一番の時間の無駄とは?
1、2年前だったと思いますが、仮想ライブ空間 SHOWROOM(ショールーム)を運営する前田裕二さんが、ある動画で「可処分時間」という言葉を使われていました。可処分所得をもじった言葉ですが、サブスクを導入するあらゆるサービスが私たちの可処分時間を狙っていて、いまや企業経営者は、どれだけ私たちの可処分時間を奪えるかが勝負であると、そして前田さん率いるSHOWROOMも例外ではないというお話しでした。
さて本日は誰にも奪われてはいけない「時間」についてです。言うまでもなく命とは時間のこと、どれだけの時間を楽しめるかが命の取り扱いで、極力無駄と思える時間は省きたいものです。
結論、一番の時間の無駄は「迷っている」時間だと私は考えます。毎日を洞察してみましょう。迷っている時間がなければ、1週間、1ヵ月、1年と経ったとき、数時間から数日分が浮くと思います。
例えば英単語を1日1語を覚えるとします。1語覚えるのに5分とします。スーパーで買う商品を迷っている時間がなければ、5分は簡単に生み出せます。ランチタイムの1時間のうち、5分は英単語を覚えるとあらかじめ決めておけば、1語を確実に覚えられます。
つまり1日のスケジュールに「やる!」と決めておくかどうかが分かれ目です。これは1日ではわからないかもしれませんが、毎日を通算した1年に換算すると、やった分量は膨大な結果として返ります。先の英単語でいうと、1年で365語のインプット量です。忘れた単語が1/3あったとしても、120語はインプットできます。
以前の記事で紹介した千日回峰行という修行僧の最上ランクの偉業を成し遂げられた塩沼亮潤さんは、動画で次のことを言われます。
「やるかやらないかじゃない、やるだけなんだ」
塩沼さんは、千日回峰行の最中は、たった4時間半しか睡眠にとれなかったそうです。1年で120日の行(ぎょう)を行いますが、朝起きて栄養失調で体がふらふらでも、1日でもさぼったら即切腹です。行(ぎょう)の決まりとしてそうなっているそうで、すなわちどんな健康状態だろうと行くしかないわけです。選択肢はもともと一択で、死ぬのがいやならやるしかありません。
しかし裏を返せば、行くか行かないかを「迷わなくて済む」ということも言えます。ちなみに行(ぎょう)の中身は往復48kmを歩き続けるというもので、時間にして16時間かかります。辛い修行であることはいわずもがなですが、1点だけ私たちが採用できるものがあり、それが次の言葉です。
「やるかやらないかじゃない、やるだけなんだ」
迷わなければやるだけです。あらかじめ「どの時間にどの場所で〇〇をやる!」と決めておけば迷いはなくなります。この積み重ねが時間術を体現し、積み重なる1年を作ってくれます。私は普段から次の言葉をよくつぶやきます。
「迷ったら終わり」
地下鉄やJRの乗り換えでもそうです。迷っている時間は時間のロスだけでなく、労力を相当に奪います。仕方がないと言えばそうなりますが、迷っている労力と比べれば、迷わずさくさく目的地に向かう労力は、後者の方がぜんぜん奪われません。つまり体力(労力)を奪うのは行動量ではなく、迷う量ということです。
私はそれを痛感したときから、極力迷わないよう、スケジュールを立てています。たとえ状況によって遠回りすることになろうと、その「遠回り量」はエネルギーを奪いません。エネルギーを奪うのは、遠回りするかどうかを迷っている、また迷った量です。
現実というのは決めさえすれば、あとは行うだけです。上司に謝罪することも、誰かに何かを告げることも、やると決めたらやるだけです。シンプル・イズ・ベストです。
一番の時間の無駄とは?
私は「迷っている時間」だと思います。迷わず「行」の中に自分を入れ込めば、意外とそこは安楽地です。後から振り返っても迷わなかった時間は、自分を褒める対象となり、私自身の経験から、自信を持ってそれは言えます。
「やるかやらないかじゃない、やるだけなんだ」
「迷ったら終わり」
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。