ポイント=「現金等価物」
あなたは何かしらの「ポイントカード」でポイントを貯めたり使ったりしていますか? それともお財布の中身をスマートにすべく、そういう類は利用しないことにしていますか?
不動産投資家で企業改革コンサルタントの石川貴康さんは、著書「100円ちゃりんちゃりん投資」で(ポイントカードの)ポイントはポイントで買い物できる以上りっぱなお金であると。なので貯めない手はないと。
断捨離やミニマリストについては、「お財布パンパンでいいじゃないですか!私なんて常時30枚以上のカードが入っています。スマートなお財布で何か得します? いいじゃないですか、カードだらけで。カード持ってポイントをどんどん貯めましょうよ!」
本書はそのような調子で始まり、ポイントサービスにおけるお得な情報だったり、それに類似する利回りのいい会員情報、投資情報などを紹介されます。
なぜ石川さんはポイントを貯めたり、各種のお得な情報に敏いのか? それは次の言葉に集約されます。
「機会を逃してはいけません。機会損失は投資の敵。生活圏内で使用する機会があるポイントカードはいつも持っておきたい。それが本当のスマートライフです」
そう、「機会損失」という言葉、この「機会損失」を心底嫌うところから来ています。石川さんの言葉を続けましょう。
「財布が厚くなったって何が問題なんです?体裁がいいと使えるお金が増えるんですか? 体裁よりも大事なのは、付くべきポイントが無駄に流れていかないようにすること。そちらの方が大事です。だってお金を使ってポイントがついて、それってお金なんですよ!」
私は石川さんの主張に同意します。なぜなら私もご多分に漏れず、ポイントの恩恵に預かっているからです。例えばドラッグストアのチェーンに「くすりの福太郎」があります(私は千葉県在住)。この「くすりの福太郎」はお店独自のポイントに加え楽天ポイントも付与してくれます。そしてお店独自のポイントについて(あなたもご存じかもしれませんが)「ポイント8倍(10倍)サービスデー」が週に1日か2日開催されます。
私は定期購入しているモノがあるため、その日を狙って2週間に1回ほどまとめ買いします。するとどんどんポイントが貯まり、すぐに500ポイントに達し、500円券に交換されます。交換された500円券でまた定期購入しているモノを買います。
具体的な数字で見てみましょう。先の「くすりの福太郎」では100円で1ポイント貯まるため、500円の商品であれば5ポイント(5円)付きます。これが「ポイント10倍サービスデー」であれば、5ポイントの10倍ですから50ポイント(50円)が付きます。この500円の商品を「ポイント10倍サービスデー」に10個買えば、もうそれで500円券のGET(ゲット)です。
私事をもう一つ。
私は2日に1回ほど、帰宅途中にある「マルエツ」というスーパーで買い物をします。「マルエツ」はご存じかもしれませんがTポイント対象店舗のため、買い物の度にポイントが貯まります。具体的にはこうです。私が「マルエツ」で買い物をするときは、マルエツから発行されるTポイントと、私のTカードによるクレカ払いからのTポイントと、W(ダブル)でTポイントが貯まります。すると、ほぼ毎日のことですから、気づいたら4000ポイント(4000円)ほど付いているのです。貯まったTポイントは他店舗でも使えるため、例えばファミマやツタヤで使用します。
ここで大事なことは、石川さんも言われる「機会損失」を回避しているという点。後から振り返ったときの後悔は「機会損失」を原因とします。ご臨終の際のアンケートで "もっと挑戦(冒険)しておけばよかった" が後悔の第1位に挙げられる話は有名です。たかだかポイントで挑戦や冒険とは大げさな・・と思われるかもしれませんが、挑戦や冒険は日常の小さなことを摘み取る(感じ取る)姿勢から生まれるものではないでしょうか? かの二宮尊徳氏も次のように言われます。
「大事を成さんと欲する 者は、まず小事を務むべし。大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、 成り易きを務めざる者は、小人の常なり。それ小を積めば大となる」
上述を略して「積小偉大」と言われます。ポイントは現金、ポイントは現金等価物。「ザルで水をすくう」ではないですが、向こうから付与される現金をみすみす垂れ流す必要はどこにもなく、その付与された現金で自分や周りを幸せにできるなら、それは素敵なことではないでしょうか。なぜ私はそう推奨するのか? それは人にもよりますが、人は得をすればその分だけ幸せを感じ、嬉しさを感じ取れると思うからです。今までの記事でも紹介していますが、日本の林学博士で投資により財を築いた本多静六氏に次の言葉があります。
「人生の幸福というものは、現在の生活自体より、むしろ、その生活の動きの方向が、上り坂か、下り坂か、上向きつつあるか、下向きつつあるかによって決定せられるものである」
お買い物の度にポイントが貯まる様(さま)は、私から言わせれば「上り坂」に値します。ちょっとしたことですが、1日のしあわせは "ちょっとしたこと" の累積で構成されます。そして人生には究極「1日」しかありません。そう「今日」だけが人生と私は思っています。
それでもポイントを貯めることに面倒さを感じたり、関心が持てない人もいらっしゃるでしょう。そんな方は、貯まったポイントを自分に使い、使った分だけ現金が浮く計算になるので、浮いたお金で家族や周囲にプレゼントしたり、奢ったりされてみてはいかがでしょうか? 投資や寄付に回すというのもいいと思います。
ポイントはまぎれもなく現金等価物。お金は使い方が大事と言われます。大事に摘み取り自分もしくは周囲に素敵な使い方をされることを推奨したいと思います。その行為がささやかながら素敵で嬉しい人生につながると私は考えるからです。
最後に重大な注意点。
ポイントを貯めんがために無駄遣いはしないようにしてください。あくまで機会損失の回避が目的で、そこから派生する幸せ(嬉しさ)を享受することの推奨です。くれぐれもご注意ください。
ということで、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考文献