愛することと愛されること
以前に紹介した日野原重明さん著「生きていくあなたへ」は、日野原さんが質問を受け、それに答えるという形が構成となっています。
そこにこんな質問があります。
「愛することと愛されること、(日野原)先生はどちらを重視しますか?」
その答えとして日野原さんは日野原さんが以前に聞いた素敵な話を紹介されます。その箇所を下記に抜粋します。
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イタリアの大歌手フィオレンツァ・コッソットが舞台に出るときの話です。75歳まで異例の長い舞台生活を送った彼女には聴衆と一体になり、愛されるための秘訣があるそうです。
ステージの上で何千人も前にして、自分というものを音楽の中で表現する、つまりさらけ出すという行為をするときに、心の中でいちばんの障壁となるのが聴衆に自分は愛されているだろうかという不安に襲われることだそうです。
もしも何千人もの聴衆の中の一人でも自分を嫌っているのではないかと思うと、その瞬間に自分を見失ってしまうかもしれない。そんな繊細な心を持った彼女は、あるとき気がついたそうです。今日この会場にいる全員に愛されるためには、まず私が今日ここにいる全員を心から愛さなければいけないのだと。
それから彼女は舞台に出るときはいつも、心の中で一人一人に "私はあなたのことを愛しています" という思いを伝えるのだそうです。
異例ともいえる彼女の長いキャリアは、彼女氏自身と聴衆の愛の交歓によって成り立ったのかもしれません。
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いかがでしょうか?
日野原さんが言われるように、示唆に富む素敵な話だと思います。"まずは自分から" という言葉はいろいろなところで使われますが、本当に万能薬なのだと思い知らされます。
随分と前にも、野口嘉則さん著「鏡の法則」がベストセラーになり流行しましたが、実践するのはなかなか難しいことも事実。そこで定期的にいろいろな角度、エピソードを注入(理解)しつつ実践につなげることが大事と考えます。本記事がその一つとして参考になりましたら幸いです。
最後に本記事の内容に重なる私の大好きな名言をお届けします。
「幸福は香水のようなものである。人に振りかけると自分にもかならずかかる」
by 「ラルフ・ワルド・エマーソン 」(アメリカの思想家・詩人 )
「他人を幸福にするのは、香水をふりかけるようなものだ。ふりかけるとき、自分にも数滴(2,3滴)はかかる」
by レオ・バスカリア(「葉っぱのフレディ」作者)
by ナポレオン(フランスの皇帝)
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用文献