「百人百様」のしあわせ

先日紹介した福島正伸さん著「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」にラーメン屋さんの成功についての記述がありますので、下記に抜粋します。

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もしここでラーメン屋さんとして成功する方法が一つしかないとすれば、みんなが同じ味、同じお店になってしまって、同じ価値を競い合うことになり、最後まで残って成功する起業家は一人だけになってしまうでしょう。

百人がすべて同じ味のラーメン屋さんを目指したとすれば、全員が成功することはできなくなります。そうではなく、百人すべての起業家が成功するためには、どうすればいいのでしょうか？

その答えは、百人それぞれが本当においしいと思う味を、本当にお客様に喜んでいただくことができるお店を、とことん追求していけばいいのです。

そうすれば、いつか必ず全員が繁盛するラーメン屋さんをつくることができるようになります。そしてそれぞれ繁盛して話題のお店になったときに、それぞれの味や値段、材料、調味料、器、接客、お店のデザインなどを比べてみると、同じお店は一つもないことに気づくはずです。

汁だけでも豚骨、塩、醤油などに分かれていたり、面も細かったり、太かったり、硬かったり、やわらかめだったり、具もいっぱいのものがあったり、シンプルなものであったり、本当に様々なラーメンがそれぞれの特質を持って、成功していることでしょう。

つまり、ラーメン屋さんの成功方法は、百人いれば百通りあるのです。それぞれがみな、他にはない自分らしいラーメン屋さんとして成功することができるのです。

こうして、いろいろなラーメンを様々な雰囲気のお店で味わうことができれば、一つの味しかないラーメン業界よりも、それはお客様にとっても楽しいはずです。

自分らしさとは、すべての人に可能性をもたらすだけでなく、社会をバラエティに富んだ、より楽しいものに変えていくことにもなるのです。

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ラーメン屋さんで百人百様なのですから、私たちの人生は言わずもがなでしょう。

仕事では「差別化」と言われますが、人生ではあまりそのような言い方はされません。今一度、マニアックな趣味、マニアックな遊び、マニアックな楽しみ等、各々がまっすぐに進んでもいいのではないでしょうか。

今付き合っている人も数年後、数十年後はあなたのそばにいない人も多いはず。しかしあなたは必ずあなたが死ぬまで付き添います。つまりあなたを裏切ってはいけない人は、他でもない、「あなた」ということです。

あなたを追求し、あなたを喜ばせた分だけ世の中に一つ「花」が生まれます。それが一人、二人と増えていけば、世の中が様々な「花」で彩られます。それを四字熟語で「百花繚乱（ひゃっかりょうらん）」といいます。

しあわせは画一的なものではなく、百人百様の代物（しろもの）であると思います。百合（ゆり）と薔薇（ばら）が争うとか、ふつうはありません。菊（きく）は菊（きく）、チューリップはチューリップです。どちらもいい香り、いい見栄えです。

自分に正直に生きる分、他の人の正直さも認められる生き様は、もはや一つの「花」に見立てられ、そういった意味では「百花繚乱」は奥深く広大無辺な様（さま）を映します。さぞかし壮大で見応えがあることでしょう。

他の人の生き方を認められる人は、自分の生き方を認められる人だけです。

ぜひあなたの一日にあなたの喜びを添えてあげてください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

引用・参考文献