「がん保障」の注意点
先日の記事「わりかん保険」はいかがでしたでしょうか?
私は保険会社に勤務する会社員です。保険には大きく生命保険と損害保険がありますが、私が従事するコールセンターは生命保険のみ扱います。(会社自体はどちらも扱います)
私は勤続11年目で、仕事内容の主は新人研修やオペレーターの指導・管理です。よって一応は、自社の生命保険ならびに生命保険の一般的知識は10年選手の腕前と自負します。
しかし保険は若い方ほど関心がなく、必要性も千差万別です。よって特にこれまで当ブログでは触れませんでしたが、あなたに保険の関心がなくても、知っておいて損はないと思われる知識はお役に立てるかもしれないという観点でお届けします。今後ともよろしくお願いします。
さて、本日は「がん保障の注意点」です。
私たちが日常で使う"がん"という言葉。実はこれには2種類の状態があります。それが「上皮内新生物」と「悪性新生物」です。会話で "〇〇さんが"がん"になった" というケースは後者の意味で使われると思って相違ありません。
しかし昨今のがん検診の普及等により「上皮内新生物」で見つかるケースが増えてきました。この両者の違いは何でしょうか?
それは見つかった状態が「ステージ0」か「ステージ1~4」の違いです。よくステージ3(スリー)とかステージ4(フォー)とか言われますよね!? この「ステージ0」の状態を上皮内新生物といいます。
ステージ0(0期):上皮内新生物(上皮内がん)
ステージ1~4(1期~4期):悪性新生物(悪性がん)
<上皮内新生物>
がん細胞が臓器の表面を覆っている「上皮」にとどまっている状態
<悪性新生物>
がん細胞が上皮細胞に接している「基底膜」を破って進行した状態
一般的に「上皮内新生物」の状態に自覚症状はありません。よって違和感(痛み)のない状態で人間ドックやがん検診等の精密検査を受けたときに発見されます。
「上皮内新生物」の段階で見つかれば、よく「早期発見・早期治療」と言われますが、まさにそれで完治が可能です。しかし悪性新生物に入ると、1期や2期でも状態により完治は難しくなります。
また治療費ですが、私の会社のアンケート調査によると、上皮内新生物で治療された方の6割が50万円の準備を安心ラインと回答済み。よって早期発見・早期治療といっても決して安上がりではないようです。
次に発売日です。私の会社で「上皮内新生物」が発売されたのが平成25年(2013年)4月。保険業界は横並びの傾向が強いため、どの会社も発売時期にさほど相違はありません。1~2年早いか、1~2年遅いか、いまだに扱いがないか、のいずれかです。
よってあなたが現在がん保険もしくはがん特約を付加されていましたら、上記の時期を目安に「上皮内新生物」の対象有無が確認できます。例えば平成20年(2008年)に加入していた契約は、間違いなく対象外でしょう。
勘違いしてほしくないのが「上皮内新生物が保障の対象外なら安心できない」ということではありません。ご自身の契約内容を把握し、(上皮内新生物の保障が)必要とお感じなら、中途付加されるか、追加で加入することをお勧めするということです。ちなみに先日紹介した株式会社justInCaseの「わりかん保険」は対象でした。
私もそうですが、がん家系などでがんを心配され、がん検診などを受診される方は対象に組み込まれた方がいいかもしれません。もし見つかって、対象外と言われたら忍びないかもしれないからです。
また各種で上皮内新生物より「上皮内がん」と書かかれることも多く、同様の意味とご理解ください。
「がん保障の注意点」
それはがんの発見には2種類の状態があること。そして契約日や会社、商品により がん保障に「上皮内新生物」が含まれていないことがあるということです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。