心の戦士!~心が前向きになる言葉~

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「一意専心」がわかる寓話

ここにある寓話があります。

 

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ある晩、ネズミが桶の中に落ちた。飛び上がって出ようと最初は大いに努力したが、桶が深くてとても無理だった。

 

そこで今度は桶の側(がわ)を食い破って出ようとかじり始めた。しばらくやってもどうも側(がわ)の木が厚くて硬くて食い破れそうもない。慌てたネズミは場所を変えてまたかじる。

 

ところがやっぱりダメだった。そこでその場所をあきらめてまた次の場所に移った。しかし分厚い木はなかなか食い破れそうもなかった。

 

さんざんに報われることのない努力をしたネズミは、とうとう明け方近くに心身共に疲れ果ててむなしく死んでいった。

 

by 高森顕徹「光に向かって100の花束」より抜粋

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この寓話の教訓は「はじめかじり始めた箇所を最後までかじり続けていれば、桶の側(がわ)の板に通り抜ける穴ができたものを・・」ということです。

 

職を転々とする人も世間ではこのようなネズミの状態を言われます。意志薄弱と言えばそれまでですが、人間はそんなに強い生き物でもありません。著者の高森氏は次のように言われます。

 

「迷うことなく自分の道に進んでゆくということはなかなかに難しい。固い意志とたゆまぬ努力が必要だ。迷えば迷うほど努力が無駄になると知ったら、最初に熟慮して決断し断固努力で突き抜けるがよい」

 

そしてこう続けます。

「入口の方はとても入る余地のないように混んでいる満員電車でも、奥へ入ってゆけば案外空(す)いているものだ。入口が塞がっているからといって、断じて絶望してはならない」

 

引用文献

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博多一風堂の創業者 河原成美さんは次のように言われます。

「人には無限の可能性がある。でも、選べるのは一つ

 

以前に紹介したマネックス証券松本大社長も "転職する人は多いが、業種を変えて成功した人を私は見たことがない。少なくとも私は金融業界から衣替えをしたいと思ったことはない。なぜなら金融業界だけをとっても奥が深く学ぶ点は常に出てくるからだ" といった主旨を言われます。実際に今年仮想通貨取引所コインチェック」と業務連携し、一段と忙しさが窺えます。

 

10代~30代くらいはまだ自分の適性が定まらないことが多いので、大いにチャレンジしたほうが得策とも取れますが、40代以降にそれをするのはリスキーです。一風堂の河原さんも、さまざまなことにチャレンジし、挫折した結果、ラーメン道に絞りました。その結果が上掲の言葉です。

 

確かに人間の可能性は無限かもしれませんが、時間はまぎれもなく有限。あれもこれもで成功を収められるほど、プロの世界は甘くありません。副業もアルバイト、物販、情報発信、株、FXとさまざまありますが、底辺でうろうろするばかりではいつまでたっても結果は追いつきません。ある程度見定めたあとは「一意専心」「継続は力なり」を地で行くことです。

 

私の20代も会社都合が相俟(あいま)り、約1年ごとに職を転々としました。しかし28歳に現職(保険会社のコールセンター)に就いて以降は逆に辞めないことを目標に「オペレーター → SV(スーパーバイザー) → チーフ(指導職)」と10年のキャリアを積んできました。

 

ネズミが一か所の桶の側(がわ)をかじり続ければ、穴の一つを開けられたであろう時間を、さまざまな箇所に力を分散させたがゆえに穴を開けられず力尽きてしまった、このネズミの訓話は私たちの日常にも置き替えられます。

 

難しいテーマの話ではありますが、あなたの何かしらの進退等の参考になりましたら幸いです。本日もお読みいただき、ありがとうございました。