人は「軽やかさ」に惹かれる
世界トップのデザインファームIDEOのフェローによる、きわめて画期的な本が上陸したと話題になっています。その本は「Joyful 感性を磨く本」(2020年9月末発売)。あなたはご存じでしょうか。
私はまだ読んでいません。しかし出版社のダイヤモンド社が提供するダイヤモンドオンラインで本書の一部が垣間見れましたので、本日はその内容をお届けします。
本書では感性を刺激する、前代未聞の方法を「10の扉」としてまとめられ、記事ではその1つの扉を紹介します。その1つが「人は"軽やかさ"に惹かれる」です。
わかりやすく言うと「蝶」や「雲」のような軽やかな景観を目にすると、喜びの感情が刺激されるというのです。
どういうことか?
あくまで記事を読んだ私の理解で進めます。
著者はまず「しあわせ」と「喜び」を区別し、「しあわせ」は持続的によい状態でいることをいい、家庭や仕事、人間関係、人生の目的などの多くの側面がからんでくるため、簡単には手に入らず、努力してめざすべきものとします。それに対し「喜び」はもっとシンプルな、瞬間的で強烈な感情体験のこととします。
著者は「喜び」の方にフォーカスし、「そうした単純な喜びにも、心身に大きな影響をおよぼす力があり、しかもそれは簡単に生み出せるものです」と述べ、その一つが「軽やかさ」ということです。
「軽やかさ」というと、どういったものがイメージされますでしょうか?
先に伝えた「雲」や「蝶」もそうですし、風船や気球、花火や虹、シャボン玉なども挙げられます。そういった軽やかな「形あるもの」を視覚で捉えることで、人間にもともと備えられている感性(美的特性)を刺激し、自在に喜びを引き出すことができるということです。
著者はそのことを次のように言い表します。
「第一に喜びの感情は、ものに備わった色や形状、触感といった、ある種の「美的特性」によって引き起こすことができるということ」
「第二に、そうした特性のなかには、年齢や性別、文化や民族を超えて、多くの人の感性に訴え、普遍的に喜びを感じさせるものがあるということ」
内面から感情を作り出すのではなく、外面(外部)から感情を作り出す秘策を「10の扉」として紹介され、その1つが「軽やかなものを見る」ということです。
外面(外部)からの刺激が人を幸せにすることは、私たちはもう知っています。「食事」や「音楽」などが代表でしょう。おいしい食事、感性に触れる音楽、これらの中にもさまざまな種類があり、ときに興奮、ときに安らぎと、得たい感情をあらゆる角度で刺激してくれます。
五感を通して脳に信号が送られ、それが感情となって返ります。五感は視覚だけではありません。味覚も聴覚も触覚もあります。それらを駆使し、常に自分の感情(心)を前向きにする、そのためには簡単で場所を問わず日常的にできることが望ましく、その一つが「軽やかなものを見る」です。
人間は人間以外の動植物、生物、ありとあらゆるモノとの触れ合いの中で、それぞれの美的特性に応じた感性が磨かれ、感情が刺激されるようにプログラミングされているというのが著者の根本的主張です。
どのようなアプローチで内臓されている喜びの泉にアクセスするか、その引き出しが多ければ多いほど、私たちは喜びを極大に、悲しみを極小に近づけられます。
「人は"軽やかさ"に惹かれる」
確かに人間でもずんぐりむっくりのぽっちゃり体型を見るより、モデルのようなスマートな体型を見る方が、なんとなく気分が軽くなる印象があります。
いつでもどこでも簡単に心の泉にアクセスできる秘策。その一つが「雲を見る」ことなら、どんどん雲を見て、喜びを極大に、悲しみを極小にしていきましょう。そのように思って見るだけでも効果はぜんぜん違ってくると思います。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事