魔法の呪文⁉「面白い」
「人のしあわせは自分の心が決める」とは、相田みつをさんを始め、いろいろな方が言われています。しかしなかなかその言い分を鵜呑みにできない自分がいることも事実です。なぜでしょうか？ それはなんだかんだ言っても、イヤなものはイヤで、気分がいい対象に出会って私たちは気分が良くなると思っているからです。ですから、なるべくいい人と話をし、相手の気分を損なわないように気をつけます。相手の気分が悪くなれば、自分の気分も悪くなると（心の）どこかで知っているからです。
ビジネスプロデューサーで何冊も本を書かれている金川顕教さんは著書「イヤなことは死んでもやるな」で、こう言われます。
『「面白い」と口にすると、すべてのことが面白くなる』
私はこの言葉は非常にシンプルで有益であると腹落ちしました。自己啓発の世界では「私は幸せだ」とか、「ありがとうございます」など、さまざまな口癖が勧められていますが、はたして効果を実感している人はいかほどでしょうか。
どんなに有名な人が言ったとしても、自分がシックリこなければ意味がありません。人の感覚はそれぞれのため、特定の人の言い分を重視するのは避けたいところです。そこで私は「おもしろい」とか「おもしろいかも」など、"おもしろい"というワードを自分なりに使うことで、本当に心が上向きになる感覚を覚えましたので、そこに金川さんの件（くだり）もあって本日紹介することにしました。
この言葉の何がすごいかというと、物事は一つの面、一つの角度からでは語れない代物（しろもの）のため、いっけんイヤでも、違う面（ちがう角度）は案外イケるかも・・と本当に思わせてくれる点です。第一印象とは違う面、違う角度に目線を合わせてくれるのが"おもしろい"というワードです。
心の視線を上向きに動かしてくれる「おもしろい」（という言葉）ですが、なぜこの言葉だけが私を体験的に腹落ちさせたのか？ それは人の本質は"おもしろい"にあるからだと思います。
"おもしろい"は、"楽しい"に代用されることが多いですが、"楽しい"は自分の意識の入る余地があまりないイメージがします。つまり最初に楽しくしてくれる対象があって、受け身的に楽しい状態が自分の心につくられる、といった感じです。
それに対し、"おもしろい"は、能動的にその対象の”おもしろい"点を探す動作が生まれます。その動作が主体性を帯びさせ、いっけんイヤそうな対象を自分の意識が包み込み、その中身を本当に"おもしろい"に変容させる感じです。
実業家の堀江貴文さんは、刑務所の中でさえ、可能な限り"おもしろい"センサーを発動させ、単純作業に工夫を加え、読書もしまくったそうです。人はどんな環境でも自分の意識や心がけで楽しい時間に変えられる、その象徴のよう話ですが、そのスイッチを担ってくれるのが"おもしろい"と考えます。
麻雀の裏プロの世界で、20年間無敗の金字塔を打ち立て、引退後、現在に至り雀鬼会会長をされている桜井章一さんがいらっしゃいます。桜井さんがいろいろな著書で言われていることに、若い頃の苦境を「おもしれぇ、やってやろうじゃねーか」で何度と乗り越えたそうです。裏プロで何十年も負けなしだった桜井さんでさえ、強敵はそれなりにいらっしゃいました。一晩で億が動くような勝負もあったそうで、大勝負の前にはきまって「今度こそは負けるんじゃないだろうか」と弱気の風が吹いたそうです。
そんな状態を吹っ切らせ、可能性にアドレナリンを放出させたのが「おもしれぇ、やってやろうじゃねーか」です。やはりここでも"おもしろい"がキーになっています。自分が破れようと、恥をかこうと、それも含め挑戦そのものに意義が持てる感覚、それが結果を超越した「幸福感」です。
結果を超越した「幸福感」、これこそが幸せの本質で、その入り口を作ってくるのが、「おもしろい」「おもしろそうだ」「おもしろいかも」だと考えます。
言葉は漢字だろうと、「おもしろいじゃないか」など、どんな言い方でもけっこうです。感謝をしましょうとか、ありがとうと言いましょう、など既存のススメにあなたがシックリきていないのなら、私は自信を持って「おもしろい」、「面白い」をお勧めします。
ある対象からもたらされる幸福に頼っていては、抱ける幸福感に安定がつくれません。いつどんなときも、「幸福は自分がつくる」と、その姿勢に幸福感の安定がもたらされ、幸福の花を大きく広げてくれるように思います。
受け身は不安定です。能動的に主体的に今日を彩ることが幸せの本質です。「面白い」「おもしろい」がそれを可能にしてくれると思います。一度で効果が実感できなくても、何度も何度もつぶやいてみてください。どこかでおもしろい点とのピントが合うはずです。
魔法の呪文⁉「面白い」
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