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「習慣化」ルール作りの技法

ボストン・メディカル・センターのティモシー・ナイミは、全米の17の州の飲酒を取り締まる法律の厳しさと、殺人事件との関連性を2003年から2012年までの統計を調べました。すると明らかに飲酒を厳しく取り締まる州の方が、殺人事件が少ないことがわかりました。

 

このことを自分の習慣化(マイルールの徹底)に活かすと考えれば、ルールが守れなかったときの罰則は厳しい方がいいということになります。例えば自分で開けられない貯金箱に罰金を入れるルールや、人を介在させないといけないなら、まず大事な物やお金を誰かに預けておき、達成できなければ返してもらわなくていいという約束をします。

 

基本、自分だけの世界ではどうしても例外や特例を作り、自分をかわいがってしまう傾向があります。いろいろなシチュエーションや環境がありますが、まずは自分の代償を払えるだけ払い、払った分を取り返す戦法が一番自分を律せられると思います。

 

次にルールを守れた場合のごほうびについて。

 

こちらもアメリカでの実験ですが、あるときノースカロライナ州のグリーンズボロで、「一日一ドルプログラム」が行われました。ちょうどこのとき、アメリカでは未成年の妊娠・出産が社会問題になっていて、それをどうにか減らしたいという策から生まれました。未成年の出産は、不満足な環境で育ててしまうケースが多く、その子供は非行に走りやすいという統計が出ていました。

 

「一日一ドルプロジェクト」は、16歳未満で妊娠を経験した65名の女性に参加してもらい、二人目を妊娠しなければ、一日一ドル差し上げるというものです。一日一ドルは日本円に直すと、一日約100円です。決して多いという額ではありません。しかし効果は大きかったと言います。計画を指揮したヘーゼル・ブラウンは5年間つづいた期間中に、二人目を生んだのは15%にとどまったと言われています。通常、このときの米国では、一人目を生んだなら二人目も立て続けに産んでしまう傾向がありました。

 

私はほぼ毎日買い物をしますが、支払いはいつもペイペイです。ペイペイが使えないときは、クレジットカードで支払います。なぜ現金を使わないのか? 自分で言うのもなんですが、おそらくポイントを貯めたいからでしょう。現金だと何も付きません。

 

しかしそれだけではありません。お店側からすれば、クレジットカード決済を導入すると、クレジットカード会社に手数料を支払わなければならず、その手数料分は商品価格に転嫁されます。転化された商品価格はもちろん、すべてのお客を対象としますが、キャッシュレス決済をする人は、付与されるポイントで転嫁分をペイできます。しかし現金派はその分をペイできません。この状態を回避することも私がキャッシュレスにする理由だと思います。

 

話が脱線しましたが、ごほうびのインセンティブはわずかでも人を動かす力があるということ。例えばウィークデイにルールを守ったなら、休日はどこどこに出かけよう!とか、銭湯でくつろごう!など、また1日決算型なら夜に一杯のビールを楽しもう!などが有効です。

 

両者を組み合わせるなら、まず誰かに100万円を預け、一日に達成するごとに、1000円を返してもらうなども面白いと思います。なかなか人を介在させることは難しいですが、第三者を活用するなどして、とにかく厳しい罰則とわずかなごほうびを組み合わせることが、習慣化(ルールの徹底)のコツであることは知っておいて損はありません。

 

脳のメカニズムからみても、罰則(危険)を回避する防衛本能と、ごほうびにありつけた達成感のドーパミン(快楽物質)が、二手からモチベーションという形に転化します。長期目標だけでも、短期目標だけでもダメで、その両方が必要と言われることと似ています。やはり物事は車輪のように、二つが同時に機能して初めて発動するものが多く、人を動かす力も例外ではありません。

 

「習慣化」ルール作りの技法

 

厳しい罰則と(小さな)ごほうび。

ごほうびは豪勢でなくても人の喜びに寄与することはあまり知られるところではなかったと思います。ぜひ参考に自分や組織を動かす力と、ご活用ください。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。