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選定療養=差額ベッド代

前回の記事「患者申出療養」のつづきです。

 

現在の日本において、混合診療が認められない中、保険外併用療養費として保険診療との併用が認められる3種の療養があります。それが「評価療養」「選定療養」「患者申出療養」。本日はその一つ「選定療養」について解説します。

 

「選定療養」とは、公的医療保険導入を前提としないもので、その代表格が「差額ベッド代」です。それ以外を細かく列挙すると以下です。

 

・特別の療養環境(差額ベッド)
・歯科の金合金等
・金属床総義歯
・予約診療
・時間外診療
・大病院の初診
・小児う触の指導管理
・大病院の再診
・180日以上の入院
・制限回数を超える医療行為

 

なんとなくニュアンスで伝わると思います。これらを受けたことにより、保険診療が3割から10割(全額自己負担)になっては忍びありません。ですので特に解説する項ではないかもしれませんが「差額ベッド代」について少し触れます。

 

「差額ベッド代」とは、正式名称を「特別療養環境室料」と言い、入院時に支払う個室代です。個室とは基本的に1~4人部屋のことで、大部屋に「差額ベッド代」はかかりません。

 

なぜ個室(1~4人部屋)に「差額ベッド代」がかかるのか?

 

個室は、大部屋と比べて1人当たりに割り当てられる部屋面積が広くなり、設備の充実した療養環境が整うからです。つまりは "VIPな環境は自己負担でまかなってください" ということです。

 

平均的な1日あたりの差額ベッド代(全国平均)は以下の通りです。

 

・1人部屋:7837円

・2人部屋:3119円

・3人部屋:2798円

・4人部屋:2440円

 

参照元厚生労働省『第401回 中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況』

 

先ほどVIPな環境は自己負担という話をしましたが、実際は個室を余儀なくされるケースはあります。それは大部屋が満杯で空きがないケースです。そのときは個室での入院を余儀なくされます。そんな場合でも「差額ベッド代」は取られるのでしょうか?

 

取られません。病院都合のため免除されます。病院都合には他、院内感染を防ぐ目的などもあります。

 

差額ベッド代でもう1点記したいのが、医療保険を販売するときの切り口です。よく評論家やジャーナリストが「医療保険の加入は必要ない」と言われます。その理由は日本の公的医療保険「高額療養費」という制度が設けられているからです。

 

「高額療養費」という言葉、あなたも耳にされたことはあるのではないでしょうか。その「高額療養費」に「差額ベッド代」が含まれないことは、意外に知られていません。

 

と申しますのも、個室を希望されるのは何もお金に余裕のある人ばかりではないからです。周りの雑音や話し声、存在感だけでストレスを溜められる方や、家族の面会等で個室を希望される方も少なくありません。

 

そんな方は、全額自己負担で「個室」の環境を賄わなければなりませんが、1日6000円前後(全国平均)の差額ベッド代は決して安価ではありません。長期入院ならなおさらです。

 

「差額ベッド代=全額自己負担」

 

そこに医療保険の必要性が生じます。実際に販売員(セールスレディ)は医療保険の加入に差額ベッド代を訴求の材料とします。

 

本日は以上です。

 

3回にわたり保険外併用療養費として保険診療との併用が認められる3種の療養をお届けしました。

 

・評価療養(代表例:先進医療)
・選定療養(代表例:差額ベッド代)
・患者申出療養

 

再度整理すると、上記の3種の療養はいずれも全額自己負担。しかし保険診療との併用が認められるため、併用しても保険診療の3割負担が10割負担にされることはないということです。

 

次回は本日の終盤で登場した「高額療養費」についてお届けします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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