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"アホ"とは戦わない

2014年7月に出版されて以降、ビジネス書や自己啓発書のジャンルで人気を博し、70万部を突破した本があります。それが次です。

 

田村耕太郎著「頭に来てもアホとは戦うな!」(2014年7月発売)

 

かなり刺激的なタイトルです。その刺激さに惹かれて購入したという人も多かったと思います。そして実際の内容もそのタイトルに則して展開しています。あなたもお読みになったかもしれません。

 

私は実は同書を知っていたものの、内容が予想できたため、購入はせずに見過ごしていました。しかし最近、漫画化された次の本を読み、予想通りの内容だったことを確認し、一言あなたにもお伝えしたいことがあり、本記事をつづります。

 

田村耕太郎著「まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!」(2019年3月発売)

 

最近は人気を博した本を漫画化する傾向があります。漫画化されると、主要な部分だけをインプットできるため、時間の節約になりますが、細かい内容は紙面上削除されるため、漫画版で興味があれば、通常版で読む流れがお勧めです。

 

さて、私が漫画版の同書を読み、著者の田村さんが一番伝えたかったであろう内容を一言で包括した箇所がありますので、それを以下に抜粋します。

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「アホとは戦わない」ことには"大目標"があります。それは「たった一度しかない奇跡のような"自分の人生"を生きる」ことです。これ以上の目的はないと言っていいでしょう。

 

そのためには「アホと戦う」時間とエネルギーは、とても無駄なのです。そして日本社会において「アホと戦えば戦うほど」自分の人生の目標達成は難しくなります。アホは、いなして利用する存在なのです。「自分の人生を生きる」ために。

(同書より抜粋)

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一言の箇所は次です。

「たった一度しかない奇跡のような"自分の人生"を生きる」

 

すなわち(アホと)戦った時点、いや戦おうと思った時点で負けなのです。1秒でも早く謝り、その場を離れることも、ある人にとっては勝利となる、ということです。

 

しかし実際は困難なケースもあります。すなわち瞬時に言い返すことも"戦わない"ことになるからです。言い返された相手は、二度と言い返した相手に同じことはしないように努めるかもしれません。そう考えると、謝ったりその場を逃げたりすることだけが"戦わない"とも言いきれません。

 

"戦う"の定義、"戦わない"の定義から入り直さなくてはなりませんが、この定義は「俯瞰的冷静さ」の有無と言い替えてもいいのではないでしょうか。

 

目の前の相手によっては、言い返したり注意したほうが、結果的に戦わなくて済むようになるかもしれません。そしてその方が相手の今後にとってもよくなるかもしれません。

 

そのように考えれば、結局「冷静さ」が本質のように思います。冷静であれば、田村さんの言われる「大目標」も見失わずに済み、「大目標」から現在を見られる「俯瞰的冷静さ」から、言い返した方がいいかどうかの有無も判断できます。

 

そして極めつけは、その相手(アホ)すらも、味方につけ、自分の大目標に利用できないかを考えることです。これは相当な域(レベル)でしょう。かなりの達人でないと、この域までの懐具合はもてないと思いますが、それでも「俯瞰的冷静さ」があれば、謝ったり、お礼を言ったりすることで、逆に信頼は勝ち取れるようにも思います。

 

私はまずは折衷案として、自分の「大目標」の遂行における「敵」を作らないことが現実的に思います。その場で言い返したり、ムッとした表情をすることで、自分の「大目標」の敵になってしまうなら、最低限「敵」を作らない策として「謝罪」や「逃げ」も戦略的にした方がいいと思います。

 

「敵」とは大方「自分の"大目標"に向けての時間を奪われること」に当たります。大目標に向けての時間を奪われないことだけが"勝ち"とみなす主観の明確さが、「アホとは戦わない」人生戦略をうまく生かせられるコツになると思います。

 

最後に人の性格やプライドの程度によっては、謝ったり逃げることに"負け"の意識を持ってしまう人もいるかもしれません。そんな人向けに、とっておきに名言を紹介します。

 

「終身路を譲るも、百歩を枉げず」

by 新唐書

 

読み方は「しゅうしんみちをゆずるも、ひゃっぽをまげず」です。意味は「生涯、他人に道を譲り続けたとしても、譲った距離の合計は百歩にも満たない」です。

 

この言葉は、掃除道を貫いている、株式会社イエローハットの創業者で、「日本を美しくする会」の相談役 鍵山秀三郎さんが好んで紹介されていて、私も鍵山さんの書籍から知りました。

 

この言葉は、鍵山さん自身が経営道と掃除道を体現される中で、紛れもなく真実と紹介されていて、重みが伝わります。どういうことかというと、鍵山さんはイエローハットに社名を変える前のローヤルという会社からの創業者ですが、経営者でありながら、自身のきれいごとを信じ、それを貫く姿勢を当初から随所で見せていました。

 

それを見かねた周りの人は鍵山さんに次のように助言します。「思いやり、譲り合いはけっこうだが、そんなことをしていると、ズルい人に先を越されてしまい損をしてしますよ」と。

 

しかし鍵山さんは先の言葉を知っていたため、きれいごとの「思いやり」「譲り合い」を貫き、経営道を歩まれました。そして、こんな言葉を残すに至ったのです。

「利益は後からついてくる」

 

解説はこうです。

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掃除の範囲は、社内とその周辺だけではありません。営業に行ったときは、お客様のバックヤードや駐車場まで掃除してきました。いわば当社の掃除は、すべての仕事に最優先する業務の一端であり、訪問先では立派な営業になっています。

鍵山秀三郎著・亀井民治編「困ったことばかりでも、何かひとつはよいことがある。」より抜粋)

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どれだけ人に譲ろうと、私たちの「大目標」は遠ざかりません。遠ざかると思ってしまうのは錯覚です。逆に近づくことにもなりかねません。「利益は"アホとは戦わない"ことの後からついてくる」のです。

 

"アホ"の定義は割愛しましたが、本記事で一番申し上げたいことは「たった一度しかない奇跡のような"自分の人生"を生きよう!」です。

 

"今"が奇跡なのだから、その奇跡を"自分の人生"に使わずして、何に使う? その自問が"自分の人生"に目覚めさせてくれます。逆説ですがその切り替えができることにより、目の前の相手にもおおらかになれるというものではないでしょうか。

 

「たった一度しかない奇跡のような"自分の人生"を生きる」

 

「終身路を譲るも、百歩を枉げず」

by 新唐書

 

「利益は後からついてくる」

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。