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「公的年金」の盲点1

1級ファイナンシャル・プランニング技能士の「leonet0702」です。本日も社会保障についてお話します。

 

公的年金」と聞くと、あなたは何をイメージされますか? あなたが会社員でしたら、毎月の給料から天引きされる「厚生年金」をイメージされると思います。あなたが自営業者でしたら国民年金をイメージされるでしょう。

 

さて本日はその公的年金盲点についてお話します。

 

私たちが一般的にイメージされる「公的年金」は「老齢年金」です。老齢年金とは、いわずもがな65歳から受給する年金のことで、俗に"年金暮らし"と言われる年金です。ニュースや報道、各所の記事もだいたい「老齢年金」を前提とした話が多く、2019年には「老後資金2000万円」問題が浮上しました。記憶に当たらしいところでしょう。

 

さて「公的年金」とは、そもそも「老齢年金」だけを指すのでしょうか?

 

答えは「否」です。

公的年金にはその他2つの年金も付随します。それが次です。

 

公的年金=老齢年金

    =障害年金

    =遺族年金

 

そうです。公的年金には障害年金「遺族年金」も付随するのです。ということは、独身の方でしたら「障害年金」、家庭を持たれる方でしたら「障害年金」と「遺族年金」に着目してしかるべしです。

 

では障害年金から見ます。

 

障害年金国民年金から支給される「障害基礎年金」をベースとに考えます。自営業者は「障害基礎年金」のみ、会社員・公務員の方は「障害基礎年金」に加えて「障害厚生年金」を受け取れます。

 

では受け取るための条件は?

 

<障害基礎年金>

・障害の原因となった傷病の初診日に国民年金の加入者であること

・障害認定日に障害等級1級か2級に該当すること

・初診日の前々月までの被保険者期間のうち2/3以上の期間に保険料を納付している、または初診日の前々月までの過去1年間に保険料の未納がないこと

 

<障害厚生年金>

・障害の原因となった傷病の初診日に厚生年金の加入者であること

・障害認定日に障害等級1級か2級か3級に該当すること

・障害基礎年金の保険料の受給要件を満たしていること

 

教科書のような文言を並べましたが、受給要件は本記事の主旨から外れます。ただ障害基礎年金は障害等級1級・2級が、障害厚生年金は障害等級1級・2級・3級を該当基準にする点は抑えてください。

 

次に障害等級別の状態の目安です。

 

<障害等級1級

他人の介助がなければ身の回りのことができない程度

 

<障害等級2級

必ずしも他人の手助けを必要とするわけではないが、日常生活は極めて困難。働くことが困難な程度

 

<障害等級3級

日常生活の身の回りのことは自力でできるが、労働に著しい制限を受ける程度

 

※参考元:保険障害認定基準

 

次に障害等級2級に該当した場合の、受給額の目安です。

 

<会社員(公務員)>

(20歳で国民年金に加入、22歳で厚生年金に加入、平均標準報酬額35万円、本人・配偶者は30歳、子供は18歳未満と仮定

 

独身:月額 約11,3万円

夫婦のみ:月額 約13,2万円

配偶者+子1人:月額 約15,0万円

配偶者+子2人:月額 約16,9万円

 

<自営業者>

(20歳で国民年金加入、本人・配偶者は30歳、子供は18歳未満と仮定

 

独身:月額 約6,5万円

夫婦のみ:月額 約6,5万円

配偶者+子1人:月額 約8,4万円

配偶者+子2人:月額 約10,2万円

 

 

大事なことは、仮にあなたが会社員や公務員、自営業者を問わず、障害等級2級に該当したとした場合、上記の額を捻出できますか?ということです。障害等級2級に該当すれば、基本的に就業は難しいです。

 

就業が難しい中、それでも生活費はかかります。ここが肝心です。もし不幸にも亡くなってしまえば、言い方は悪いですが、生活費はかかりません。

 

つまりは障害等級2級に該当すれば、自分の生活費は家族に賄ってもらう形となり、その負担分、家族の方は時間や労力がかかります。その分、家族の方の就業時間は減るでしょう。そう考えると世帯収入は激減するかもしれません。家族のいない独身者は民間のヘルパー等を利用することになると思います。

 

本記事は何を言わんとするかと言うと、会社員や公務員はさておき、あなたが自営業者の場合、もしくは自営業者になった場合について。そのときは、国民年金が「障害基礎年金」を保険の役割で付随させるため、加入したほうが"障害時"に助けられるのでは!?という提起です。

 

ちなみに国民年金は日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人が国民皆保険制度として加入が義務付けられます(国民年金法)。しかし実際は "加入しない" とする選択をされる自営業者は少なくありません。その人の選択基準はおそらく「老齢基礎年金」だけを取り上げます。しかし「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」も側面で持ち合わせますよ!ということを本記事は申し上げたいのです。

 

いくら自分で貯金したとしても、自分が障害を負い、仕事ができなくなった場合は、その貯金額から生活費を取り崩さなくてはなりません。そして取り崩した分だけ、老後の生活費は目減りします。あなたが自営業者でしたら(自営業者になることを予定されていましたら)、そのことをご理解したうえで「国民年金」をお考えいただくことをお勧めします。

 

公的年金の盲点1」

それは障害年金です。

 

次回は公的年金のもう一つの盲点、「遺族年金」を解説します。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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