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サーチュイン遺伝子「オートファジー」

前回の記事「食事も投資!?」で、空腹状態を16時間続けると体内で「オートファジーが機能し始めることを紹介しました。理由は人類の歴史が飢餓との戦いだったため、飢餓状態になると長寿遺伝子が働く生体メカニズムが備わっていることです。

 

人類の歴史はとにかく飢餓から逃れるために必死だったのでしょう。つきましては、本日はもう少し「オートファジーについて深堀りします。

 

まず「長寿遺伝子」「若返り遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子について。このサーチュイン遺伝子という言葉、あなたは耳にされたことはありますか?

 

私はテレビで何度と耳にし、空腹状態で活性化することは知っていました。結論、このサーチュイン遺伝子が活性化することで「オートファジーが機能し始めるという構造(メカニズム)です。

 

サーチュイン遺伝子は2000年に米国・マサチューセッツ工科大のレオナルド・ガランテ教授が酵母の中から発見しました。テレビではよく2枚のサルの写真を取り上げ、一方は毛並みがつやつやでもう一方は老化が激しく髪がぼさぼさ。この両者の違いはカロリー制限の有無にあり、カロリー制限をしたサルはサーチュイン遺伝子により若返り機能が働いたことを証明したとされます。

 

しかし驚くべきはサルだけでなく、その後の研究で人間にもサーチュイン遺伝子が備わっていることがわかったのです。

 

サーチュイン遺伝子が活性化すると、細胞内でエネルギー源を作り出す小器官「ミトコンドリア」が増えるとともに、細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアが除去され、新しく生まれ変わる自食作用が始まります。この自食作用を「オートファジーと言います。


「オートファジー(自食作用)」が行われれば、細胞を傷つける活性酸素の除去、細胞の修復、脂肪の燃焼、シミやシワの防止、動脈硬化や糖尿病の予防、さらには認知症、難聴などの予防といった様々な好影響がもたらされます。

 

人体の健康度を測るバロメーターは70~100項目あるそうですが、なんと「オートファジーでそのほとんどが改善されるとも言われ、その観点でサーチュイン遺伝子は、体を若返らせ、健康寿命を延ばす「夢の遺伝子」と呼ばれます。

 

金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学教授 古家 大祐先生は次のように言われます。

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空腹、つまりカロリー摂取の制限が長寿遺伝子を活性化させることは、さまざまな研究によって実証されてきました。


私たちの研究グループも、カロリー制限した生後24カ月の高齢マウスが生後3カ月と同じ腎臓の機能や組織を保っていることを確かめました。2011年には人間でもカロリー制限が長寿遺伝子を活性化することを世界に先駆けて立証しました。


この研究では、30代から60代の男性4人に1日に必要なエネルギー量からカロリーを25%制限した食生活を7週間続けてもらい、長寿遺伝子の活動状況を調べました。その結果、わずか3週間でも長寿遺伝子が作るサーチュイン酵素の量が1・4~4・6倍に増加し、7週間後では4・2~10倍も増加することが裏付けられたのです。

 

実験の模様はNHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる~発見!長寿遺伝子」でも紹介され、大きな反響を呼びました。

金沢医科大学病院のHPより抜粋 Copyright© Kanazawa Medical University Hospital. All rights reserved.)

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前回紹介した青木厚先生は16時間の空腹状態で「オートファジーが機能し始めると言い、古家先生は25%のカロリー制限で活性化することを立証されました。どちらも間違いではないのでしょう。ちなみに両先生とも「オートファジーについて触れた著書を出版されているため、私は読んでませんが、それをお読みになれば より詳しく知れると思います。

 

またこのサーチュイン遺伝子ですが、なんと空腹やカロリー制限だけでなく「運動」でも活性化されるとのこと。

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運動をすると長寿遺伝子が活性化することも明らかになっています。米国の研究では、食事制限でカロリーを12・5%カットし、運動で消費カロリーを12・5%増やすと、カロリーを25%制限したのと同じ効果があることが確かめられています。

 

私たちの研究では少なくとも25%のカロリー制限で効果があることが裏付けられましたが、どの程度のカロリー制限がベストなのか、高齢者にも適応するのかなどは、これからの研究課題です。

金沢医科大学病院のHPより抜粋 Copyright© Kanazawa Medical University Hospital. All rights reserved.)

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最後に "空腹もカロリー制限も運動も面倒だ" という方に朗報かもしれません。なんと赤ブドウの皮やピーナッツの渋皮に含まれるレスベラトロールサーチュイン遺伝子を活性化させるかもしれないと考えられ、今まさに研究段階だそうです。

 

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赤ブドウの皮や落花生の渋皮に含まれるレスベラトロールが、カロリー制限をしなくても長寿遺伝子を活性化するのではないかと考えられており、すでに多くのサプリメントが商品化されています。

 

私たちの研究グループでもレスベラトロールと長寿遺伝子とのかかわりを確かめる臨床研究を進めています。最近発表された研究論文と照らし合わせると、「効果あり」と言ってよさそうです。

金沢医科大学病院のHPより抜粋 Copyright© Kanazawa Medical University Hospital. All rights reserved.)

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栄養学の観点から、1日3食の食事を厚労省は勧めてきましたが、この数十年間にそれが災いしてか、過食による血液の汚れで種々の病気を招く人が増加しました。がん、糖尿病、心筋梗塞脳卒中・・・。すべて元凶は「血液の汚れ」と言われます。

 

しかし空腹状態を続けると、空腹後の食事で血糖値が急上昇する警鐘も たくさんの医師から同時に鳴らされます。また1日1食や2食では、栄養的(ビタミン・ミネラル)に満たされるのかどうかも心配です。

 

同じ「医者」という立場でも、きちんと3食取ることを推奨される人もいれば、1食や2食を推奨される人もいます。

 

私たちはエビデンスのある客観的事実のみ受け取り、その事実を踏まえどう取り組むか、それは個々の関心度や環境、ストレス許容度により変わります。しかし今回の記事で、サーチュイン遺伝子「人間」にも備わっていることがわかったことは私にとっては貴重な収穫でした。

 

さてこのサーチュイン遺伝子を活性化させる方に舵を切るか、特に気にせず今まで通りの食生活でよしとするか、食生活は変えずとも、運動やレスベラトロールの摂取を始めるか、、、

 

あなたの今後の参考になりましたら幸いです。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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引用・参考記事

www.kanazawa-med.ac.jp

tokusengai.com