「余計なことはしない」戦略
あなたは東京・新宿御苑前にある「ケンズカフェ東京」というお店をご存じですか? ガトーショコラで有名なお店です。
私は話題を振っておいて申し訳ないのですが、行ったことも食べたこともありません。しかし代表の氏家さんはファミリーマートのスイーツ監修もされているため、ファミリーマートのスウィーツを通して何度と名前は知っていました。
さて、そんな氏家さんは「余計なことはやめなさい」という著書を出されていて、その中身の一部を届けた記事があります。
その記事を読むと、「ケンズカフェ東京」は1998年にレストランとして開業。夜の宴会を中心に営業していましたが、2014年に人気だったガトーショコラに的を絞り、ガトーショコラ専門の洋菓子店に衣替え。さらには2015年には当時売り上げの7割を占めていたネット通販からの撤退を決意。
なぜそのような戦略を取られたのか?
それは "お店に行かないと買えない" というガトーショコラの希少価値を増加させ、商品のブランド価値を高めたかったため、とのこと。結果、売上は落ちるどころか大きく伸ばすことに成功しました。
代表の氏家さんはその戦略をこう振り返ります。
「戦略とは"戦う場所"を決めること」
氏家さんにとって戦う場所とは「ガトーショコラ」であり「リアル店舗(1店舗のみ)」ということなのでしょう。
そして氏家さんはこうも言われます。
「"余計でないこと" とは、あなた自身や会社が大切にしている"本質"。その"本質"とは、"あなたの仕事や人生を真に豊かにするもの"」
本質が見えれば、あとはそれに集中特化するのみ。そこに圧倒的な差別化が生まれ、そこにお客さんは引き付けられる、ということだと思います。
なぜ私が今回このような記事を紹介したのか?
それは現在の自粛モードで大方の人は時間が浮いたと思います。その浮いた時間にあれもこれもと手を延ばすのではなく、逆に「余計なことをしない」、そのために「余計なことを見極める」、そんな時間が今後に向けて生産的ではないかと思ったからです。
余計なことを見極めるには、人の段階によっては時間を要します。現在見極め途上の人もいるかもしれません。しかし「ケンズカフェ東京」のように、強みである「ガトーショコラ」一本に絞って、いや絞ったからこそうまくいったという事例は、いつかあなたの戦略にも適するかもしれません。
「余計なことをしない」戦略
取るべきタイミングは人によって変わりますが、一成功例としてお含みいただき、それが自粛ムードの"今"という方は、ぜひ取り入れていただければと思います。
最後に作家の中谷彰宏さんの著書「生きる誘惑」より、本記事の主旨に則する言葉を紹介します。
「生きる誘惑は、何かを手に入れることより、何かを減らしてシンプルにしていく中に生まれるのです」
何かを手放すときは、自分から捨てる場合もあれば、誰かから奪われる場合もあります。しかしいずれにしても、なくすことで生まれたスペースは、別なことに活用できるため、それが生きる誘惑になる、と中谷さんは解説されます。
なくすことで生まれたスペースに、なお自身の「強み」を充てる、それが「ガトーショコラ」一本で勝負に出たケンズカフェ東京の「余計なことをしない」戦略です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事