「現状維持の法則」1
不動産投資家のhorishinさんの著書に次があります。
horishin著「ズボラでも絶対できる不労所得生活!」(2019年6月発売)
その中に「現状維持の法則」について触れられている項があります。不動産投資は通常、何千万円という借金をして行うため、それに打ち勝つだけのメンタルが必要で、そのメンタル作りを説くうえで「現状維持の法則」を理解する必要があると、hoshirinさんは語ります。
hoshirinさん曰く「現状維持の法則」は次の3つに分解できるとのこと。
・決定回避の法則
・損失回避の法則
・保有効果
一つ一つ簡単に見ます。
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<決定回避の法則>
簡単に言うと、選択肢が多すぎると逆に選べなくなるということです。行動経済学者であるエルダー・シャフィール博士が「人は4つ以上の選択肢があると逆に選べなくなってしまう」という心理効果を提唱されました。
<損失回避の法則>
簡単に言うと、人は得と損があれば、リスクを負った得よりも、リターンがなくとも(薄くとも)損を回避する選択をするということです。これはアメリカの心理学者・行動経済学者であるダニエル・カーネマン博士が提唱されました。
<保有効果>
簡単に言うと、今自分が所有しているモノに高い価値を感じ、それを手放すことに抵抗を感じる心理現象のことです。これはアメリカの経済学者であるリチャード・H・セイラー博士によって提唱されました。例えばもうオンボロになっているバッグも、愛着が染みついた分、なかなか捨てられないといった心理作用です。また投資においても、自分が投資した株が下がっても、やがて上がるはずと根拠なく思い込もうとする作用を言います。
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以上の3つの法則が私たちに「現状維持」を選択させ、強化させます。
ではどうしたら「現状維持」を打破できるのでしょうか?
hoshirinさんのアドバイスは次です。
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<決定回避の法則>
単純に選択肢を減らすことです。例えば副業を考えても、さまざまな情報が溢れています。一通りの情報収集をすることはよしとしても、時間や期限を決めないと、収集するだけで疲れるため、どれも面倒くさくなってしまいかねません。horishinさんは、脱サラと不労所得生活を目指し、そのための手段として、わき目もふらず不動産投資のみで、ここまでやってきたとのことです。
<損失回避の法則>
不動産投資においての「損失」とは、借金を背負うことです。つまり、サラリーマンが不動産投資を始めようとする場合に、"借金を返せなくなる"という「損失」を回避する心理が働くため、結局「現状維持=やらない」となってしまいます。
そのためには不動産投資をすることで、どれだけ自分にリターンがあるかを、はっきりと紙に書き出し、それが叶えられないことこそ「損失」であると、イメージを書き換えることを勧められます。
<保有効果>
現在のサラリーマン生活に嫌気がさしながらも、リスクのある選択を迫られた場合には、"そんなサラリーマン生活でも、いいことや楽しいことがそれなりにある" と現状に値打ちを感じる作用が働きます。先の「損失回避の法則」と類似する心理作用です。
この心理作用を乗り越え、リスクのポジションに自分を移行させるには、「師」の存在が必要とhorishinさんは言われます。すでに「師」がいるなら直接アドバイスを求め、いないなら、「師」と呼べる人を見つけ、積極的に相談にのってもらうことです。
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その項の最後にhorishinさんは、こう言われます。
「心理効果が働くと一歩踏み出せないのは当たり前です。自分を責めないであげてください。あなたが原因ではなく、人間の行動心理の問題です。しかしながら、回避方法を知ったあなたであれば、突破できます。自信を持ってください。絶対に大丈夫です。」
一番大事なのは、自ら環境設定をし、イメージの書き換えを積極的に図らないと、必ず現状に引き戻されるという現実がこの世には存在するという認識です。
まさに下りエスカレーター。立ち止まればどんどん下り、下った先が「現状」です。現状への引き戻しはかくもすごいのです。
ぜひhorishinさんのアドバイスを実践し、現状を超えた先をコンフォートゾーン(快適空間)としてまいりましょう!
・選択肢を減らし決定すること
・リターンの機会損失こそ最大の損失と心得ること
・自分の延長線上で輝いている「師」を見つけ、相談にのってもらうこと
次回も同じテーマ(現状を打破する方法)でお届けします。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。