「反無頼」のススメ
「無頼」という言葉があります。定職に就かず無法な行いをする人や頼みにするところがないときに使ったりします。「無頼の身」や「無頼派」などと書けば、見聞きしたことがあるかもしれません。
本日は文字通りの意味ではなく、無頼の精神といった感じで、「何にも頼らず自分一人で確固として生きていく」という意味で使わせていただきます。そして無頼の前に「反」という字を書き、逆に「何かや誰かに頼って生きようよ」というススメをしたいです。
確かに自助独立の精神が大事なことは認めます。しかし家族や友人、さまざまな仲間があって「人生」です。いくら自分が努力家で一人で何でもできると言っても限界があります。またそれは「今の年齢」での話で、歳を取れば今できることもできなくなることも多々考えられます。
ではどうしたらいいか?
俗に言う「コア・サテライト戦略」です。投資でも「コア・サテライト投資」と言ったりしますが、「コア」は核(中核)という意味で、ここに自助独立をもってきます。「サテライト」は衛星という意味で他人や依存をもってきます。7,8割は自助の精神で、2,3割は他助の精神といった感じです。
ではなぜ「他助」が大事かというと、私の考えでは、他助こそセロトニンやオキシトシン(脳内ホルモン)を分泌してくれるからです。自分一人で何かを成し遂げる快楽は、脳内ホルモンとしてはドーパミンです。精神科医の樺沢紫苑さんは、上記3種のホルモンのうち、もっとも大切な順に「セロトニン→オキシトシン→ドーパミン」と言われますが、私も自分の体験からそう思います。
太陽の恵みをしっかりいただき、食事や睡眠を良質なものにする(セロトニン)。そしてまわりの人との会話や情報交換を楽しみ(オキシトシン)、最後にたしなみ程度に達成感を味わう(ドーパミン)といった感じです。
しかし現代は資本主義社会です。経済的にある程度ゆとりがなければ、食生活からのセロトニン的幸福や、また種々の人間関係からのオキシトシン的幸福を味わいづらくなることは否めません。だから「コア」の部分に自助をもち、仕事や経済を豊かにします、そして「サテライト」の部分に他助をもち、自然や交流を楽しむのです。
お金があれば寄付といった形でオキシトシン的幸福も得られます。また人はなんだかんだで「見た目が9割」ですので、「見た目」を気づかわなければ人間関係もうまくいかない可能性をもち、そのために経済的なゆとりは必要と思います。
かの経済学者、アダム・スミスも同じ発言や言動でも、立場や権威が上の人ほうが信頼を得やすいと言っています。見た目だけでなく仕事上のステータスも人間関係に影響を与えるということです。
自分一人で頑張ることも大切な一方、もっと人に頼って交流をもってもいいのです。そして投資といっしょで頼る先はたくさんあったほうがいい。この世は諸行無常で変わらないものはない以上、何かが断ち切られても、また別の何かに頼ればいい、そういった安心感が逆に自助を促進させてくれたりします。
もっと心をオープンに、プライドを捨ててさまざまな人を受け入れましょう。受け入れた分だけきっとあなたを助けてくれます。あなたのストレスを軽減してくれます。いつかどこかであなたの助けになってくれます。自助は自助、他助は他助です。幸せの種類が違います。どちらか一方ではなく、コア・サテライト運用で自助も他助も福利効果をもたらしましょう。
「反無頼」のススメ
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