お勧めのアファーメーション
前回の記事「胸中論」は、人生の根本姿勢を問う内容で、私の結論は「あなたの人生はあなたの胸中いかんで決まる」という主旨でした。胸中の中身は「ゴール(目標)」「自信(セルフイメージ)」「価値観(好み)」の3つに分解しお届けしました。
ところで人間が自分の積極性を保つのに、誰でも気軽にできる有効な方法は? と聞かれて、あなたは何とお答えしますか?
私は「言葉」と「呼吸」と答えます。
・言葉は俗にいう「アファーメーション」です。言葉で自分を洗脳する方法。
・呼吸は唯一内臓の営みにアプローチできる方法。俗に「瞑想」と言われるもの。
本記事はその前者「アファーメーション」に迫ります。
先日岡崎太郎著「億万長者のすごい習慣」を読みまして、その中に ある社長さんが普段から口癖にするフレーズが紹介されましたので、それをアファーメーションに置き換え紹介します。
その社長さんの口癖とは「カンタン」です。その社長さんは「〇〇? カンタンだよ。ステップバイステップ、ベリーシンプル、なんでもカンタンだから」といった感じで言われるそうです。
他の読者はなにげに素通りするところかもしれませんが、私は"ごもっとも!"という感じでとても有効な口癖(アファーメーション)であると感嘆しました。なぜかというと、もともと以前にある人が "チョロイ" という口癖を勧められていて、私も以降に何度か使わせてもらった経緯があったからです。「カンタン」も "チョロイ" も同じ意味ですが、ここでは「カンタン」で進めさせていただきます。
仕事でもプライベートでも、問題が起きればそれを面倒や恐怖に感じたり、解決不能に感じることがあります。そこまでは条件反射的な感情なので問題ありません。そこからの取り組みが人を差別化します。ここでテーマ化したいは、取り組み以前の心の処し方、心構えです。
アファーメーションは普段に使用することですが、特に発揮すべきは問題が起こったとき。問題が起こったときに瞬時にその言葉(フレーズ)が出るために、普段の使用が必要とも考えられます。
問題が起これば本当に0コンマ何秒で「〇〇? カンタンだよ。ステップバイステップ、ベリーシンプル、〇〇の解決なんてカンタンだから」とつぶやきます。するとどうなるか? 冷静さを取り戻し、人間は全知全能である「氣」を源とする万物の霊長を思い出します。思い出せばどうなるか? 万物の霊長ゆえ、対象である「問題」より、圧倒的に大きい宇宙規模の存在を自身に認識します。この認識がまずあって、目の前の問題、目の前の課題を気持ちで一蹴します、斎藤一人さんの言葉を借りれば「袋叩き」です。
人間は、問題や課題に気持ちで負けてはいけない存在です。前回の記事『無限の可能性=「自分」』でもお伝えしましたが、気持ちで負けては、受け口である「心」が宇宙霊である氣の流入を塞ぎます。氣と身体が一体となってこそ、生命が漲り思考においても行動力が生まれるのです。まずは「カンタン」というアファーメーションを唱え、心に積極性を取り戻し、「氣」と一体となり、問題を相対的に極小にします。
気持ちで問題を極小にしたら、今度は物理的に極小にします。どういうことか? その目の前の問題を小さく切り分けるということです。自分が物理的に手に負えだろう大きさまで小さく切り刻み、その一片になるだけ早く着手し処理するのです。
問題を小さく切り分けるところまでは「エレファント・テクニック」と言い、有名な手法です。少しだけ解説します。エレファントとは象。"象をいっぺんにまとめて食べろ" と言われても不可能に近い、が、あきらめてしまっては象を食べられない。しかし一口サイズに小さく切り分けられればどうでしょう? 一口ずつ食べることができ、ゆくゆくは完食できます。先述の社長さんの口癖「ステップバイステップ」もそういう意味を指すのだと思います。
問題にもよりますが、一口(一日)サイズに切り分けられたら、なるべく早く着手することも大事と考えます。手を付けるのと付けないのとでは、問題との一体感が違います。寒風の中のプールを想像してみてください。たった片足をつっこむだけで、全身で温度感を確認でき、プールとの一体感が生まれます。
一体感という表現を用いたのには理由があります。それは問題を悪者にせず、味方という観点、味方という温かさをもつことがで、臨む姿勢を前向きに晴れ晴れとさせると思うからです。こんな言葉があります。
「まず何よりも、変化を脅威ではなく機会としてとらえなければならない」
by ピーター・ドラッカー(アメリカの経営学者)
「大きく行き詰まれば、大きく道が開ける」
by 出光佐三(出光興産創業者)
そして問題の方も、解決されたがっています。
「問題は解決されるためにある」
by 中山素平(そへい)(日本興業銀行元頭取)
あなたの生活下におかれましても「カンタン」というアファーメーションがあなたを救ってくれるしれません。救われれば "そのとき" がチャンス(機会)となります。大きく道が開けます。中村天風氏は言われます。
「どんな場合にも慌てない人になるには、平素の言動を出来るだけ落ちついて行なうよう心がけるべきである」
「平素人生に活きる時に、つとめて明るく朗らかに活き活きと勇ましく活きる努力を実行すべきである。と同時に、この意味において私は、大いに「笑い」ということを礼賛する」
いっけんアファーメーションと関係ないように思われますが、アファーメーションも平素から行ってこそ、弱気の予防ひいては、問題が起こったときの瞬発力に違いが出ると考えます。
アスリートの世界ではよく「自分との勝負」という言葉を耳にします。自分との勝負とは、現実と自分との勝負、問題と自分との勝負 という意味で、「弱気が大敵」を指すのだと思います。「カンタン」というアファーメーションは人を大きくし、現実や問題を極小化させる必殺のアファーメーション。あなたの実生活にもお役に立てるかもしれません。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。