雑音を無視できる人ほどIQが高い⁉
集中力を発揮するときに使われる回路「DLPFC(背外側前頭前野)」は、IQと関係が深いと示唆せれています。なぜか?
2013年に学術誌である「Current Biology」誌に掲載された"ある論文"がきっかけです。その論文の帰結は次です。
「長時間に集中力が途切れない人やまわりの雑音(ノイズ)を無視できる人は、IQスコアが高い」
実験内容の全貌はわかりませんが、その一つに「視覚テスト」がありました。まず被験者には明るい色の背景の前に、暗い棒が右・左へ移動する映像を見せます。
暗い色の棒の画像サイズは、さまざまな大きさが試されます。その後被験者に棒の移動方向を質問し、その回答に要した時間を測定しました。
結果はどうだったでしょう?
IQスコアが高い人ほど、回答に要した時間が短かいことがわかりました。他にもテストは種々行われたと思いますが、この視覚テストにおいては次のことが推論できます。
「IQスコアの高い人は、画像を"ノイズに過ぎない"と無視でき、必要な情報収集に集中力を割ける」
視覚テストの詳細は下の参考記事をご覧いただくとして、集中力の大切さは理解できると思います。しかし正直それだけではIQスコアと因果を結ぶのには無理があります。なぜなら集中力が発揮できなくても、潜在的にIQ値が高い人はいると思うからです。
しかしこうも思います。
「潜在的にIQ値が高くても、それを発揮できなければ低いに等しい」
とどのつまり、潜在的なIQ値がどうであれ、「仕事も遊びも"集中力"を発揮できて"なんぼ"」ということです。やる気も行動で示さなければ伝わらないのと同じです。
ではどうしたら集中力を発揮できるのでしょうか?
脳科学者の茂木健一郎さんは著書「最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング(2020年12月発売)」で次の3点をあげています。
・ちょっと難しめの本を読むこと
・ちょっとややこしい課題にチャレンジすること
・普段から雑音(ノイズ)のある場所で課題に集中する訓練を積むこと
いわゆるちょっとした「負荷」です。日頃から自分にちょっとした「負荷」をかけることで集中力は鍛えられると言います。
私はこの「負荷」と「集中力」の関係は間違っていないと思います。できることだけをやっても退屈です。背伸びしても届きそうにないなら背伸びをしようと思いません。その中間にあたる"背伸びをすれば届きそう"な目標が、人のやる気を駆り立て集中力が発揮されます。
ということは、集中力を鍛えるコツは、いかに"ちょうどいい目標"を設定できるか、ということになります。
そのためのコツは毎度"記録"をとることです。記録がなければ感覚頼みで、感覚は目に見えません。目に見えなければ目標を設定できません。
「雑音を無視できる人ほどIQが高い⁉」
大事なことは、今持っているIQ値を(それが高かろうが低かろうが)存分に発揮することです。存分に発揮するためには「集中力」が必要不可欠ということ。
「集中力」は日頃から自分に適した「負荷」をかけることで鍛えられます。適切な「負荷」は、記録が導きます。記録は言い換えれば「見える化」です。
ぜひ集中力を鍛え、潜在に眠っているIQを叩き起こし、自身のパフォーマンスにつなげていただけたらと思います。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事