心の戦士!~心が前向きになる言葉~

どんなときでも心を晴れやかに!→ 心の戦士いざ参上!

「損切り」と人生

前回紹介した村上世彰さん著「いま君に伝えたいお金の話」に損切りについて触れられる箇所があります。今回はその損切りについて考察します。

 

株式投資において損切りは付いて回ります。著名な投資家の大半が "いかに潔くスピーディーに損切りできるかが力量" と言われます。

 

この損切り「トカゲのしっぽ切り」に例(たと)えるのが村上さんです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕が周りを見て思うのは、お金で失敗する人の多くは「損切り」が下手です。損切りとは「トカゲのしっぽ切り」と同じこと。トカゲは、自分のしっぽを誰かにかみつかれたり、何かにはさまって動けなくなったりすると、自分でしっぽの先を切り落として逃げていきます。そのとき、トカゲはしっぽの先っぽを失うけれど、大切な命を失わずに済みます。

(同書より抜粋)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

株式市場で株価が下がらないことはありません。どんな株も上がったり下がったりします。その幅が方向性をつくるだけで、上がり下がりは必須です。

 

ある株価が5%下落した後に、4%上昇しました。下落時に何もしなければ、マイナス1%です。しかし下落時に損切りをしたらどうでしょう? 仮に1%下落したときに利確(利益確定)して、1%の上昇後に再び"買い"を入れた場合。

 

1%の下落時に"売り"を出し、"買い"を入れたのちに3%上昇したわけなので、プラス2%の享受です。

 

今回のコロナショックでも、いかに早く損切りし、上昇局面に"買い"を入れられたかが、投資家ならびにファンドマネージャーの手腕でした。損切りとはすなわち「現金化」のことで、その現金額が多ければ多いほど、上昇局面の"買い"に投資できます。投資で一番まずいのは、上昇局面で軍資金(現金)を持ち合わせないこと。なぜ持ち合わせないのかというと、損切りしなかったか、遅かったからです。

 

デイトレーダーという職種?がありますが、彼らはこの作業を毎日チャートとにらめっこして繰り返します。損切りをスピーディーに、上昇局面に投資します。下がったと思ったらすぐさま損切りし、また上がり始めた株に投資します。この利幅を追い求めるのが彼らの生業(なりわい)。

 

先の例で、5%の下落後4%上昇としましたが、果たして上昇するのかも不明です。5%の下落後横ばいの株も多数存在し、よく"塩漬け"と言ったりしますが、まさにそれ。また塩漬けならまだましで、倒産し紙屑と化する株もあります。

 

今は晴天でも、だんだん雲行きが怪しくなり、ついに雨が降り始めました。何も対策を講じず、ずぶぬれになる人が損切りできない人。雨がぽつりぽつりと降り始めたときに、すぐに傘を買うか、避難した人は損切りができる人。

 

仮にその数時間後に晴れ始めたとして、ずぶぬれからの乾燥は、相当時間がかかります。すぐに避難した人は乾燥する時間は要りません。乾燥してからでないとできないことがあったとして、もう両者の差は歴然です。わざわざずぶ濡れになる必要などどこにもなく、ただ乾かす作業と労力、時間が無駄になるだけです。

 

天気に曇り・雨が在するように、株式市場に下落はつきものです。その下落に焦点を当て、つねに下落幅を最小限に抑えることを念頭に動けば、理論上、投資は好成績を期待できます。

 

私は株式トレードはしませんが、天気と人生を重ね合わせた場合、誰しも曇りや雨、ときに雷雨や台風に襲われます。そのときに自暴自棄に陥れば損切りできない人、腹をくくれば損切りできる人、そんなイメージです。

 

繰り返しますが、誰しもそれ(曇りや雨)は襲われます。なぜなら「雨は全員に降り注ぐ」からです。あなたの地点で雨が降ったなら、その地点の人は誰しも雨を被ります。あなただけをピンポイントに降らせることはありません。別の地点では降られなかった場合も、永遠にその地点が降らないわけではありません。

 

人生で「損切り」を考えたときに、まっさきに思い浮かぶのが「健康」です。がんが早期で見つかれば、完治も可能。しかし遅れれば・・。この場合、早期発見は損切りです。

 

人間は放っておけば安き(易き)に流れると言いますが、安き(易き)とは天気で言えば曇りや雨でしょう。部屋の掃除から始まり、何事も放っておいてプラスに働くことなどないと言えます。だから仏教では四苦八苦の四苦に「生病老死」を当て、生きることも「苦」とするのだと思います。

 

生きていれば必ず曇りや雨に襲われます。投資をすれば必ず下落に直面します。投資で下落を避けて利確(利益確定)をすることは至難の業ですが、人生や生活は異なります。

 

天気予報が発達し、事前に折り畳み傘を準備できるように、あらゆることに予防や未病が可能になりつつあります。それでもトラブルや"まさか"という坂は訪れますが、予防や未病ができた分だけ下落幅を抑えられたわけなので、それはそれで腹をくくる覚悟につながります。

 

完璧は無理ですが、本旨のイメージで毎日に向き合えば、株価に上昇局面が訪れるように、私たちのバイオリズムにも上昇局面が訪れるはず。そのときに多額の資金を投入するがごとく、しっかりと根を生やした自分が上昇幅を作ってくれるものと考えます。

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」

by 元三洋電機副社長、後藤清一

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

f:id:leonet0702:20200628172843j:plain