「未来の自分」で今を生きる
以前に星渉さんの著書「神メンタル」という本を読みました。たいへん売れた本ですし、本の表紙もタイトルもインパクトがありますため、あなたもご存じかもしれません。
読んでみると確かに論理的で、これまでの成功哲学が現代風に整理されています。今までにそういった本を読んでも釈然としなかった人も"そういうことだったのか"とひざを打つ瞬間が訪れるかもしれません。
さて私がこの本を読んで一番"神メンタル"と思った箇所はどこでしょうか?
それは次の言葉です。
「何でも上手くいく人は、未来の自分で今を生きている」
一見「?」と思いますが、要は未来の自分になり切って、未来の自分の心持ちで生きるということです。
特に真新しくはないでしょう。古典的な成功哲学でも、世の成功者と言われる人も、ときおりそのようなことは言われます。あなたも見聞きしたことはあるかもしれません。
著者の星さんはそのためにいろいろな方法をレクチャーされますが、その中に自分の理想像の「画像を集める」というのがあります。この集める画像の数が驚きです。星さんは何枚を勧めると思いますか?
「最低でも30枚以上」
私はときどき思います。どの分野でも(それが仕事でなくても)、うまくいってる人は「画像を最低でも30枚以上集める」レベルのことを一つや二つはやっているのではないかと。口に出さないだけで、目に見えないだけでやってる人はやってるのではないかと。
意識的にやる人もいれば、いてもたってもいられずに触発的にする人も、それはさまざまでしょう。しかし星さんはさらっと「集める画像数は最低でも30枚以上」と言うのです。もしあなたが理想の自分を描くときに、画像を何枚集めますか? 最低でも30枚ですか? 私はおそらく10枚前後になる気がします。
私が本記事で申し上げたいことは、「未来の自分で今を生きる」と言葉で言うのは簡単ですが、心底からそのような心持ちになるには、一般的なレベルを超えないといけないということです。それも自然発生的に…です。だから"やりたいこと"を推奨する人が多いのだと思います。"やりたいこと"なら、自然発生的に行動するからです。
話しが脱線するようですが、数年前まで個人投資家として有名だった方に竹田和平さんがいらっしゃいます。竹田さんはもともと「タマゴボーロ」というお菓子で有名な竹田製菓の社長だったのですが、それから104社の上場企業の大株主として名を馳せ、晩年は人材育成のため「まろわ問答講」を主宰されました。(残念ながら2016年にお亡くなりになりました)
その竹田さんは先の人材育成の一環で「ありがとう百万遍の和運動」というのをされたのですが、どういう運動かわかりますか? 文字通り "ありがとう" を百万遍唱える運動です。もちろん百万遍もできません。しかし3000回は唱えられるのです。竹田さん曰く「1日3000回を唱え始めたら、しあわせがついてくるくるの状態となり、やめられなくなった」と本で述懐されています。
私はその話を聞き、竹田製菓時代も、投資家時代も、けた外れなことを人知れず、自然発生的に行ってきたことを垣間見た気がしました。そしてそれは竹田さん以外に、どの分野でも「結果」を出している人は大方 皆そうなのだと思います。
しかしけた外れなことを俗に言う"努力"で行うことは苦痛です。だから"好きなこと""やりたいこと"に自分を向かわせる必要があります。しかしいきなり向かわせてもお金にならず、失速することは目に見えるため、やはり休日やオフの時間に少しずつ始めるのがいいのだと思います。
話しを星さんに戻します。星さんは「未来の自分」で今を生きれば、手段は勝手に見えてくると言います。ですので手段や方法を見つけることは考えなくてよく、まずは自己イメージを「未来の自分」に定着させることが先決で最優先とのこと。このことを次のように言っています。
『あなたが実現したいことを実現する手段は「考えて作るもの」ではなくて、「自動的に見つかるもの」なのです』
私たちは身近なダイエットでも何でも、まずは方法や手段を考えてしまいがちです。しかしそのエネルギーを「画像を最低でも30枚以上集める」ことに費やした方がいいのかもしれません。
「未来の自分」を今にありありともってくる方法を探さずに(すなわち画像を最低でも30枚以上集めることをせずに)、目的達成や目標達成の方法ばかりに目を向かわせるのはナンセンスなことかもしれません。私はそれを「神メンタル」を読んで改めて思い知りました。竹田さんのお言葉からも「アファーメーションは100回や200回は序の口で、3000回でようやく沸点(目に見える)」と言われる気がします。
画像を30枚以上集めることは、やろうと思えば単純作業の積み重ねです。"ありがとう"を3000回唱えることも同様です。しかし私たちは(おそらく)していません。それは「未来の自分」で今を生きることの重要性を心底から認識していないからだと思います。
本記事は "それをこれからは改めてみませんか?" という提案です。また私自身の戒めです。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考文献
星渉著「神メンタル」