「大事なものはそこにはないから」
女優の高岡早紀さんの記事を読みました。とても短い端的な記事ですが、私は一つのワードに心を留めました。それが「大事なものはそこにはないから」です。
世間からの誹謗中傷、心無い言葉は、多かれ少なかれ芸能人(有名人)の付き物です。これを有名税と言ったりしますが、当時の発信元はマスコミくらいでした。しかし現在はSNS真っ盛りで、個人も平気で誹謗します。ツイッターやブログなどのテキストに加え、動画でされたりもします。それで精神を病む人は後を絶たず、命を絶つ人まで出てきています。
普通に考えて由々しき事態に感じますが、密かに有名人の凋落を楽しみにする人がいるのも事実です。そうでなければビジネスは成立しません。「人の不幸は蜜の味」をいいように扱うビジネスは今後も続くでしょう。
しかしモノは考えようです。世間からの誹謗に"無反応"を決め込む女優がいらっしゃいます。高岡早紀さんです。高岡さんはこう言われます。
「私もうすっごい前からもう何も聞こえない!」
これは2021年6月22日、深夜放送のバラエティー番組「グータンヌーボ2」(カンテレ)に出演した際の、MCの田中みな実さんへの返しです。
高岡さん曰く、ネットなど、世間の意見は一通り目を通すものの、そこに謂われないことがあっても、「そうですか、そうですか、」としか思わないそうです。なぜか?
「大事なものはそこにはないから」
それが理由です。高岡さんにとってそれよりももっと「大事なもの」は自分でわかってるということです。
これは私たちにとっても非常に参考になります。資金繰りに困っている零細企業の社長が、目の前の若造(の行員)に頭を下げることをプライドから拒めば、社長にとっての「大事なもの」は自分のプライドということになります。会社の存続や社員の雇用よりも、自分のプライドです。
少し前に飲食店でマスクを拒否する男性が傷害事件を起こすというニュースがありました。その男性はその件が初めてではなく、これまでも何度とマスクを拒否し、それがニュースになったこともありました。その男性にとってマスクを外す行為は、周囲からの同調圧力に屈すると思われるのでしょうか、マスクを外さないことがその男性にとっての「大事なもの」です。
ライブドア事件の当人、堀江貴文氏は、当時に検察側と徹底抗戦の道を選びました。ほとんどの方は、同じ状況下におかれれば非を認める方に流れると思います。本当にやってなくても、自分の罪が軽くなるからです。しかし堀江氏は自分の罪の重さを顧みず、「自分を偽らない」「自分を曲げない」ことを最優先に置きました。
「小僧に頭を下げると思うから情けないのだ。金に頭を下げるのだ」
商人の彌太郎氏にとって、「大事なもの」は目の前の小僧ではなく、お金でした。「損して得とれ」を地で行った言葉とも言えます。
「近くを見るから船酔いするんです。100キロ先を見てれば景色は絶対にぶれない」
孫社長にとって、「大事なもの」は100キロ先の景色です。
私たちの生活においても、いちいち嫌なことに時間を使われるのは、「大事なもの」から目を背けているか、そもそも「大事なもの」を設定していないかのどちらかです。まずもって「大事なもの」を明確に打ち出すこと、そしてそこから目を背けないことです。
自分にとって「大事なもの」がわかれば、それに従い目の前の現実に対処すればよく、その結果は無論、自己責任となります。堀江氏や孫氏は100キロ先を見据え、目の前の損を拾うことができた典型例です。堀江氏の今の活躍は、当時の自分を曲げなかったからこそだと思いますし、ボーダフォンの買収に2兆円を賭さなければ、現在のソフトバンクはありません。
「大事なもの」は1つでなくても、2つでも3つでも良しです。ポイントは中長期的な視点と今とは別の角度から"いま"を見つめることで、それが "いま"を軽くし、"自分"を軽くしてくれると思います。
高岡早紀さんの世間の声に対するお言葉。
「大事なものはそこにはないから」
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事
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