「ノスタルジー」は未来への力
先日に私は次の記事を上げました。
人は誰しも孤独を感じるときはあります。一人のときも誰かといるときも・・です。そんなときは、思い出深い過去に浸ること(ノスタルジー)が、その緩和につながり、それが科学的にも証明されつつあるという話でした。
本日はその第2弾ともいうべく、懐かしさが生きる力、未来への力を生むという話をします。教えてくれるのは東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生です。瀧先生は10代のころから過去を懐かしがるタイプだったそうで、それがなんだか癒される行為ゆえ、その理由を解き明かすべく長年の研究テーマに掲げられたとのこと。
そのテーマが脳科学的にも明らかになってきていて、下の記事では現段階の情報が端的にまとめられています。詳しくは記事をご覧いただきたいのですが、私が印象に残った点は、過去を懐かしむために辿る脳内領域と未来の理想的な自分を想像する領域が共通領域にあるという点です。
実は私も過去を懐かしみ、ノスタルジーに浸るタイプの者です。それは単純にストレスを緩和させ、孤独感を和らげ、いい気分に浸れる実感をもつからです。実際にノスタルジーには、そのような効果があると瀧先生はおっしゃいます。
斬新なのは、未来への想像力まで育む可能性を示唆した点です。瀧先生は次のように言います。
「過去を振り返るときに使われる脳内のネットワークと、未来のプランニングをしているときに使われる脳内のネットワークは、かなり重複しているということがわかってきたのです。
具体的にいうと、過去の記憶を詳しく思い出そうとしているときには、脳のなかでも
このことから、過去を振り返るという行為は、同時に未来に向かって生きる力をつけるポジティブな行為ではないかと推測されるのです」
そしてこうも付け加えられます。
「興味深い話があります。肉体的あるいは精神的なショックで、記憶喪失になったという話はよく耳にするでしょう。あるケースでは、事故によって脳の前頭葉や側頭葉を損傷してしまった人が、過去の記憶を思い出すことができなくなっただけでなく、未来の自分自身の姿を想像できなくなってしまったというのです。
不思議な話に聞こえるかもしれませんが、このこともまた、過去に対する回想は、未来をつくり上げることに深くかかわっていることを裏づけています」
これまでは過去を懐かしむことは"後ろ向き"な扱いをされてきました。実際に現実や未来に目を向けず、過去の栄光に頼る人もままいらっしゃいます。しかしそういう方でも、頼れる過去があるだけ立派だと思いますし、その過去を活用する手立てが残されています。
過去を懐かしむ行為は、先述通り、ストレスの緩和や気分転換、認知症予防につながります。あとはそこにほんの少し、意志の力を加えるだけ。意志の力を加えれば自己充足感が生まれ、その充足感が、現実への活力、そこから派生する未来の理想の自分像を描きます。私はそのような脳内メカニズムを信じたい者です。
「ノスタルジー」は未来への力
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事