「ネガティブ思考」のススメ⁉
一般的にはネガティブ思考より、ポジティブ思考が勧められます。当ブログでも前向きな思考や考え方をいくつも紹介しています。しかし「モノは捉えよう」で、ネガティブ思考をしなければならない場面もいくつかあります。
よく経営者の格言(名言)等で、こんな言葉を見つけます。
「計画は慎重に、行動は大胆に」
また、大企業「京セラ」を創業した稲盛和夫氏の言葉はこうです。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」
つまり"イケイケドンドン"だけではただの向こう見ずで、成果に及ばないということです。これを実験で証明した人がいます。ニューヨーク大学およびハンブルク大学のガブリエル・エッティンゲン教授です。
実験内容を掻い摘むと、ときは1991年、肥満女子を25人集め、いくつかの空想的質問をしました。例えば「あなたは減量プログラムを終えたところです。今晩、一年ぶりに会う旧友と出かける予定です。友人が到着する間、あなたは何をしますか?」、また「ダイエット中のあなたは、なんとドーナツが盛られた皿を見つけてしまいました。あなたはそこで何をしますか?」などです。
その後にこんなことを聞きます。
「自分の空想はどれくらいポジティブ(orネガティブ)に思えましたか?」、また「ダイエットは楽にできそうと思いましたか?」、また「理想的な減量結果はクリアに目に浮かびましたか?」などです。
もちろん答えは大きく二分されます。ポジティブな空想を持った女子と、逆にネガティブな空想を持った女子です。
さて25人の肥満女子の(ダイエットに励んだ)1年後の結果はどうだったでしょうか?
なんとネガティブ派の女子の方が、ポジティブ派の女子より平均11kgも痩せたとのこと。なぜこんなことが起こったのでしょう?ガブリエル教授は著書「成功するにはポジティブ思考を捨てなさい」(2015年6月発売)でこう説かれます。
「人は夢を見ているうちに、実行に必要なエネルギーをなくしてしまうのだ。束の間の至福に浸り、心静かになり、無気力になってしまう。さらに、できる限りこの状態にいたいと望み、空想を引き延ばしてくれそうな情報に注意を向けることになる」
いわずもがな、現実を変えるのはイメージではありません、行動です。一般的にはポジティブ思考が行動を促すと思いがちですが、人は"いつでもできる"、もしくは"本気を出せばできる" と思っていることほど行動を先延ばしにします。これに"待った"をかけるのが「ネガティブ思考」、もしくは「悲観的な見方」です。
実際にダイエットを始めれば大袈裟な表現で、いくつもの"壁"が訪れます。先の例で言えば、目の前のドーナツやいくつもの誘惑物が現れる場面などです。しかしネガティブ派の人は、それを「想定内」と見られ、逆にポジティブ派の人は「想定外」となってしまうのだと思います。
先の言葉「計画は慎重に、行動は大胆に」や「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」の「計画は慎重に」と「悲観的に計画し」が、ポジティブ派の人はすっぽり抜け落ちてしまうのです。
つまりネガティブ派の人はネガティブゆえ、現実的に捉えられ、ポジティブ派の人はイメージで満足し現実的に捉えられないということです。ポイントは現実的な計画性の有無、それです。
いろいろなことにポジティブなイメージをもってしまう人は、現実性に欠ける傾向があるため、それを回避すべく「期限を敷く」「周りに公言する」「ネガティブ派の人を味方(パートナー)につける」などの対策が必要かもしれません。
「ネガティブ思考」のススメ⁉
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