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「理不尽」が前提

先日、2020年11月に出版された宮崎伸治著「出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記」を読みました。私は著者の宮崎さんを20年前から知っており、そのきっかけが「7つの習慣 最優先事項」という本です。この本は自己啓発の名著「7つの習慣」の第2段に当たるもので、宮崎さんが翻訳されています。その後宮崎さんは、時間管理術にかかわる自著も数冊出されていて、当時の私は7つの習慣とリンクさせながら勉強させていただきました。

 

その宮崎さんが、確かにこの10年間ほど、パタッと見なくなりました。もちろん出版翻訳家としてです。私は一人のファンとして彼が翻訳家から転向して別の職業で活躍されているものだと思っていましたが、同書を読むと警備員の仕事をされていたとのこと。2023年現在は、おそらく語学を生かした仕事をされていると思いますが、なんと出版翻訳家としての現役時代は、相当に理不尽を受けたことが詳細に記され、それがきっかけで警備員の仕事に就いたとのこと。興味のある方は是非一読していただきたいです。

 

さて、宮崎さんの出版翻訳家としての辛酸ですが、大まかに言うと、1冊まるごと翻訳したにもかかわらず、出版を延期され、さらに出版しないという白紙撤回もされるに至ります。それに対し宮崎さんには何の慮りもなく事実を伝えるのみだったり、抗議すればウソの事実を並べ立てての裁判沙汰にもなったりしています。

 

出版を延期されるということは、最低限の翻訳代しか払われないことを意味し、印税は入ってこないことになります。宮崎さんに翻訳を頼むときは「ぜったいに売れますから!」と威勢のいいことを言い、翻訳をさせた後は「売れない本なので出版はしないことになりました」と平気で言うみたいなのです。出版社とはこうも上から人の心を顧みないのかと愕然とすると同時に、翻訳家として生きていく道がどれほどか細いかがわかりました。

 

会社対一個人(フリーランス)という図式にかかわらず、会社員の世界でも「仕事をしないのに年収を多くもらっている人」や「仕事の中身はたいしたことないのに、世渡りだけで出世する人」など理不尽の大小はともかく、多数に存在します。それはもうこの世を生きるうえで必須と思って、自分の信念を貫くべく、やれることに最善を尽くすしかないと思いますがいかがでしょうか。もちろん私も職場でそのような対応をされた場合は抗議はします。注意もします。しかしそれで効かなかったり現状が変わらない重たい何かがあるなら、それはそれで自分の身を移動させるか、その理不尽を受け入れるしかないでしょう。

 

かのお釈迦様はこの世には「四苦八苦」があると言いました。八苦は置いておき、四苦は「生病老死」です。「生きること・病気になること・老いること・死ぬこと」。ここでの重要点は生きることはもともと苦しいことであるという点です。楽しいことばかりでもない、嬉しいことばかりでもない、意外なときに意外な人に心ない一言を浴びせられる、そんなことは茶飯事ということです。それでもなお人を受け入れ愛し、「そんなものだ」と受け止める寛容さが求められ、そこに生きる修行があるのだと思います。そうです、修行と思って生きる方が、きっと平安な心持ちを多く持てます。心安らかに生きられます。

 

「理不尽」が前提

 

どれだけ私が苦しくても、そしてどれだけあなたが苦しくても、必ず言えることがあります。それは私たち以上に苦しんでいる人はごまんといるということ。そして実際に物理的に私たち以上に苦境に立たされている人はごまんといるということ。それが私たちが前向きに生きる意味になるかもしれません。

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。