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「マシュマロ実験」

先日の記事「優柔不断は悪くない!?」で、脳科学者 中野信子さんが前頭前野で働く「自制システム」の重要性、ならびに人間性を重んじられているという話をしました。その中野さんが「自制システム」を重んじられる背景に、有名な「マシュマロ実験」の結果があることもお伝えしました。本日はその「マシュマロ実験」をもう少し洞察します。

 

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1970年ごろに、スタンフォード大学の心理学者 ウォルター・ミシェルらは子供の我慢強さを調べるため、4歳の子供を1人ずつ部屋に入れました。そしてマシュマロを1個置き "食べたいときに食べてもいいが、15分我慢したらもう一つもらえる" と言って部屋に子供を残します。

 

すると、すぐに食べてしまう子もいれば、他のことで気を紛らわせて食べたい誘惑に勝ち、マシュマロを2個手にする子供もいました。

 

その後何年か経って被験者を追跡調査したところ、"我慢できなかった子" に問題行動の事例が多いことが確認されました。また15分間我慢できた子らは、30秒で食べてしまった子らに比べ、大学進学適性試験で平均210点も高い成績を取ったことも判明。

 

さらに23年後の彼らが45歳になったとき、彼らが就いている仕事(職業)を調べたところ、15分間我慢できた子らの方が明らかに社会的地位の高い仕事に就いていたことがわかりました。

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いかがでしょうか?

 

このマシュマロ実験以外にも、あまり知られていない実験も種々あるそうですが、それらの結果も同様の結果となり、中野さんだけでなく、いろいろな学者や専門家が「我慢強さや自制心、自己コントロール力」と「社会的成功」を因果付けます。

 

 

しかし2018年ごろに、それらの因果付けを否定する説も現れました。それが「親の年収や家庭環境」と「社会的成功」の因果付けです。この説は、子供にもともと自制心や我慢強さが備わるのではなく、親の年収や社会的地位、家庭環境の豊かさがそれらを産む原因になるという説です。

 

この反論が導かれた背景に、貧乏な子は将来の約束を破られる体験を持ったり、目の前の食事やお菓子が時間を置けば途端になくなってしまう体験を持ったこと等が挙げられます。また逆のアプローチで裕福な家庭に生まれた子は、将来の約束が守られる体験、我慢すればよりいいものが与えられる体験を持ったこと等が挙げられます。

 

しかしどちらにせよ、私たちは過去に戻れませんし、今さら親の年収や育った家庭環境を顧みても仕方がありません。今できることで現在と未来を変える術(すべ)、それこそ "やりがい" で "生きがい" です。

 

今できることで現在と未来を変える術(すべ)とは?

 

私は「将来への期待」だと思います。マシュマロ実験で15分間我慢できた子は、それまでの体験値から、我慢が苦にならなかったのだと推測します。すなわち "15分間我慢したほうがお得じゃん" という心境です。

 

「金持ち喧嘩せず」という言葉があります。お金持ちは社会的地位も高く、やるべきことも明確化されているため、喧嘩をすることは自分の立場やこれからのために得策ではない、"喧嘩は損" と瞬時に判断します。要は将来(未来)があって、目の前の喧嘩の損得を割り出せるのです。

 

「マシュマロ実験」も同様で、将来があって目の前の我慢の損得を割り出せれば、「我慢や自制、自己コントロール」は必要最低限で済みます。

 

繰り返します。

 

「将来への期待」

これが「我慢、自制、自己コントロール」を不要、もしくは最低限にする鍵を握ります。そのためには「自分の好きなもの」「自分の大切なもの」を明確化することが肝要に思います。すなわちそれら以外は、大いに負けてもいいと戦略です。

 

例えば子供が生まれたばかりのご主人。子供の笑顔が何より生きがいだった場合。上司の理不尽さや、満員電車、おこづかいの制限など、「子供の笑顔」をもってすれば、よしなに対応できるでしょう。

 

「子供の笑顔」という拠り所があれば、その拠り所は「余裕」を生みます。その「余裕」で、上司の理不尽さや満員電車等の対策も冷静に考えられます。早く起きて満員電車を避けるとか、上司への敵対心に蓋をし、戦略的にお世辞やおべっかを使うなど、俗に言う「褒め殺し作戦」など。

 

もちろん「子供の笑顔」だけでは弱いかもしれません。ですから「子供の笑顔」以外にも、大切なものをたくさん持つのです。それらの大切なものを汚さないことが、イコール「将来への期待」です。

 

マシュマロ実験では、遮二無二(しゃにむに)我慢した子もいるかもしれませんが、理想は "15分間我慢する方が得" と素直に思えることです。さすれば、我慢が苦でなくなります。ではなぜ我慢しない方が得なのか? それは我慢には意志力(ウィルパワー)を使うからで、その意志力(ウィルパワー)は有限だからです。

 

つまりはその有限の意志力(ウィルパワー)を自分の優先順位の高い「自分の好きなもの」「自分の大切なもの」に充てられるから、"得" なのです。

 

繰り返します。

 

本当の "得" というのは、自分の限られた意志力(ウィルパワー)を自分の中の優先順位の高いものに充てられることを言い、その様(さま)を「将来への期待」と位置付けます。

 

逆も考えましょう。どうでもいいことに意志力(ウィルパワー)を分散し、大事なことにそれを充てられなければ・・・どういう将来が待ち受けるでしょう?

 

自己分析をもって、行動をもって、「自分の大切なもの」「自分の好きなもの」を作り育むことが、日々の私たちのストレスマネジメントを有効化させます。ストレスが少なければ、ますます意志力(ウィルパワー)は無駄遣いせずに済み「自分の大切なもの」「自分の好きなもの」に充てられます。まさに好循環。

 

「マシュマロ実験」

15分間我慢できなかった子は、15分後が見えていません。15分後を信頼できていません。言い換えれば視野狭窄。すぐに怒ったり癇癪(かんしゃく)をもつ人も同様です。

 

「自分の好きなもの」「自分の大切なもの」

それらへのフォーカスが15分間の我慢を容易にさせます。言い換えれば視野拡張。
"15分間我慢したほうがお得じゃん"  我慢が快感に変わるかもしれません。

 

守り抜いた意志力(ウィルパワー)は、揚々と「自分の好きなもの」「自分の大切なもの」に充当し、明日を、明後日を大きくしましょう!それが「将来への期待」

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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