幸福は主観「オキシトシン」
脳科学者の中野信子さんがセブン-イレブン限定書籍として次の本を出されたそうです。
中野信子著「引き寄せる脳 遠ざける脳」(2020年10月発売)
出版社はプレジデント社で、プレジデントオンラインに本書の一部を再編集した記事があります。私はその記事を読み、以前から中野さんが言われていたこととはいえ、改めて深く納得しましたため、本日はその内容をお届けします。
結論、「主観で物事を選んでいい」、「主観で物事を選ぶべき」ということです。
組織の中では客観的な判断、客観的な行動が大事になりますが、プライベート事にそれは不要です。なぜならあなたが幸せになって周りの人も幸せになり、周りの幸せがあなたの幸せへと返るからです。この好循環を人の数だけ行うことが、世界平和とつながります。世界平和とは大袈裟に聞こえますが、理屈ではそうなります。
ところであなたは内向的な方でしょうか? それとも社交的な方でしょうか?
中野さんは一見社交的で多動的な人を幸せのように扱い、家で一人で過ごす"ぼっち"好きは、不幸せのように思われる節(ふし)を否定されます。なぜならどっちもどっちだからです。どちらがいいとかどちらが正解の問題ではなく、幸せホルモンと呼ばれる"オキシトシン"が分泌されるかどうかが判定基準だからです。
学校教育のペーパーテストでは、正解が求められました。ですから正解にいち早く辿り着ける人が優秀とされ、そうでない人は"がんばりましょう"の扱いでした。それが社会に出てもどうしても尾を引き、会社や組織でもそれが求めら、高度経済成長モデルではそれが奏功する面もありましたが、現代ではなじめない人が増加しているといいます。
この「正解」を求める姿勢は、仕事の話に限りません。どんなことにもです。例えばSNSを始めれば"フォロワーを増やさなくてはいけない"とか、ライフスタイルで言えば "引きこもりはよくない" "結婚しないといけない" などです。
この"ねばならない"という暗黙のルールに縛られることを、私は「正解」を求める姿勢と定義します。中野さんのお話を見てみましょう。
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脳科学の観点で見ると、「幸せを感じる」という営みは、脳と体が絶えず行う相互作用に過ぎません。
そのとき、脳で分泌される神経伝達物質である「オキシトシン」の作用が、幸せの感情をもたらすことが明らかになっています。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、まだそのすべてが解き明かされていない“謎多き物質”ですが、幸せのカギを握るたくさんの可能性があるとわたしは見ています。
そして、人の「幸せ」についての考え方は主観的なものであり、ひとつのものさしで測ることはできません。
見る人から見れば、たとえバカ騒ぎとしか思えない振る舞いでも、当の本人たちは仲間とわいわい騒ぐことで「みんなから愛されて幸せだ」と感じ、それによってオキシトシンがたくさん出る人もいるわけです。
その一方で、ひとりきりの空間で心地良い服を着て、自分の好きな音楽を聴きながらリラックスすることで、オキシトシンが分泌される人もいるでしょう。
人それぞれ好みもちがえば、オキシトシンが出やすい環境もちがうということ。「あの人はいつも“ぼっち”でかわいそう」などと、一概にはいえないわけですね。
幼少期に培われた人間関係のなかで、愛着の対象や自分自身のことをどう思っていたかによって、幸せの価値観もそれぞれちがってくるのです。
(PRESIDENT Online 2020/11/03 9:00より抜粋)
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自分の幸せの価値観に沿って生きることの大切さを、幸せホルモン(オキシトシン)を用いて教えてくれます。お酒も同様です。無理をして飲めば、がんのリスクを上げるだけで、遺伝的にも遺伝に則した生き方が大切であることを科学が証明しつつあります。
なぜ無理をしてでもお酒を飲もうとするのか? それが「正解」を思ってしまうからでしょう。周りと合わせることが「正解」だと思い、その正解グセから抜け出せないのです。
しかし社会や組織においては、多少は致し方ないことも理解できます。私も気の乗らない飲み会に何度と参加しました。納得のいかない指示や叱責にも抵抗しませんでした。
が、本記事はプライベートについてです。プライベートくらいは自分の主観や価値観を尊重し、自然な心持ちで過ごされてはいかがでしょうか。また自然な心持ちと思っていても、実は周りに刷り込まれた「正解」という可能性もあります。そうであるなら今一度ゼロベースで振り返る必要があります。
幸福は主観「オキシトシン」
自分を抗っても、抗った世界であなたが必要とされる保障はありません。むしろ不自然な感じをさとられ、イマイチな反応を示される方が多いのではないでしょうか。
いい意味であきらめて、もっと「自分」を大切に生きる、その姿勢が自然と周りと協調できる余裕につながり、心からの人間関係もそこに帯びてくるのだと思います。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考記事
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