脳科学的に「頭がいい人」とは?
一般的に「頭がいい人」というのはIQスコアが高い人のことを指すと思います。それに対し、人の気持ちがわかり、気配りを利かせられる人をEQの高い人と言ったりもします。ただこれは私の勝手なイメージなので、人それぞれで感じ方は違うところです。
さて、そんなきちんとした定義のない「頭のいい人」に、脳科学者の茂木健一郎さんはズバリ脳科学的な見地から回答をもたれます。
「他人とうまくやっていけること」
これが脳科学的に頭の良さの本質とのこと。正直に予想外な回答です。なぜそうなのでしょうか?
他人との関係性は、人間にしか備えられない能力で、コンピューターの及ぶところではないというのがまずあります。そして他者との共存共栄で社会が形成されるため、自分の周りの社会への影響度が、そのまま自分の幸福度として返ってくることも挙げられます。つまり「生存」が生きる一番の目的とすると、以上の2点が「生存」においての頭の良さであり、ひいては幸福度の高さにもつながるということです。
茂木さんは記事の中で、イギリスの心理学者 チャールズ・スピアマン(1863〜1945年)の研究結果を引用されています。チャールズ・スピアマンは人間の多くの能力に共通しているものに「g因子」があり、この「g因子」が高い人はさまざまな分野で学力が高いことを統計的手法によって示されたそうです。そこで茂木さんは「g因子が高い= 地頭がいい」という公式が成り立つのではないか?と言われます。
また、その後の脳科学の研究により、先の「g因子」の高い人は「前頭葉の集中力の回路がよく動く」ことがわかりました。
ということは集中力を鍛えれば、ℊ因子も高くなるという相関も成り立つということで、茂木さんは集中力を鍛えるトレーニングに以下の2つを紹介されます。
● いきなりトップスピードでやる
● 雑音(ノイズ)があるところで集中する
この2点で前頭葉の集中力の回路は鍛えられるとのこと。
これらに加え、食事や体調、呼吸なども関係すると思いますので、あらゆる角度から自分なりの「集中力」をブラッシュアップさせていくことが大切に思います。
茂木さんの話しが私たちに勇気を与えるのは、そこに"後天性"があるからです。脳の前頭葉は中年や高年なら年々衰える分野です。しかし取り組み次第では年々鍛えられる分野でもあります。そのような観点から、私たちの生きる目的や希望、努力のしがいは「前頭葉」の老化を遅らせ、その活性化にあるといっても過言ではないと思います。
「集中力を鍛えることはℊ因子を高められる可能性を秘め、ℊ因子が高まれば、他人との関係性にも好影響を及ぼせられる」、そういうことだと思います。
脳科学的に「頭のいい人」とは?
「他人とうまくやっていける人のこと」
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事