ楽しむ所存です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・転載元
社会人の5人に1人は貯蓄ゼロ 37.6%が資産運用を実施 じぶん銀行が調査