なぜ「毎日」なのか?
2日前にお届けした記事「掃除の目的」はいかがでしたでしょか?
私はその記事で、掃除は「毎日」するほうが負担が少なく楽(らく)であることをお話ししました。あくまで私事ですので、1週間や1か月に1回の方が負担が少ないとお感じになる方は、その頻度で続けていただければけっこうです。
本日は仮に「毎日」継続したいと思われる方に、再度なぜ「毎日」なのかを深堀します。もちろん前回お話したように、1日とはいえ塵や埃は溜まりますし、腰の上げ方として、一番負担が少ないということは申し上げた通りです。
しかし実は他の観点もあるのです。それが
『掃除は「磨く」もの』
『「綺麗」なところを掃除するのが本当の掃除』
です。
2つとも同じことを意味しますが、掃除というのは綺麗になった状態を終わりとしません。それはあくまで第1ステージ。綺麗な状態をさらに「磨く」「磨き上げる」ことこそ掃除の神髄、第2ステージです。
これを教えてくれたのが掃除の神様と称される鍵山秀三郎さん(株式会社イエローハット創業者)です。鍵山さんはあなたもご存じかもしれませんが、経営者にとどまらず、50年以上に1日も休まず掃除を続けた掃除道の生き証人で「日本を美しくする会」の創設でもあります。
上記の2点はそんな鍵山さんのお言葉ですが、残念ながらどの著書で言われたのかを思い出せません。ですので私の記憶を辿るのみですが、私は当時(おそらく10年以上前)にその言葉を聞いて、彼の掃除道の凄みを知りました。
掃除は見た目が綺麗になれば、通常は終わりです。だから普通の人は「毎日」も掃除しません。する必要がないことが多いからです。しかし鍵山さんは違いました。彼は「心」を掃除したのです。ここが前回の大來尚順さんと共通するところです。
「心」磨きに終わりはありません。なぜなら人間は易きに流れる生き物で、毎日意識しないところでネガティブ情報に触れるからです。この「意識しないところ」というのがミソです。無意識に私たちは自問自答も含めネガティブ情報を潜在下に取り込みます。
掃除も同様で、見た目は綺麗でも必ず1日分は塵や埃は付きます。その1日分の除去が、1日分のネガティブ情報の除去です。
ではなぜ綺麗なところをさらに磨くことが、ネガティブ情報の除去になるのか?
私の推測ですが「習慣」を磨くからです。1日も譲らない姿勢が、ネガティブ情報や弱気を一蹴させ、すっきりした心持ちをつくり、そのすっきりとした心持ちを「今日」に向かわせます。
この姿勢、習慣力を鍵山さんはこう表現します。
「例外をつくらない」
このように考えると、大來さんも鍵山さんも掃除を掃除とだけ見ずに、「心」とリンクさせることで「毎日」の継続を可能にしていることがわかります。よく部屋の状態は心の状態と言われますが、そういうことです。
また"行動力"とか"人間関係を明るくする"とか、"職場で開口一番元気のよい挨拶"というのも、すっきりとした心(気持ち)があってこそ為せることで、その小さな積み重ねが「結果」をつくります。その小さな積み重ねは「習慣」が為し、その「習慣」は「毎日の掃除」からと私は解します。
●『掃除は「磨く」もの』
●『「綺麗」なところを掃除するのが本当の掃除』
この2点の姿勢で掃除に「例外をつくらない」ことを実践した鍵山さん。その歴史は50年以上です。到底私たちにそこまでのこだわり、情熱は湧きません。しかしそういう人がいることを念頭に置くだけでも、私たちの弱気退治は変わるのかもしれません。少なくとも私は彼の掃除道、彼の掃除哲学を励みに「毎日」を生きる所存です。
ということで、「毎日」とは言わなくても、1週間、1か月から、あなたも励みにされてみてはいかがでしょうか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。