何事も見かけほど良くも悪くもない
先日読んだモーガン・ハウセル著「サイコロジー・オブ・マネー」という本に、表題の言葉が載っていました。「過度に成功者を羨んでも的外れであり、過度に不成功者を蔑んでも、的外れなことが多い」ということ。これは私たちも、言われなくてもなんとなくわかっていることです。
テレビや今でしたらユーチューブ等の動画で、華やかな成功者に羨むシーンは多々あります。"自分もああなりたい"と。成功者といってもお金持ちだけだけを指すのではなく、例えばダイエットの成功者や芸人よろしくおもしろいセンスを持ち合わせている人など、ジャンルは様々とします。
そういう人たちを羨ましいと思う心は素直に受け止めていいと思います。私もさまざまなシーンでそれを感じます。しかしその人(成功者)がそのことに幸福感を抱いているかは別問題です。別問題である以上、その人を幸福と思い自分をそうでないと思うのはやめた方がいいことです。なぜなら自分を幸福にできるのは自分だけだからです。
どういうことか?
例えばダイエットに成功した人を取り上げると、肥満な人から見れば、肥満から脱却した成功者は羨ましい限りでしょう。しかしその成功者は今日も明日もそして1年後も幸福感を抱いて生活するでしょうか。おそらく否でしょう。ではその成功者はどうしたら幸福感を抱いて生活できるのか?それはその人が自分で新たな課題(テーマ)を見つけ、その達成の途上で新たに(幸福感を)見出す以外にないでしょう。
ということは、いま肥満な人は、肥満の克服を課題(テーマ)に、その達成の途上で味わうプロセスが目の前に用意されていることにまず喜びを見出すべきです。そしてその達成の途上でどう幸福感を自分に感じさせるか、その知恵と実行が今を生きる醍醐味をつくってくれます。
何事も「結果」は人を幸せにしません。それを証明するかのごとく、時代は開発の余地を残し続けます。狩人の時代から、農業革命、産業革命、IT革命・・・と。
ですから今あるものに感謝をしつつ、新たな目標に挑戦することが幸福道の鉄則です。「何事も見かけほど良くも悪くもない」は、人との比較から自分との比較にスイッチをチェンジさせるきっかけをつくってくれます。
今の自分から目を反らさず、今の現状から目を反らさず、できることを一歩一歩やっていく、その中でしか幸福感は抱けません。ついつい人や環境に目を向けてしまう我々に、この言葉はぜひ身近に置きたいものです。そして事あるごとに反芻し、現実の自分から逃げずに前を向くきっかけにしたいところです。
「何事も見かけほど良くも悪くもない」
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。