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「ヒトゲノム」と努力

最近に私は丹羽宇一郎さん著「死ぬまで、努力」という本を読みました。すごいストレートなタイトルですが、中身はそこまで精神論に傾倒しません。努力の大切さは節々に出ますが、ビジネス戦線での処世術や働き方改革、外交・貿易など多岐に渡ります。

 

まず丹羽宇一郎さんの簡単な略歴です。

名古屋大学を卒業後、伊藤忠商事に入社。1998年に社長、2004年に会長に就任。現在は公益社団法人日本中国友好協会会長、一般社団法人グローバルビジネス学会会長、福井県立大学客員教授伊藤忠商事名誉理事。

 

すごい肩書ですね…

 

さて、本日は、同書に「ヒトゲノム」について触れた箇所がありましたので紹介します。

 

「ヒトゲノム」はときどき耳にしますが、「人間のもつすべての遺伝子情報」のこと。丹羽さんはこの「ヒトゲノム」の解説から努力の必要性を語られます。

 

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人間という生き物は、もともと持っている能力や適性にほとんど違いはないようです。ヒトゲノム(人間の遺伝子情報)は、約30億の塩基対から構成されていて、どんな人であってもDNA配列の99,9%は同じであり、個体差は0,1%にすぎないことが最近の研究でわかっています。つまり人間はみな、ほぼ同じ遺伝子情報を持って生まれてくるということです。

 

にもかかわらず、能力や才能を開花させることができる人と、できないまま終わってしまう人がいるのはどうしてでしょうか。

 

人間の能力開花には「努力の差」が大きく関係していると、私は考えています。大部分の人間が99,9%同じ遺伝子を持っているから、勝負は「努力」ということになるのでしょうが、じつは極々(ごくごく)特別のプロの成功の裏にも、私たちが想像できないほど過酷で地道な努力が隠されているのです。

(同書より抜粋)

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この後に、イチロー選手や大谷翔平選手、囲碁で二度の七冠に輝いた井山裕太さん、将棋界で史上初の永世七冠を達成した羽生善治さんの名前が挙げられ、それぞれの地道な努力量が紹介されます。

 

そして "努力すれば彼らのようになれる!" と檄を飛ばされるかと思いきやそうではなく、彼らのようになれない理由を次のように語ります。

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彼らと私たちとの間に、0,1%の個体差=300万個のDNAの差があるからかもしれません。イチロー選手が企業の社長になれず、私がイチロー選手になれないのと多分同じです。

 

とはいえ、努力を続けてさえいれば、ある程度のレベルまでは達することはできる。イチロー選手と同じとはいかなくても、限りなく近づいていくことはできます。これこそが努力の価値です。

(同書より抜粋)

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成功者が "人の能力に大差はない" とか "人の能力はほとんど同じ" と何の根拠もなしに言われることがありますが、「ヒトゲノム」を用いてそれを語る人は初めてで、私はそこに斬新さを感じました。

 

私もあなたも、ヒトゲノム(遺伝子情報)は99,9%同じで、ビル・ゲイツイーロン・マスクとも99,9%同じということ。

 

にわかに信じがたいですが、丹羽さんのおっしゃることが事実ならば、そういうことなのでしょう。

私は基本的に好きなことや自分の得意なことに「努力」を傾けるべきと考えますが、多かれ少なかれ、嫌いなことや苦手なことに囲まれる人も少ないと思います。例えば体力のない人が、体力の使う仕事に就いているとは思えませんし、数字が苦手な人が会計の仕事に就いているとは思えません。

 

ついては、なんだかんだ言っても、私たちはそれなりに好きなことや向いてることを「仕事」にする可能性が高く、そうであることを前提に考えると、やはり私たちは今の仕事(職場)で「努力」することが、「努力」の発揮場所として適するように思います。

 

この「ヒトゲノム」の話で勇気がもらえるのは、自分が苦手と思っていたことや、不得意と思っていたことも、実は「努力」でカバーできることに気づかせてくれること、そして「努力」の前に、興味関心を持たなかっただけという可能性もあるということです。

 

例えばあなたがオフィスソフトのExcelに苦手意識を持っていたとします。そしてあなたの隣に座っているAさんは、この上なくExcelが得意です。しかしあなたとAさんのヒトゲノムは99,9%同じ。それならば、あなたもExcelができてしかるべしと考えて相違ないのではないでしょうか?

 

要はあなたはExcelを食わず嫌いしていたか、Excelの魅力に気づく機会がなく、興味がそそられなかっただけ・・とする解釈も可能です。

 

イチロー選手も大谷選手もみな、「努力」がなければその地位にいません。すなわち「努力」は必須で、彼らを彼らたらしめたのは、結局「努力」だったのです。ということは、努力の「質×量」が一番高かったか、運に恵まれたか、その微妙なところは「天」に聞かないとわかりませんが、私もあなたもあの人も、みな99,9%同じ遺伝子情報を持っているわけで、過度に向き・不向きで片づけないほうが無難ということです。

 

そして最後に、0,1%の個体差(300万個のDNAの違い)があることも確認されましたので、自分の興味・関心が高いことがそれにあたると考え、その領域で改めて「努力」の価値を見い出すのが得策に思います。

 

「ヒトゲノム(人間の遺伝子情報)」の教授

それは「0,1%の個性と99,9%の可能性」

 

私もあなたもこれからは、何かを苦手と思っても、壁にぶつかっても、ぜひ思い出しましょう。

「99,9%の可能性」

他の人にできることの大半は、にもできる」

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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