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「食物繊維」と死亡リスク

最近の健康情報に「腸活」は欠かせないものとなっています。あなたも何かしらで見聞きしたことがあると思います。また腸と脳はつながっているという「脳腸相関」という言葉もあります。「腸活」といえば、今年5月にお亡くなりになった藤田紘一郎先生は、数々のご著書で「脳はバカで腸は賢い」というようなことを書かれています。それほど脳は未発達で、腸こそが太古からの知恵が詰まっている器官ということです。

 

では「腸活」と言えば? そうです、「食物繊維」です。健康的な食生活に「食物繊維」は切っても切り離せない関係です。本日はそんな「食物繊維」と死亡リスクについてお届けします。

 

「食物繊維の摂取量が多いと、死亡リスクが下がる」という研究結果はすでに欧米では出ていました。しかしアジア人を対象にする実験は今回が初めてで「JPHC研究」が、日本人を対象に調査をしました。

 

対象となったのは、調査開始時にがん、循環器疾患になっていなかった45~74歳の男女、9万2924人で、2016年までの17年間に追跡調査しました。食事のアンケートから食物繊維の摂取量を計算し、5つのグループに分け、17年間の死亡との関連を調べるというものです。

 

結果は?

 

食物繊維の摂取量が多いほど、男女共に総死亡リスクが低下しました。死因別では、心筋梗塞心不全脳卒中などの循環器疾患による死亡リスクが低下しました。

 

数値で表せばこうです。

 

食物繊維の摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに対し、総死亡リスクが男性で23%、女性で18%低下。循環器疾患による死亡リスクは、男性で20%、女性で27%の低下です。

 

ここで少し抑えたいのが、先に欧米では研究結果が出ていると申しましたが、欧米での調査は「食物繊維」に穀物由来を採用しているのに対し、日本では特に(穀物由来の食物繊維)との相関は見られませんでした。記事の指摘では、「日本の穀物由来の食物繊維」は精製された白米が中心で、食物繊維量が少なくなっていることが理由では…と述べています。では実験では何由来の食物繊維を摂取したのか?

 

「野菜」、「果物」、「豆類」です。身近な食物繊維豊富な食品といえば、キムチなどの発酵食品が有名ですが、そのほかにも、果物もたくさん含んでいます。それらを摂取し、循環器疾患による死亡リスクが20%前後下がりました。

 

食物繊維を多く含む食品から摂取する食事方法を「ベジファースト」と呼びますが、ベジファーストを行うことで、食後の血糖値の急上昇を抑えることができます。この良好な血糖コントロールが死亡リスクを下げると考えられます。それ以外には、そもそも食物繊維豊富な食事は、その他栄養もそれなりに含んでいるため、総合的な栄養バランスを自然と担保できる点があります。また食物繊維をたくさん摂取するには、さまざまな野菜、果物、豆類を摂取する必要があり、その"さまざま"がその他の栄養バランスをこれまた自然と担保してくれます。

 

最後に具体的な1日の摂取目安です。厚生労働省の「日本人の食事摂取量」(2020年度版)では、女性18グラム以上、男性21グラム以上(18~64歳の場合)と定められています。グラムだけ言われてもピンときませんが、納豆1パックで約3グラム、ライ麦パン1個で4グラム、そば1人前で3.7グラム、トマト中1個で1.5グラム、キュウリ1本で1.1グラム、バナナ1本で1.7グラムです。

 

先ほど"さまざま"に食べないと摂取量に届かないと申しましたが、その意味がおわかりいただけたと思います。納豆だけで計算すると、1日7パック以上の摂取が必要です。

 

「食物繊維」を意識した食生活を試みることで、死亡リスクを下げるだけでなく、脳腸相関━の活性化にも一役買ってくれるかもしれません。少なくともいいことずくしですので、あとは日々食べるのを飽きないようトッピング等の試作を重ね、工夫をこらしていきたいところです。

 

「食物繊維」と死亡リスク

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用・参考記事

hc.nikkan-gendai.com