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ジョブズの意外な言葉

2020年9月に発売した桑原晃弥さんの著書「世界最強の現場力を学ぶトヨタPDCA」という本に、スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)の意外な言葉が紹介されています。

 

「ある問題を検討し始めて、それがとてもシンプルだと思ったなら、君たちはその問題がいかに複雑かを理解していない」

by スティーブ・ジョブズ

 

トヨタでは真因がつかめるまで「なぜ?」を繰り返せと言われます。よく5回と言われますが、5回はあくまで目安で、「真因が見つかるまで」というのが実際みたいです。

 

さて、上記のジョブズの言葉はなぜか私の現在の心に突き刺さりました。私は現在仕事で新規事業のマニュアル作りをしています。会社では他に仕事も振られるため、週1くらいで在宅ワークとして仕上げているところです。

 

マニュアルはPowerPoint(以下パワポ)で作っていますが、実は私はこれまでパワポをあまり使ったことがなく、どのような構成でどのような手順が最短か?というのが大所高所から見えないまま着手しました。よってかなり手間取り、何度もやり直し作業をした箇所も多くありました。作業工程はもう後半~終盤ですが、今後も最後まで手を抜かず、なんとか期限までに、いや期限の1週間前には終わらせるつもりです。

 

私のパワポ作業で申し上げたいことは、経験不足ならその分何かしらの(大小の)トラブルがあると見越し、かなり多めに時間を取る必要があるということです。私はそれがわかっていたため、職場でもこまめに、在宅でも手を抜かず、よって現段階でなんとか期限に間に合う感じに進んでいます。

 

もしこれを経験不足にもかかわらず "なんとかなるでしょう" とタカをくくっていれば、能力の高い人ならわかりませんが、私のような凡人はかなり精度の低い、わかりにくいマニュアルになっていたことでしょう(まだ終わっていませんが)。

 

ジョブズの言葉に戻ります。

「ある問題を検討し始めて、それがとてもシンプルだと思ったなら、君たちはその問題がいかに複雑かを理解していない」

 

私のマニュアル作りとは次元も使い方も違いますが、言わんとするところは目先の原因を真因と思うのは早計という戒めです。木に例えれば葉は枝につながり、枝は幹につながっています。幹も根につながっています。目先の葉が好ましくないなら、何を改善すれば、長期的に簡単に葉を良好なものにできるか、それを考えるのがジョブズ思考ということです。

 

自転車のカギ穴が錆びて鍵が回しにくくなりました。潤滑油をさせば、カギは回しやすくなりました。しかし真因は雨天時も自転車を野ざらしにしたことにあり、できたら屋根のあるところに保管するというのがしかるべき対処です。

 

従業員のケアレスミスが目立ち始めました。"集中力が欠けている!"と一喝するのは簡単ですが、オーバーワークが原因で集中力が欠けたのか、雑多な作業を詰め込み過ぎて欠けたのか、従業員同士のチェック機能(Wチェック)を果たさなかったからか、いやいや、機械化(IT化)できるのにアナログを放置したためか・・・。

 

あらゆる角度から深堀し、結果、真因がつかめたとします。今度はその真因を横展開することも忘れてはなりません。一つのフローでの真因は、他のフローでの真因にも通ずることがあります。そして他のフローに当てはめた結果、また別の真因らしきものが見つかれば、また最初のフローにも当てはめてみます。

 

PDCAとはよく言ったもので、常に実行と改善を回し、その歩みに終わりはありません。トヨタが世界的な企業にのし上がったのにはきちんと真因があり、その大きな一つが「PDCA」です。

 

根を詰めすぎるのはよくありませんが、あなどるのもよくありません。神は細部に宿るといいますが、細部まで目を凝らせばタカをくくれる精神状態になれるはずがありません。プロスポーツ選手が練習を怠ることがあるでしょうか? 以前にNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル仕事の流儀」に、楽天創業者の三木谷氏が出演されていました。休む間もなくビル内のあちらこちらに準備されたプロジェクトごとの会議に分単位で参加されていました。そして会議ごとに問題点が報告され、それらの問題点をいったん持ち帰り、"明日までに解決策を考えます"とコメントされていました。

 

真因をつかむには、あらゆる角度から長期目線で根本的に深掘らないといけないため、目先だけで完結できる類(たぐい)ではありません。それをジョブズ氏は先の言葉に凝縮したのだと思います。ちなみにトヨタでも「ああ、そうか」が禁句になっているそうです。「ああ、そうか」は真因をつかむ前に試合放棄した言葉とみなされるからです。

 

とはいえ、実際は「やってみなくちゃわからない」という場面が多いと思います。それならば時間の見積もりを甘くせず、常にバッファーを設け、自然と炙り出される問題点を解決するのと同時に、根本的な本質をつかむ視点、それを横展開する視点が大事となります。

 

私のような一会社員は、真因をつかむといってもあまりにもちっぽけな世界のそれかもしれません。しかし仕事だけでなく、健康や生活全般にわたり、本質的な問題点を探る姿勢は、必ず実り多き人生につながると思いますし、それ以前に一日一日を楽しく前向きなものにしてくれると思います。ただ漫然と毎日を過ごすことは一見楽ですが、毎日の"手応え"からは遠ざかります。少なくとも私は"手応え"を快楽と思える人種のため、適度な"手応え"をいい感じの刺激と受け取り、毎日を謳歌したい所存です。

 

スティーブ・ジョブズの意外な言葉

「ある問題を検討し始めて、それがとてもシンプルだと思ったなら、君たちはその問題がいかに複雑かを理解していない」

 

あなたはいかがお感じになりますか?

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。