「再現性」を問う
10年、いや20年以上前から出版業界は斜陽産業と言われ、出版不況と言われながらも、なんとか持ちこたえています。それゆえ、とにかくインパクトのあるタイトル、インパクトのある内容を強引なまでにつくっている気がします。昨今の「1億円ブーム」がいい例です。
しかし不況は出版業界だけではありません。小泉政権時に規制緩和を行ったことで、非正規社員が増大し、一部のお金持ちとそれ以外の構図が徐々につくられ始めました。すなわち中間層が少なくなくなり始めたということで、その構図は年々はっきりしてきています。
ついては個人レベルでの不況は2000年初頭から起き始めたとされ、自助努力の必要性がインターネットビジネスや各種の投資に関心を向けさせ、年金問題などの社会保障の危うさが相まって副業ブームが起こりました。それが2018年ごろ。
本記事は何を言いたいかと申すと、本もメディアもネットも動画も、あらゆる媒体に「再現性」を問え、ということです。
株でもFXでも、たまたま当たった手法を、さも「再現性」のある方法に謳うのは、再現性のない販売者の常套手段です。世の中で株で一儲けした人は確かにいらっしゃいますが、「再現性」の有無は別問題です。
よく考えれば「再現性」があれば、情報商材やスクールなど立ち上げなくても、自分でもっともっと稼ぐでしょう。起業家も自分が立ち上げた会社に志があれば、その会社を大きくすることに忙しく、コンサルなどやってるヒマはないはずです。
しかしちょっとうまくいけば「〇〇コンサル」と職業を変えるのは、本業で稼げなくなった証左と言われても仕方がありません。
全員が全員ではありませんが、投資関連やネットビジネス関連は本当に怪しい話や商材が混じっているため注意が必要です。
ところでなぜ私たちは多少訝しがっても、"その人" を信じてしまうのでしょう?
それは射幸心を煽(あお)られるからです。ネットワークビジネスなどマルチ商法がいい例でしょう。本当に一握りですが、成功を収めた人(カリスマ)は現存します。その成功者に自分もなれるのではないか⁉と、夢見てしまうのです。
その思考回路は確率論をすっ飛ばし、絶対的な可能性しかありません。宝くじも同じです。もはや冷静に確率を考えるスキを射幸心が与えないのです。いや確率がどれだけ低かろうと、1%もなかろうと、"自分だけは" と射幸心で脳内が占拠されるのです。
とはいいつつも、情報商材や各種のスクール、投資に勤しむ姿勢を否定するつもりはありません。ただそれを使った(利用した)人たちが、どれほどの成果を上げているかの「再現性」を確認する冷静さはもってほしいと願います。
私が行っている投資信託も不動産投資も、失敗する人は失敗しています。そうです、世の中には失敗者で溢れているのです。しかし失敗者は表に出てきません。たまたま自称「うまくいった人」がどんどん出てきて、その中の一握りが「本物」という構図。「本物」とは、再現性のある手法を唱えてくれる人です。
経済予測も同様で、たまたま当てた人が、いつでも当てられる風にメディアに登場したりします。占い師も同様で、100人に同じことを言えば、誰かは当たるでしょう。無難な内容ならなおさらです。
ということで、ごちゃごちゃ書いてしまいましたが本日申し上げたいことは次の一言です。
「再現性」を問うこと
しかし興味の持ったスクールやコミュニティがクローズド化(ブラックボックス化)されていて、なかなか再現性の有無が確認できない場合も多々あります。 その際は、その主催者なり担当者が親身に自分の要望に応えてくれているかどうか、その"人間性"で判断するしかありません。しかし一定の営業パーソンは、販売前は親身になり、販売後は見向きもしなくなる人もいます。最悪はドロンです。
そのため"人間性"の確認は当たり前、その後のアフターフォローのしくみ化(システム化)まで確認していただきたいです。せっかくお金を出して買うもので、そのお金はあなたの命(時間)から生まれたはず。ぜひ使いこなして本来の目的を手にしてほしいです。
また、ルールを覚えただけでは稼げません。そのルールの上でどれだけ活躍できる(人の役に立てるか)かが収入の可否を分かちます。くれぐれも「ルールの取得=稼げます」と謳う販売者にはご注意ください。そして逆説ですが、一握りの あなたが「本物」と感じた人に出会えたならば、その暁には勇気を出して一歩を踏み出してほしいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
※私も過去に怪しい情報商材を購入し、勉強した経験をもちます。ご興味がありましたら、以下の過去記事をご覧ください。