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「筋トレ」とがん死亡リスク

本日はずばり、筋トレががんの死亡リスクを下げるという話をします。2021年6月に発売になった本に次があります。

佐藤典宏著「がんに負けないたった3つの筋トレ」

 

佐藤さんの肩書は産業医科大学第一外科講師です。経歴として2001年から米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に留学し、がんの分子生物学を研究、すい臓がんを中心に1000例以上の外科手術を経験しがん治療認定医の資格を取得。ブログは「がんをあきらめない人の情報ブログ」を配信されています。つまりは、がんのスペシャリストの一人です。この本の中にもエビデンスとして参考文献が細かく列挙され、文中にもさまざまな科学的根拠を引用されています。

 

結論から申し上げます。「週1回以上の筋トレで、がん患者の死亡リスクが33%減少する」です。この結果は2014年にアメリカで実施された研究に基づきます。2863人のがん患者にアンケートを取り、運動について大規模な調査を行いました。その結果が先の死亡リスクが33%減少するというものです。その他にも国内外の多くの研究でがん患者の筋トレと治療経過の因果関係が証明されています。

 

ではなぜがん患者が筋トレをすると、治療経過が良好になり、長生きできるのか?

 

この答えは逆から考えた方がわかりやすいです。がんになると自然と筋肉量が減り、筋肉量からもたらされるメリットを享受できなくなるからです。筋肉量が減る要因は佐藤さんは次の3つを挙げています。

 

・運動不足

たんぱく質の摂取不足

・がんに伴う炎症・代謝の異常

 

運動不足は、入院すると自然と行えなくなります。入院しなくても、周りの人が気遣ったり、自身が気落ちしたり、そもそも運動や筋トレは悪影響なのではという思い込みが先に立つことが要因です。

 

たんぱく質の摂取不足は、抗がん剤治療による副作用で食欲が低下したり、手術によって胃や腸の機能が低下することが要因です。また消化器系のがんでは消化不要や吸収障害が伴うことがあり、栄養がきちんと吸収されないこともあるそうです。

 

がんに伴う炎症は、一過性ならいいのですが、慢性炎症になると問題です。慢性炎症は狭心症心筋梗塞、糖尿病やがんの原因となると同時に、がんがそれを悪化させます。体に炎症が起こると血液中に炎症性サイトカインという物質が分泌され増加します。それがたんぱく質の合成を抑制したり、筋肉中のアミノ酸の分解を促進させ、結果筋肉量の減少につながります。

 

がん患者が筋トレを行えば、上記3点の進行を食い止めることに一役買えます。しかしそれだけではありません。筋トレを行うことでプラスのメリットも享受できます。それが次の3点です。

 

・免疫細胞が活性化してがんが治りやすくなる

・筋肉から放出される物質ががんを抑制する

・がんを誘発する高血糖の抑制に役立つ

 

それぞれの解説は割愛します。当ブログではこれまでも、筋トレと健康効果についてさまざまに語ってきましたが、改めて精神論や根性論ではなく、科学的根拠をもって健康に役立つということを知っていただければ幸いです。

 

佐藤さんは同書で筋トレががん以外にも役立つか?という質問にこう答えています。

 

・心臓病や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を防ぐ

・加齢による運動不足が招く虚弱状態を防ぐ

骨粗しょう症(骨密度が低下して起こる病気)を防ぐ

アンチエイジング効果

 

つまり筋トレのメリットはがんに限らないということです。実際に65歳以上の高齢者を対象に筋トレと死亡率の関係を15年間追跡したアメリカの研究があります。それによると、週2回以上に筋トレを行えば、それ以下の人よりも全死因における死亡リスクが36%低下できることがわかっています。また11年の研究に携わった37万人超の追跡調査でも筋トレと生存率のデータは揺るぎないものとなっています。それらを踏まえ、医学界の見解はこうなっているそうです。

「がんに限らず筋トレを行う人は、すべての死因による死亡リスクが約20%低下し、筋トレと有酸素運動を組み合わせると、約40%低下する」

 

健康のために筋トレをするもよし、精神や根性を鍛えるためでもよし、両方のためでもよしです。最後に私から大事な点を総括します。冒頭で申し上げたがん患者の死亡リスクの低下ですが、「がん患者」というワードに注目してください。実際にステージを問わず、がんを患っている人でさえ、それ以降の治療効果に好影響を与えたわけです。であるなら、がんを患っていない人なら、なおのこといわんやです。

 

何事も病気やケガを患ってからの努力より、患う前の予防としての努力の方が何倍も効果を発揮することは語るまでもありません。その論は病気やケガにとどまりません。借金を背負ってからの返済の努力より、借金を背負わずに貯金をする努力の方がどれだけ貯まり、どれだけ時間的・精神的余裕が作れるでしょう? 人間関係のトラブルを起こしてからの修復より、起こさないための予防の方がどれだけ可能性を広げられるでしょう?良好な人間関係でしかできないことはたくさんあります。

 

しかし起こったら起こったで、前向き思考です。「雨降って地固まる」ということわざがあるように、トラブルが起きなければ起こり得なかったプラスの出来事というのもきっとあるはずです。そこに目を向けてがんばるのみです。

 

いずれにしても、もしあなたが現在、がんを患っていないなら、わざわざ患うメリットは何もありません。患う前に予防という形、そして患ったらできない健康体でしかできない世界へ思いを馳せることが大切です。

 

私も普段の何気ない日常に感謝の念をもつことが多々あります。もしかしたらこの時間は「奇跡」なのではないか、「ふだんの努力の結晶」なのではないか・・と。幸せという感覚はさまざまありますが、その一つに何もせずボーとすることもあると思います。

 

投資でも値上がりしているときは投資はしやすいです。しかし誰も見向きもせず、それでも値上がりするという可能性を見つけ、そこに実際に投資ができる人は極めて少数です。それと同様に、平時の健康体におき、運動や筋トレの必要性を認識し、「予防&さらなる可能性」に突入できる人はごく少数だと思います。

 

しかしこのブログを読まれているあなたは、ぜひその少数に入っていただき、自分の人生を「予防&可能性の拡大」に突入せしめていただければと願います。私も引き続き頑張ります。

 

「筋トレ」とがん死亡リスク

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。