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「兵糧意識」とは? 2

前回の記事「兵糧意識とは?1」の続きです。

 

前回は漫画家の弘兼憲史さんの著書を通じて、「兵糧意識」という言葉を知ったという話をしました。しかし私が「兵糧意識」の大切さを知ったのはそれだけではありません。その後にファイナンシャル・プランナーの深田晶恵さんの著書「30代で知っておきたいお金の習慣」からも「兵糧意識」の重要性を認識しましたので、本日はその点を紹介します。まず深田さん自身の実体験を語られた箇所の抜粋です。

 

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ファイナンシャルプランナーになる前の会社員時代は「お金オンチ」でした。お給料日前の銀行口座はいつもすっからかん。それどころか、ボーナスで毎月の赤字補填をしていたくらいです。

 

入社数年後、財形貯蓄をしている同期入社の同僚に「なぜお金を貯めるの?結婚したらダンナさんのお金で生活するし、家を買うときもダンナさんのお金で買うんだから、貯めても生きている間に使わないかもしれないじゃない」なんて、今思い出すと赤面するようなことを言っていたのです。決してお嬢様育ちではなかったのに、まったく世間知らずでした。

 

そのうち英語力必須の部署に異動になり、英会話スクールへ通うことにしましたが、その費用の30万円がない…。仕方なく親に借金を申し込んだら「それくらいのお金もないのか」と叱られてしまいました。そんな私を見て、積み立て好きの姉が「とにかく積み立てでお金を貯めるように」と言ったことがきっかけで財形貯蓄を始めました。

 

目的もないまま始めましたが、2年かけて100万円が貯まったとき、ちょっとした達成感があったことを覚えています。そうなると「200万円になる時期はいつかな」と貯めるのが楽しくなるんですね。本書でも「残った貯蓄では貯まりません」「目的がなくても貯めるんですよ」と繰り返し言っていますが、いずれも私の体験も踏まえたアドバイスなのです。

 

わずかな金額ながら、そのとき貯めたお金は、会社を辞めてFPを目指したときに役に立ちました。15年前のことですから、PCやFAXを買うには今よりまとまったお金が必要でしたし、FP講座の費用や勉強するために買った書籍代もばかにならない金額です。そのとき使ったお金は、FPとして仕事をするようになり回収できましたが、貯蓄がなかったらこの世界に一歩踏み出すのも難しかったかもしれません。積み立てを勧めてくれた姉に感謝です。

(同書から抜粋)

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つづいて、深田さんの知人についてのエピソードです。

 

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私の知人の男性は、数年前、新婚で入居したばかりの賃貸マンションを出ていかざるをえなくなるトラブルに見舞われました。上のフロアに住む人の騒音が尋常ではなく、管理会社を通じて苦情を伝えてもラチが明かなかったのだそうです。深夜も騒音がひどく眠れないうえ、奇妙な嫌がらせまで起き始めて妻が怖がったため、ほんの2か月ほどで引っ越したといいます。

 

その男性は私に「何かあったときのためにと貯めておいたお金が役に立ちました。妻のためにすぐ動けたのは不幸中の幸い」と話してくれました。

 

また私が以前一緒に仕事をしたある編集者は、30代で仕事を辞めてイギリスに留学しました。編集の仕事を続けているうちに「翻訳の勉強をしたい」という夢ができたのだそうです。「もし留学費用をまかなえるだけのお金が貯まっていなかったら、夢を諦めざるをえなかったと思います。コツコツ貯めておいて本当によかったです」━退職の挨拶いてくれたときの晴れやかな顔は、今でも忘れられません。

(同書から抜粋)

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いかがでしょうか。どちらのケースも「兵糧」があったからこそ、新しい環境を買えたということですね。

 

最後に前回の弘兼さんの「兵糧意識」に対する考え方を、そのまま深田さんも語られていますので、その箇所を抜粋して終わりにします。

 

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私は「頑張ってお金を貯めましょう」と言い続けていますが、みなさんに"金の亡者"になってほしくはありません。お金は将来への不安をなくすだけでなく、人生を柔軟に切り開いていくためにこそ、準備しておくべきものです。お金は、人生の選択肢を広げてくれるものなのだということを、常に心に留めておきましょう。

(同書から抜粋)

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同書で深田さんも仰ってますが、大事な視点は、いい意味でも悪い意味でも、人生は予期せぬことが起こり、その時点で何とかしようと思っても"何ともならない"ということです。仮に何とかなっても、割の悪い条件を呑んだ結果かもしれません。

 

いずれにしても、余裕の範囲で「兵糧」することは、途上で安心感(勇気)を買える観点からも無駄にならないと思います。その考えを経営で捉えたのが松下幸之助翁で、それが有名な「ダム式経営」です。

 

ただし、環境や条件により、誰もが「兵糧」ができ、誰もが「ダム式経営」ができるわけではありません。あなたがたいへんな環境に遭われていましたら、どうか無理はなさらず、いつかのための「意識」止まりで十分です。

 

「蝸牛(かたつむり) ゆるゆる登る 富士の山」

 

焦らずにコツコツ前向きに歩んでまいりましょう!

 本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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引用・参考文献

深田晶恵著「30代で知っておきたいお金の習慣」