「自分に120%、人に60%」
先日紹介した藤田田さん著「ビジネス脳のつくりかた」からお届けします。藤田さんはマクドナルドを日本で広めた第一人者(日本マクドナルド設立者)で、昭和~平成時代に活躍した大富豪です。
藤田さんは言わずもがな、あらゆる組織のトップに立ってきた人物です。人心掌握や人間関係を渡る術は卓越していたことと推測します。
そこで著書「ビジネス脳のつくりかた」でそのヒントが垣間見えましたので、本記事で紹介します。まず次をお読みください。
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なかなか結婚しない女子社員を見ていると、100%の男を求めて高望みしていることが多い。背が高くて、金持ちのボンボンで、ハンサムで学歴があって、家があって・・と条件を並べ立てる。その条件をつけるほうはといえば、背が低く、短足で、デブでブスときている。
そういうことを棚に上げて、なぜ、100%の男を求めているのか、といいたい。だから、高望みしすぎている女子社員には、100%の男はいないから、6掛けにしなさい、とアドバイスをすることにしている。
60%よければ、よし、とすべきである。そんな境地になれば、短足のブスにも男は言い寄ってくるものだ。
相手を見て、この人は60%だな、と思うと、向こうもこっちを60%だと評価するものである。
なにも結婚相手だけを6掛けにしろ、というのではない。人生は自分の希望を100%達成できるものではない。6割いけば、まあまあいい、という感じである。7割いけば、上出来である。8割いけば感謝すべきである。
いいかえれば、人間は目的を6割達成すれば、我慢するべきである。8割達成したら、満点だと思うべきなのだ。そう思えば、それ以上いけば、感謝して生活する気持ちになる。やみくもに、感謝しながら生活しろ、といわれても反発するが、6割でよしとし、8割で満点だと考えれば自然と感謝の気持ちで生活するようになるはずだ。
(同書より抜粋)
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ここまでは私も納得するばかりで、特に真新しい内容ではありません。しかし次が違いました。
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ただし、私は、自分には120%の完全主義で当たるべきであると思っている。何事もぬかりなく徹底的にやること、いいかげんでは成功できない。
自分がつねに120%のきびしさをもっていれば、他人は60%できれば満点だという気持ちになる。100%の花嫁をさがしてもありえないように、100%の部下もありえない。60%で上等だ。
この120%と60%の呼吸が成功の秘訣である。
(同書より抜粋)
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いかがでしょうか。
相手を60%で良しとする秘訣は、自分を120%に置くことと言うのです。この考えは私にはありませんでした。次の2パターンの人は大勢います。
・自分に厳しく、人にも厳しい
・自分に甘く、人にも甘い
しかし第3ともいうべく「自分に厳しく、人に甘い」は、あまりお目にかかりません。
もっと突き詰めれば「自分に厳しいから人に甘くできる」ということですが、この考えが非常に斬新なのです。「60%でよし」は「自分への120%」があってこそということ。これは「自分に厳しく、人にも厳しい」方には、大いに参考になると思います。
誰しも自分が認識する努力の基準は異なります。それを自分の基準で人に当てはめるからおかしなことになるのです。相手はやりづらいと思いますし、プレッシャーにもなります。そうすればどうなるか? 相手は本心から忠誠を立てられず、やる気やモチベーションも湧かず、だからますます結果が出ず、また檄を飛ばされる・・・悪循環です。
「自分に120%、人に60%」
「勝てば官軍」のイメージが強い藤田さんから「部下や人への評価は6割で上出来」とは想定外で、そのギャップが私には斬新でした。
私も些少ながら、コールセンターのオペレーターを指導する立場にあり、営業職のプレイヤーでもあります。どちらかといえば「自分に厳しく、人にも厳しい」タイプと認識しますが、これからは「自分に120%、人に60%」の呼吸で、チームに好循環をもたらしていけたらと思います。
最後に藤田さんの「自分に120%」の中身の一例を紹介します。
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私は経営者として、私なりにつねに120%の努力をおこなっている。どんなときでもメモをとる、というのもそのひとつである。
人と会っているときは、かならずメモをとる。寝るときもベッドサイドにメモと鉛筆をおいていて、夜中にひらめいたりしたことがあったら、パッと電気をつけてメモをとる。そのまま眠ってしまうと、せっかくのアイデアもどこかへ消えてしまうから、逃がさないようにかならずメモをとる。
人生マラソンに勝つためには、それなりの努力はしているのである。長い人生マラソンで一瞬のおこたりは取りもどせるが、油断していれば取り返しがつかなくなる。いまの積み重ねが将来、生きてくるのだ。
(同書より抜粋)
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あらゆる成否は人間関係によるものが大きいと言われます。あなたもご存じでしょう。それならば相手を味方につけるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
「自分に厳しくするほどに、人にやさしくできる」
「自分に120%、人に60%」
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。