脳の老化予防「失敗」
一般的に脳の老化は30代後半を過ぎるあたりから、進んでいくと言わます。しかしそれを予防したり遅らせる方法が存在し、それが「失敗」「新しい体験」「新しい試み」です。
脳内科医の加藤俊徳先生は「仕事は慣れてきたときが危ない」と警鐘を鳴らします。なぜなら脳が回転しなくなるからです。ではどんなときに脳はもっとも回転するのか? それが「失敗」です。
「失敗」したときほど、感情的に刺激され、脳の様々な部分が活性化されるとのこと。
どうしたら失敗しなくなるか?
どうして失敗したのか?
次をどうするか?
自問自答が尽きることはありません。この答えのない問いに、自ら答えなければならないときほど脳が活性化されることはありません。しかしここで注意も必要です。
加藤先生が言われたわけではなく私の私見ですが、ただ単に意気消沈し、心が萎えただけでは、その限りではないということです。
失敗をもモチベーションに変えてこそ、脳はフル回転するのだと思います。そのためにはあらかじめ引当金を設けておくことです。
引当金を設けるとは、失敗前提の挑戦をするということ。言い替えれば、挑戦に失敗を織り込んでおくことです。初めからうまくいくことはなく、10に7は失敗すると思っておくのです。あのイチロー選手ですら3割バッターです。
そして人との比較はどうでもいいという観点です。仮に同じ挑戦をAさんとBさんがしたとして、Aさんは2回で成功、Bさんは10回で成功しました。
この挑戦だけを切り取れば、Aさんの方が適性があると判断できます。しかしAさんの内面はどうでしょうか? そしてAさんはこれからの挑戦もすべて2回以内で成功するのでしょうか? そしてAさんはどこに向かうのでしょうか?
東大を現役で合格しようと2浪で合格しようと、目的も適性もペースも何もかも違う中で、ある部分だけを切り取って優劣を競うことはナンセンスの極みです。
では何を基準に「挑戦と失敗」を繰り返せばいいのでしょうか?
それが当人の「内面」です。亀の歩みです。ウサギがすいすいと登ろうと、亀は亀で自分のペースで自分の道を歩むのです。そして自分のペースで自分の道を歩んでいることに満足を覚えるのです。それが「内面の充実」です。そこに本記事のテーマである「失敗」の重要性を盛り込みます。
自らの道で、どれだけ失敗を明日(未来)の材料にしていけるか。明日(未来)を見れば、目の前の失敗に重要性が帯びます。その重要性の認識こそ、脳がフル回転する土台です。
最後に加藤先生のお言葉を見ます。
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ではどうすれば脳の老化を防げるのか。一番効果的な方法が〝失敗体験〟をすることです。失敗体験ほど、たくさんの情報を得られる体験はありません。それは強烈な刺激となり、脳のさまざまな部分を活性化させます。
人は失敗をすると、落ち込み、ショックを受けます。そのストレスはある程度のものであれば、脳に対する強烈な刺激になります。さらになぜ失敗したのか、その理由を考えます。脳をフル回転させ、失敗の原因を探り、次回どうしたらいいか、対応策や改善策を考えます。
ところが、大過なく事が運んだときは、これまでの経験から何も変える必要がないことが多く、ほとんど脳は働きません。成功したときの喜びのようなものは、ドーパミンなど脳内物質の分泌で感じるかもしれませんが、脳全体がフル回転するわけではありません。失敗したときにこそ、脳は成長するのです。
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脳の老化予防「失敗」
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