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「一律10万円の再給付」の意義

経済評論家で楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元さんが、一律10万円の再給付を求める記事を2021年2月3日のプレジデントオンラインに掲載されました。

 

麻生財務大臣は当初、"再給付を行う考えはない"と名言されましたが、それに待ったをかける内容です。麻生さんの考えはあなたもご存じ、前回の給付が消費より貯蓄に回ったことにあります。それに加え、一律10万円の給付は財源を12兆円~13兆円を必要とします。その財源は赤字国債で賄うことになるため、将来の納税者の負担を増やすことにつながるというわけです。つまりは、「経済効果があるならいざしらず、効果が薄いのに、将来の納税者の負担を増やしていいのですか?」と麻生氏は問うたわけです。

 

普通に考えて、納得のいく言い分です。麻生氏を好きでない方も、この反対理由には納得をしたのではないでしょうか。

 

しかし山崎元さんは、この麻生氏の反対理由を"浅薄な考え"とバッサリ切り捨てます。どういうことでしょうか?

 

困っている人にピンポイントで支給できれば、それはそれでいいのかもしれません。しかし医療従事者や飲食業の従事者だけが、困窮をしているわけではありません。慢性的に困窮している人もいれば、個別の事情で困窮している人もいます。つまりは誰が困窮しているかなどは、わかるはずもないという前提をまずもちます。

 

その前提のもと、一律10万円を給付すれば、必ず困窮者に行き渡り、困窮者は10万円の分だけ救われます。どんな事情があろうとも、事情に関係なく困窮者を救える点は見逃せません。

 

では困窮をしていない人に行き渡り、それが貯蓄に回り、将来の納税者の負担を増加させることについてはどうなのか?

 

ここが山崎さんのもっとも言わんとしたい部分です。それは現在から将来に渡り、高所得者ほど納税をするわけなので問題ないではないか、という論です。現在の税制は超過累進税率です。高所得者ほど納税率が高くなります。つまりは一律10万円の再給付が高所得者に回ることは、一見、困窮していない高所得者は"儲けもの"と思い、貯蓄に回すかもしれないが、その何倍もの額を将来にわたって(今回の12兆円~13兆円の)財源分を納税をしなくてはならなくなるということです。

 

麻生氏の内心は、"自分みたいな高所得者が、なぜ効果の薄い10万円の再給付に、将来に渡り負担増を強いられないといけないのか?" というものかもしれません。

 

「それならば、本質が見えたではないか、再給付に問題があるわけではなく、税制そのものに問題があるのだ」というのが山崎さんの主張で、核心の部分と私はお見受けしました。「現在の税制(超過累進課税制度)は公平であると財務省は言っているのに、公平ではないと言われるのですか?」という言い返しです。

 

このような疑義を浮き彫りにすることで、改めて「税制の公平性」が議論されることになり、そこにBI(ベーシックインカム)という構想も含めれば、実はBIこそが公平性に適するということにならないでもありません。

 

 

麻生氏の「将来の納税者の負担を増やす」という考えは、自縄自縛的な発言で、「超過累進税率そのものを否定している」ことに気づいていないところが"浅薄"だと切り捨てているわけです。

 

また経済対策として「Go Toトラベル」など、一部の人にしか恩恵がないのは不公平であるとも言われます。忙しくて旅行に行く暇もない人や、旅行をするお金がない人には恩恵がないということです。また医療や飲食業など、一部の業界に給付金や協力金を渡すことにも、会社やお店の規模感を考慮できないことや政治家に業界単位の利益誘導の機会を与えることでも否定されます。

 

私も「ピンポイントで困った人に給付金や協力金を渡すことが目下大切なこと」と大雑把に思っていましたが、確かに困った人が誰なのかを業界だけで判断することはできません。また山崎さんの記事には書かれていませんが、需要が増加するまでは、毎月給付をすればいいのでは?と思いました。なぜなら一時的に支給されても、一時しのぎに過ぎず、需要増に結びつくには弱いと考えるからです。連続的に支給されるから心の安心、経済的な安定につながり、それが消費につながると思います。

 

昨年から巻き起こったコロナショックにより、貧富の差はますます広がっていると言われます。その是正のためにも、まずは潜在的な困窮者をも救える「一律10万円の再給付」が急務ということで、私も山崎さんに同意する者です。あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用・参考記事

diamond.jp