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「オメガ3脂肪酸」の盲点2

前回のつづきです。

 

前回はオメガ3系脂肪酸と青魚の違いを簡単にお話しました。オメガ3脂肪酸は大きくDHA」、「EPA」、「αリノレン酸の3種に分かれ、血液サラサラに貢献するのはDHA」と「EPAの2種であると。そしてαリノレン酸は体内でDHAEPAに変換される率は5%~10%であると。また健康油と話題になっている亜麻仁油やえごま油はオメガ3系脂肪酸と言われ、いくつかの脂肪酸が含まれる中、主成分(約6割)がαリノレン酸のため、そのように呼ばれるとお伝えしました。

 

本日はまず亜麻仁油やえごま油がなぜ健康油として取り上げられるようになったか?そこから見ていきます。2011年に発表された九州大学による大規模調査の結果がその理由と言われます。福岡県久山町の住民を対象に、オメガ3脂肪酸と、「サラダ油などに含まれていて、比較的よくとっているオメガ6脂肪酸」が体内にどのくらいの割合あるのかを調べたところ、「オメガ3脂肪酸の割合が多いと、突然死を引き起こす心筋梗塞などの死亡率が低い」というデータが出ました。これによりオメガ3脂肪酸が血液をサラサラにする効果があり、その効果が死亡率を低下させたと注目されました。

 

しかしその後にオイルの専門家:日本リポニュートリション協会代表の地曳直子さんらが「血中の脂肪酸のバランスと食習慣」を調べたところ、亜麻仁油やえごま油などのオメガ3系脂肪酸だけを摂っているだけでは上記のような効果(心筋梗塞などの死亡率の低下)が得られないことがわかりました。詳しく見てみましょう。

 

被験者650人中、「日常的にオメガ3脂肪酸を小さじ1以上を摂取しつつ、魚を週6回以上食べている19人」と「日常的にオメガ3脂肪酸を小さじ1以上を摂取しつつ、魚を週2回以下しか食べていない28人」の血中におけるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の割合(EPA/AA)の平均値を比べたところ、前者は0.81〜0.90で、後者は0.26〜0.29でした。その数値を先ほどの九州大学久山町研究によるEPA/AA比別に見た心血管疾患による死亡率データに当てはめると、なんと2.5倍という大きな違いがありました。

 

つまりどういうことか?

 

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取割合が「0,8~0,9:1(約1:1)」で、心血管疾患による死亡率が下げられるというわけで、亜麻仁油やえごま油を毎日(小さじ1杯)を摂取しても魚の摂取が週2回以下であれば、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取割合は「0,26~0,29:1(約0,3:1)」にしかならず、心血管疾患による死亡率を下げるに至らないということです。

 

なぜこんなことが起こるのか?

 

前回の記事でも申し上げたように、亜麻仁油やえごま油などの「オメガ3系脂肪酸」は、主成分がαリノレン酸で、αリノレン酸の体内におけるDHAEPAへの変換率が5%~10%と少ないからです。それに対し、青魚の摂取は、直接DHAEPAを摂取できるため、効率が全然違います。

 

私の職場の人らが亜麻仁油を毎日摂取しているのになぜか悪玉コレステロール値が下がらず、私が下がった理由もこれでおわかりいただけると思います。単純に私の摂取量が多く、その分体内でのDHAEPAへ変換率が多くなったためと考えられます。

 

最後にオイルの専門家:日本リポニュートリション協会代表の地曳直子さんのお言葉です。

「一部のマスコミやメーカーが、αリノレン酸EPADHAをいっしょくたにして『オメガ3』という大きなくくりで表現しているために、アマニ油をとれば魚を食べたのと同じ健康効果を得られると勘違いしてしまう人がいるのが心配です」

 

EPADHAの健康効果を得たいのなら、いちばん大事なのはオメガ3オイルだけに頼らず、魚をしっかり食べることです」

 

地曳さんが仰るように、亜麻仁油やえごま油 それ自体が悪いわけでも効果がないわけでもなく、それだけに頼り過ぎることの心配性を問うています。ついては、私はこれからもえごま油の摂取は続けます。

 

またEPADHAは、イワシやサバ、サケ、タイ、ホッケなど、脂ののった魚に多く含まれます。外食でも取り入れられるメニューのため、ぜひ日頃からそれらを摂取する習慣を(DHAEPAの摂取の王道として)身につけ、各種の病気の予防につなげていけたら最高です。

 

「オメガ3脂肪酸」の盲点2

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用・参考記事

www.jprime.jp