"今"会いたい人に会う価値
2020年3月29日にコメディアンの志村けんさんが急逝しました。死因は新型コロナ感染による肺炎。この件からか、喫煙者の感染が禁煙者のそれより重症化しやすいといった報道も見かけるようになりました。
私は現在39歳、小学生の頃から志村けんさんにはお茶の間でお世話になった世代です。私もお笑い好きのため、毎週放送されたバラエティ番組「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」は家族で観てましたし、特番「志村けんのバカ殿様」や「ドリーム東西ネタ合戦(2019年まで出演)も楽しませてもらっていました。
そんな志村さんの急逝に、ある大物芸人がこんなコメントしました。
「一度で良いから一緒にお酒を飲みたかった」
おそらく本心からでしょう。そしてよく耳にするセリフです。
しかし私は瞬間、以前に読んだ我武者羅應援團(がむしゃらおうえんだん)団長 武藤貴宏さんのある言葉が脳裏に飛び込みました。普段から意識していることではあったのですが、いつにもましてその言葉の重みが伝わり、ぜひこの機会に武藤さんの心の叫びをあなたにも知っていただきたいと思い、紹介します。
ちなみに我武者羅應援團とは「気合と本気の応援であなたを熱くする」という志のもと、2007年に結成、AKB48選抜総選挙やNHK紅白歌合戦、CM「パズドラ」「ブックオフ」等に出演、今も方々で活躍中です。
※ gamushara-oendan.netより転載
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もし僕が100歳まで生きたとしても、あなたと過ごした時間が1週間だとしたら、あなたの中での「僕の寿命」は1週間でしかない。あなたと僕が過ごした1週間。それがお互いにとっての命の長さ。僕が80年生きようと、あなたが100年生きようと、その関係は変わらない。人との付き合いについて、僕はそんな風に考えている。
テレビのワイドショーなどで、誰かの葬儀の場面が映ると、喪服を着た大勢の人が参列し、涙を流している。そして「もっといっしょに過ごしたかった」「もう一度会いたかった」と口々に語っている。その思いがウソだとは言わないが、本気でそう思うなら「今、会いたい人」のところへ行けよ、と僕は思ってしまう。
自分の人生も他人の人生もあなたが想像している以上に短い。「人生は明日終わってしまう」かもしれない。本当にそうなのだ。それなら葬式になど行ってないで「今、会いたい人」のところへ行って、思う存分話をしたり、抱き合ったりするべきではないか。僕は本気でそう思う。そう思うようになってから、僕は葬式にはほとんど行かなくなった。
会いたい人には、今、会いに行く。
その時間のほうが大事だからだ。
僕が死んだとき、葬式に来てくれるという人がいるなら、ぜひ今のうちに会いに来てほしい。そうやってお互いの「命の長さ」を延ばし、いろんな話をして、お互いの熱を感じ合いたい。
あなたにも「会いたい人」がいるはずだ。その人が亡くなったとき「ひと目でいいから、もう一度会いたかった」と涙を流すような、大切な人がいるはずだ。そう思うなら、ぜひ今すぐ会いに行って、お互いの「命の長さ」を1日でも、1時間でも長くするべきだ。それが人との付き合いだと僕は思っている。
※武藤貴宏さん著『「本気で生きる」以外に人生を楽しくする方法があるなら教えてくれ』より抜粋
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私の脳裏を駆け巡った武藤さんの言葉、それは「会いたい人には"今"会いに行けよ!それが人生だろ!」「亡くなってから"あーだこーだ"はみっともない!」というちょっとアレンジを利かした言葉でした。
普段から友達に誘われたときや、定期的に会う友達、実家に帰るときなどに反芻していたのですが、今回のように有名人や身近な人の訃報を聞くと、余計に重みを感じます。
武藤さんの言われる「今、会いたい人」というのは、決して「再会」だけでなく「新規」も含みます。 話しかけたい人、仲良くなりたい人、そういう人たちです。それだけじゃありません。謝りたい人、感謝したい人、そういう人たちもです。
自分の正直な気持ちを言葉で伝えるのは、ときに非常に勇気がいります。しかし亡くなってその機会さえ与えられないことを思えば、勇気も湧いてこようというもの。綺麗にスマートに言えなくても、顔が引きつってでも後悔するよりはマシです。
上述の武藤さんの「心からの叫び(思い)」は私たちに"今における挑戦"の価値も提供してくれます。実際に我武者羅應援團は前例のない「応援」という形を仕事にし、一般人にとどまらず、たくさんの著名人を激励し、海外からの講演依頼もあるほどです。私が武藤さんの言葉に重みを感じるのは、武藤さん自身(我武者羅應援團)が実際に体現(言行一致)されているからだと思います。
この度は志村けんさんのご冥福をお祈りするとともに、「"今"会いたい人に会う価値」、その大切さをお届けしました。今回のコロナ感染でお亡くなりなった方だけでなく、有史以来、明日を生きられなかった方は数えきれません。しかし幸い、私やあなたには"今"があります。その尊さをスポイルすることなく、後悔を避ける「今日」に武藤さんの言葉を噛みしめたいものです。
あなたはいかがお感じになりますか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
引用・参考文献