「バブル崩壊⁉」
先日の「財政破綻論」に引き続き、「バブル崩壊」を取り上げます。
独立系投資信託会社のパイオニア、さわかみ投信が5月10日から10回に分けてシリーズ広告を打ち出したとのこと。どんな内容なのでしょうか?
「バブル崩壊」
このシリーズ広告は月に約2回掲載し、5カ月で3紙に計30回も載せているとか。同社会長の澤上篤人氏ほか澤上龍社長や各部室長らが毎回、経済情勢や資産形成について自らの考えを述べていて、9月14日の回では一般社員の想いまで綴られたそうです。
私も投資信託をかじった当初から澤上篤人氏の著書は何冊も読ませてもらっています。私が昨年のコロナショックで株価が下落した際、数種類の投資信託を迷わず購入したのは、澤上さんの影響をうけてこそです。澤上さんの著書は非常にわかりやすく、簡単に言えば、「狼狽売りが殺到するときこそ、逆張りの発想で、生活に根差した盤石な企業に投資すべきだ!」です。バフェット氏の考えにも通じます。
そんなさわかみ投信が、この数年の著書で繰り返し主張しているのが「インフレに備えよ!」です。今回の新聞広告もそれに通じますが、実体経済を反映していない株高はバブルそのものだから、バブルは弾けるという論です。バブルが弾ければどうなるか?
バブルが弾ければ景気は悪くなり不況が訪れます。しかし澤上さんは不況なのに物価が上がる「スタグフレーション」を予期していて、悪性のインフレになると予想しています。
悪性のインフレ時に対応できるのは何か? それが長期投資だと言います。預貯金はお金の価値が目減りし、逆に損失を被ることになるため、今からコツコツ投資をし、インフレ時に備えよという帰結です。
「スタグフレーション」というのは、需要増による良性のインフレの逆を指し、需要がないのに、コストだけが上がるコストプッシュ・インフレを指すのが一般的です。バブルが弾けたあとの予想として、このようなシナリオを描かれています。
私はこの論には賛成しません。しかし同じようにインフレ・円安によって「国が国の借金を実質的に目減りさせる」というシナリオをもつ識者は多いです。はたして岸田新政権はどのようなかじ取りをされるのでしょうか?
私はもともと預貯金に価値を置いていないため、投資信託や暗号資産、ソーシャルレンディングなどに投じています。さわかみ投信が広告を打っているような「バブル崩壊」が起きるか否かは問題ではなく、預貯金のポジションに偏らない、アセットアロケーションの考え方を打ち出す方がよほど大事な考え方に思います。
つまり、インフレになっても、今以上のデフレに陥っても、どちらにも対応できるポジションをもつバランス感覚を手にするということです。私は今年の年始から暗号資産を購入しましたが、数か月前にビットコインを始めとする暗号資産が軒並み下落しました。しかしそのタイミングでも買い増しし、つい最近までずっと損失を被っていましたが、今ではプラスに転じています。
では暗号資産で損失を被っていたときの私の資産は他にどうだったでしょうか? 投資信託もやっていて、投資信託も国内外の数十種類を購入しています。そのどちらもご存じの通り堅調な推移を示していたため、資産そのものは応分に拡大していました。今は少し株式(投資信託)は伸び悩んでいますが、暗号資産は堅調です。他に不動産もやっていますが、特に空室などはなく、たんたんと家賃収入をローンの返済に回しています。
さわかみ投信代表、澤上篤人氏がおっしゃるように、現在はバブルかもしれませんし、バブルの崩壊が起きるかもしれません。しかしぜんぜんバブルではなく、岸田新政権のかじ取りがうまくいき、日経平均が4万円に向かうかもしれません。どちらに転ぼうが、私の先述のように、アセットアロケーションに重きを置くことが"あたふた"せずに済む最良の方法に思います。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事