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「気にしなくなる」コツ part2

前回の記事「気にしなくなるコツ part1」はいかがでしたか?

今回はそのpart2です。前回と少し違う観点でご提案します。

 

結論から申し上げますと、イヤな出来事に遭遇したとき、イヤなことを言われたとき、イヤな対応をされたとき、瞬時に受け流せばいい ということです。受け流すというのは、いなす や かわす、という言葉に置き替えてもけっこうです。

真正面から受け止めたり受け入れれば、それはストレスになります。そうではなく「かわす」「いなす」「受け流す」です。要は相手にしないということ。

 

あなたが歩幅の狭い歩道をふつうに歩いていたとき、前方から猛スピードで自転車が走ってきたとします。あなたは避(よ)けますか? おそらく避けますよね。ただ瞬間に "なんてあぶないんだ!" とか "歩幅が狭いんだから、徐行だろ!" と怒りが湧くかもしれません。しかしその怒りを1時間後も3時間後も抱えますか?

 

そうです。私たちは生きている以上、他社の行動は制限できません。コントロール外です。ですから他社の行動を考える時間はナンセンス、あなたの大切な「人生」という名の時間を無駄に捨てることと同じです。

 

人からの言動も同様にコントロール外。どうしようもありません。そんなものはまったく相手にしないに限ります。それが「かわす」「いなす」「受け流す」です。


ところであなたは掃除道を30年以上に渡り貫いた鍵山秀三郎さんをご存じですか?株式会社イエローハットの創業者でもあります。その鍵山さんがこんな名言を紹介します。


「終身路を譲るも、百歩を枉(ま)げず」

by 新唐書 朱敬則傳

 

「枉げず」とは「超えない」という意。生涯 人に路を譲っても 百歩の距離を迂回するわけではない。それほどわずかなことだから、こちらから譲べきだという訓えです。

 

なぜ鍵山さんはこの言葉を大切にされたのでしょうか? その理由を伺います。

 

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私も、譲れることはできるだけ譲るようにしてきました。譲ることは、私が心がけてきた大事な信条のひとつです。そんな私に譲ってばかりいたらいつまでも人に先を越されてしまう、と心配してくれる人がいます。そんなことはありません。譲れることは譲ったほうが、逆に早く目的を達成できるものです。自分を守ろうとすればするほど、人は動いてくれません。私の場合、譲りきったら人が動いてくれるようになりました。

 

このことは、今までの私の人生で、幾度となく体験し痛感してきたことです。 我を張り、人から物を奪うような生き方をしている人は、信用を失うばかりでなく必ず晩節を汚します。

 

by 鍵山秀三郎著「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」から抜粋

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私はこの鍵山さんの「謙譲道」に深く感銘を受け、それ以降怒りや不満が湧くたびに "ま、いいか" と受け流すようにしてきました。本記事で提案する「かわす」「いなす」「受け流す」はその譲る行為をイメージ化しただけのこと。私よりずっと長い人生を歩まれる先達が自身の後ろを振り返り「逆に譲る方が目的達成の近道」と仰る点は驚きとともに処世術と心得ます。

 

しかしこの「謙譲道」にはポイントがあります。その点も鍵山さんは触れられます。

 

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しかし、できるだけ譲るようにして生きてはきましたが、ある一線を超えたら一歩も譲らないようにしています。一歩も譲らないのは、私個人の利害からではありません。これを譲ったら社員が幸せにならない。相手にもよくない。この二つが、譲らないときの私の判断基準です。

 

by 鍵山秀三郎著「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」から抜粋
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 すなわち「自分事ならいくらでも譲るが、他人事なら話は別、譲るわけにはいかない」ということ。これはとても大事な点で、本記事の一番訴えたい点かもしれません。と言いますのも、この譲れない一線を設けることで初めて譲ることが容易になるからです。この線があいまいだったり、そもそも線を引けてなければ、実際にやってみたらわかるのですが、潔く快く譲れません。

 

私は社員を抱えているわけではありませんが、私の大事(好き)な対象の阻害要因にならないところで線を引きます。よって私の場合はほとんど阻害要因になるケースはなく、受け流していいことばかりです。

 

そしてもう一つコツがあります。それが「受け流した瞬間、大事(好き)なことにフォーカスする」です。これは前回の記事と同様で、自分が大事(好き)と思っている対象との一体感や育みこそ、人生の生きる意味という視点です。

 

本記事をまとめます。

 

1.譲れない一線を設ける

※イヤな出来事に遭遇したとき、イヤなことを言われたとき、イヤな対応をされたとき、

2.「かわす」「いなす」「受け流す」₌「譲る」

3.瞬間、大事(好き)なことにフォーカスする

 

そして、4点目があるとすれば「大事(好き)なことへの行為(行動)」です。

 

私も実践途上ですが、ストレスマネジメントとしては、本当に有効です。そして実戦しながら自分より何倍も、何十倍も失意に落とされながらも、自身ならびに会社を立派に育てあげた鍵山さんの処世術を心得ます。

 

ぜひあなたの生活下におかれましても、鍵山さんの「謙譲道」を取り入れてみてはいかがでしょうか?あなたの人生に遺す大事(好き)なことのみ譲れない一線と設け、それ以外はすべて譲っていいと考える、時間の無駄を省くべく「かわす」「いなす」「受け流す」の実践。ちっぽけなプライドより大事(好き)なことの実現、その向こう側の利他への想い・行為、そんな果てない世界こそあなたの本来の舞台です。

 

鍵山さんにとって大事(好き)なこととは、自身ならびに会社を立派に育て上げる一点にあったのだと推測します。自分が譲れば事がスムーズに運ぶなら、譲るにこしたことはない、そういう考えだったのでしょう。実際譲られた方もその潔さや懐(ふところ)の深さを粋(いき)に感じ、好意を持つこともあったということ。

 

自分事ならどんどん人に譲る、悪意を持ってけなされても、イヤな対応をされても、譲ることで、逆にその行為を止められるなら譲ることが得策です。ただしケースバイケースで、きちんと短く強く注意を施したことがいい場面ももちろんあります。しかしそのときも心に「謙譲道」を持てば余裕が生まれ、冷静に対処できるというもの。

 

本当に大事なことは極わずか。それ以外は「柳に風」のごとく、しなやかに「かわす」「いなす」「受け流す」、瞬間大事(好き)なことに目を向けフォーカスし、達成・実現に思いを馳せ、その向こうにある利他への想い・行為まで思考を巡らす、そんな世界があなたを癒し救います。

 

最後に「大事(好き)なこと」は、大小問わず多ければ多いほどよいです。その大事(好き)なことの実践は次の大事なことを引き連れます。どんどん脈が広がります。その脈を追うことが人生で、その途上で利他の実践が自然と足跡として残ります。なぜなら大事なことの人生(一日)は、あなたの気分をよくし、気分がいいだけで利他行になるからです。

 

謙譲道には譲ることでしか得られないもの、譲ることで初めて得られるものがきっとあります。それは私たちの人生をかけがえのないものにしてくれるはず。私はそれを信じます。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

引用文献

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