情報収集も「分散」と「継続」
未来予想をする学者や評論家ほどあてにならない人はいません。今でしたら円安は今後も続くか？というテーマに、来年もずっと続くと答える人もいますし、来年春には戻るという人もいます。いずれにしても、どちらかか両方が外れることになります。
問題なのは、外しても何も責任は問われず、知らぬ顔でまたあらゆる評論を始める点です。それが評論家の仕事と言われればそれまでですが、あまりにも偏った報道や偏重には耳を傾ける価値はないということを本日は申します。
例えばアベノミクスの評価が、仮に5：5（の割合）の良し悪しだったとしましょう。質の悪い評論家は、悪かった5だけをあげつらいます。また未来予想で当たったことだけを取り上げ、外した点は目もくれない点も卑怯なところです。
本当に評論している人は、全体が整理されたうえで、良し悪しを述べ、次なる課題にステップする足掛かりをもって希望をみせます。いつも予想屋みたいに予想しまくり、外しまくる人とはレベルがちがいます。その代表例が財政破綻論でしょう。毎日、毎年外しまくっています。
また円安が悪い・悪いといっている評論も、耳に耐えません。悪い点もあればいい点もあり、日銀が取っている政策も同様のことです。
このように経済の情報収集をとっても、有名だからという理由で、特定の人の言い分を鵜呑みにしてはいけません。宗教やプロパガンダに染まる人は、必ずと言っていいほど自分の頭で考えず、情報収集が少ない傾向がうかがえます。本当にそうなのか？ 他の人の言い分はどうなのか？ 客観的なデータはどうなのか？ あらゆる角度で物事を見ることが大事です。
投資の世界に「上げ潮はすべての船を持ち上げる」という格言があります。例えば不動産バブルやITバブル、景気が良くなった側面のときです。誰もがご存じ、高度経済成長期の不動産バブルは、どんな不動産屋もそれなりに儲かりました。ITバブルのときもしかりです。しかし（バブルが）はじけたらどうなったでしょう？ 景気がいいときもしかりで、悪くなったらどうでしょう？
そうです、本物しか生き残れなかったのと、本物しか生き残れないのです。結局上げ潮に助かっているだけの船を、素人は見抜けません。しかしプロは違います、上げ潮に助かっているだけの船か、自力がある船かを見極められます。投資信託のファンドアナリストは、実はその点を非常に重視しています。
ファンドアナリストは、〇〇ショックなどの下落局面で、市場平均より下げてしまったファンドか、そうでないファンドかをシビアにチェックします。また同様に上昇局面でも市場平均と同等かそれ以上に上昇させられたかを見ます。ファンドアナリストの仕事は、インデックスファンドよりも好成績を出しているアクティブファンドを、6000本の中から見つけ出すことが仕事です。
下落局面で、市場平均より下げてしまうファンドは、相当に危ういです。なぜならこれも有名ですが、下落から上昇に転じるエネルギーは、相当に大変だからです。100万円の5%下落は95万円です。しかし95万円から5%上昇しても、100万円に届きません。つまりサッカーよろしく、守りをしっかりすることがまずもって大事ということです。
評論家でいえば、きちんとしたロジックがあり、たとえ外したとしてもなぜ外したかを分析でき、本質的には筋が通っている人物こそ信用に足ります。それに比べなんだかわからない論調で、ただ誰かを批判したいだけの人は、耳を傾けるだけ疲れるだけ。その違いをわかるためにも、偏らず分散的に継続的に情報収集する必要があります。
経済に限らず、投資に限らず、エンタメもクーポンも何かのサービスもすべてです。やってみないとわからないことは、とにかくやってみる。ただし"違うな"と思ったらすぐに手を引き、また次を試すこと。このアグレッシブさ・フットワークの軽さが今の時代に求められます。
私も最近ある出会い系サービスを有料で登録し、2ヵ月目になりますが、すでに退会の準備に入っています。出会い系のサービスなどいくつもあり、自分なりにしっくりこないものは、次を試さなければ時間とお金の無駄です。また眼のレーシックやICLも検討していて、先日電話で問い合わせただけですが、私は一回レーシックを施術済のため、ICLは難しいとのこと。しかし本当に難しいのか、他のクリニックや先生に確認しなければ、それだけではいい加減な情報かもしれません。
ということで、情報があることは便利ですが、所詮は玉石混淆の海。いかに玉を見つけ出すかは、私たちの情報収集量と分析力にかかります。それもこれも疲れることですが、トランプでいうババをつかまされただけで、それをババとも知らず続けることや終わりにすることよりはマシだと思い、今日も頑張っていけたらと思います。
情報収集も「分散」と「継続」
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